目次

  1. 1. 不動産の名義変更が必要になるケース
  2. 2. 不動産の名義変更にかかる費用
  3. 3. 不動産の名義変更にかかる費用は誰が払う?
  4. 4. 不動産の名義変更手続きの流れ
  5. 5. 名義変更の費用を支払うタイミング
  6. 6. 不動産の名義変更の費用を安く抑える方法
  7. 7. 不動産の名義変更をせずに放置するリスク
  8. 8. 司法書士に不動産の名義変更を依頼するメリット
  9. 9. 不動産の名義変更と司法書士費用についてよくある質問
  10. 10. まとめ 不動産の名義変更に不安があれば司法書士に相談を

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土地や建物、マンションなどの所有者が変更になったときは、「名義変更」の手続きを行わなければなりません。

不動産の名義変更は、その不動産の所在地を管轄している法務局に「所有権移転登記」を申請します。この申請をするときには、「登記原因」として、所有者が変更になった理由の届け出が必要です。

所有者が変わる理由としては、不動産の「売買」や「相続」が代表的ですが、それ以外にも以下のような場面で名義変更が必要になります。

  • 贈与
  • 財産分与
  • 共有物分割
  • 交換
  • 時効取得

所有権移転登記を申請して不動産の名義変更をしておかないと、その不動産の所有権を第三者に対して法的に主張できません。特に相続においては、名義変更をせずに放置している間に次の相続が発生して権利関係が複雑化したり、2024年4月から施行された「相続登記の義務化」によって過料の対象となったりするリスクもあります。

所有者としての権利を確実に守るためにも、すみやかな手続きが重要です。

不動産の名義変更には、大きく分けて以下の4つの費用がかかります。

  • 公的証明書の取得費用
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 事後的に生じる税金

2-1. 公的証明書の取得費用

不動産の名義変更のために所有権移転登記を申請する際には、登記申請書のほかにさまざまな公的証明書を提出する必要があります。代表的な公的証明書の種類と取得費用は、以下の表のとおりです。

公的証明書 取得費用 備考
住民票 1通あたり200円~400円
※自治体により異なる 
・新所有者(譲受人)について必要
・戸籍の附票でも代用可能
・コンビニ交付のほうが安い場合がある
印鑑証明書 1通あたり200円~400円
※自治体により異なる 
・旧所有者(譲渡人)について必要
・提出時点で発行後3カ月以内のもの
・コンビニ交付のほうが安い場合がある
固定資産評価証明書 1通あたり200円~400円
※自治体により異なる
・登録免許税の算出に必要
・固定資産税課税明細書でも代用可能
戸籍謄本
(戸籍全部事項証明書)
1通あたり450円 ・相続による名義変更の場合に必要
・コンビニ交付の可否は自治体により異なる
除籍謄本、改製原戸籍 1通あたり750円 ・相続による名義変更の場合に必要
・コンビニ交付は不可
登記事項証明書
(登記簿謄本)
1物件あたり480円~600円 ・申請前の調査や登記完了後の確認として取得
・オンライン請求し窓口で受領するのが最も安価

名義変更の理由が相続の場合は、被相続人(以下、亡くなった人)の出生から死亡までの戸籍謄本などが必要になるため、総額で5000円から1万円程度かかります。それ以外の場合は2000円から3000円程度に収まるのが一般的です。

2-2. 登録免許税

「登録免許税」とは、登記を申請するときに国に納める税金のことです。税額は固定資産税課税台帳に記載された不動産の評価額である「固定資産評価額」に、法律で定められた税率をかけて算出します。この税率は、所有者を変更する理由(登記原因)によって異なります。税率は、以下の表のとおりです。

名義変更の理由 税 率
土地の売買 1000分の15(1.5%)
※租税特別措置法による軽減税率
建物の売買 1000分の20(2%)
相続 1000分の4(0.4%)
贈与 1000分の20(2%)
財産分与 1000分の20(2%)

たとえば、固定資産評価額が1000万円の土地について所有権移転登記を申請する場合、以下の登録免許税がかかります。

  • 名義変更の理由が「相続」なら1000万円×0.4%=4万円
  • 名義変更の理由が「売買」なら1000万円×1.5%=15万円
  • 名義変更の理由が「贈与」なら1000万円×2%=20万円

2-3. 司法書士報酬

不動産の名義変更は自分で行えますが、登記の専門家である司法書士に依頼したほうが安心です。司法書士への報酬に一律の規定はなく、各事務所が自由に設定しています。代表的な名義変更の理由ごとの司法書士報酬額の目安は、以下の表のとおりです。

名義変更の理由 報酬額の目安 備考
相続 8万円~15万円 ・戸籍謄本の取得や遺産分割協議書作成などを含む場合が多い
売買 7万円~15万円 ・残代金決済の立会業務が含まれる場合と、立会日当が別途かかる場合がある
・抵当権設定登記(住宅ローン利用)がある場合には別途費用がかかる
贈与、財産分与 5万円~10万円 ・贈与契約書や離婚協議書の作成も含む

司法書士報酬の相場は地域によって変わることもあり、不動産の個数や評価額に応じて報酬が加算される場合もあります。何を、どこまで依頼すると報酬がいくらになるのか、見積書や報酬規定表を提示してもらい、よく確認したうえで依頼してください。

2-4. 事後的に生じる税金

不動産の所有者は「固定資産税」を納める必要があります。1月1日時点の登記上の所有者に対して1年分が課税されるもので、不動産の名義変更を行った場合には、その翌年から新しい所有者に納税義務が生じます。また、固定資産税以外にも、名義変更の理由により下記の税金が生じる場合があります。

名義変更の理由 税金の種類 税率 備考
売買 不動産取得税 4%
ただし、土地と住宅については軽減税率により3%
・一定の新築住宅や中古住宅を取得した場合にはさらに軽減あり
相続 相続税 基礎控除額を超える金額に対して10%~55% ・基礎控除額=3000万円+(法定相続人の数×600万円)
贈与 贈与税
不動産取得税
贈与税:基礎控除額を超える金額に対して10%~55%
不動産取得税:売買の場合と同じ
・基礎控除額=110万円
・配偶者控除(おしどり贈与)や相続時精算課税制度あり
財産分与 原則としてかからない   ・夫婦の共有財産の清算であれば、贈与税や不動産取得税はかからないが、慰謝料代わりや過分な財産分与の場合は課税される可能性がある

事後的にどのような税金が生じるのか、税額はいくらになるのかは手続きを進める前に把握しておくべきです。不安や疑問がある場合は、税金の専門家である税理士への相談をお勧めします。

登録免許税や司法書士報酬などの費用を誰が負担するかについて、法律上の厳密なルールはありません。基本的には当事者間で自由に決められますが、実務上は以下のような慣例に従うのが一般的です。

  • 相続:当該の不動産を最終的に引き継ぐ相続人が負担
  • 売買:一般的に買主が負担。契約書で別段の定めも可能
  • 贈与:不動産を譲り受ける受贈者が負担するケースが多い

なお、不動産を譲り渡す旧所有者について、住所氏名に変更がある場合や住宅ローンの返済がある場合には、所有権移転登記の前提で「住所氏名変更登記」や「抵当権抹消登記」が必要になります。これらの費用は旧所有者が負担するのが一般的です。

また、固定資産税や不動産取得税、贈与税は、登記がされると法務局から税務署や自治体に通知が行き、それに基づいて課税されます。これらの納税義務をほかの人に負担させることはできません。

不動産の名義変更は、相続や売買といった「実体」があって初めて可能になります。理由なしに名義だけの変更はできません。ここでは、代表的な4つのケースについて手続きの流れを解説します。

4-1. 相続の場合

【STEP1】相続人および不動産の特定
亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を除籍謄本や改製原戸籍も含めて取得し、誰が相続人なのかを特定します。また、固定資産税の納税通知書や名寄帳などを活用し、亡くなった人の所有不動産をもれなく洗い出します。

【STEP2】遺言書の有無の確認
亡くなった人が遺言書をのこしていないかを確認します。公証役場での遺言検索や、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していないか照会します。遺言書があれば、原則としてその内容に従って名義変更をします。

【STEP3】遺産分割協議
遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行い、不動産を引き継ぐ人を決めます。必ず相続人全員で合意しなければならず、1人でも欠けた状態で行われた協議は無効となります。

【STEP4】必要書類の準備
戸籍謄本や遺産分割協議書のほか、亡くなった人の住民票の除票、不動産を引き継ぐ人の住民票、相続人全員の印鑑証明書などの書類を準備します。

【STEP5】登記申請、登記完了
不動産の所在地を管轄する法務局に所有権移転登記を申請します。申請方法は、窓口提出、郵送、オンラインの3つがあります。法務局の混雑状況にもよりますが、申請してから2週間から1カ月程度で登記が完了します。

登記が完了したら「登記識別情報通知」と「登記完了証」を受領し、「登記事項証明書」を取得して登記内容に間違いがないかを確認します。登記識別情報通知は一般的に権利証と呼ばれるもので、再発行してもらえない重要な書類となりますので大切に保管してください。

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4-2. 売買の場合

【STEP1】売買契約の締結、手付金の支払い
売主と買主の間で売買契約書を交わし、手付金として売買代金の5%から10%程度を支払います。

【STEP2】履行の準備
売主は不動産を引き渡すために引越しや残置物の撤去、隣地との境界確定などの作業を進めます。一方、買主は売買代金を支払う準備を進めます。住宅ローンを利用する場合は、金融機関の審査を受けて金銭消費貸借契約を締結します。

【STEP3】残代金決済および引き渡し
所有権移転登記に必要な書類がすべてそろっているという条件のもと、買主が売主に対して、売買代金から手付金を差し引いた「残代金」を支払います。

【STEP4】登記申請、登記完了
売買代金の支払いが行われたその日のうちに登記申請を行います。

4-3. 贈与の場合

【STEP1】贈与契約の締結
不動産を譲り渡す「贈与者」と譲り受ける「受贈者」の間で贈与契約を締結します。口約束だけでも贈与契約は成立しますが、後日のトラブル回避や税務署への説明のために契約書を作成しておきましょう。

【STEP2】引き渡し
贈与契約書に引き渡し期日を定めている場合は、その期日に不動産を引き渡します。引き渡しと登記手続きを同時に行うよう定めるのが一般的です。

【STEP3】登記申請、登記完了
贈与を受けた翌年に確定申告を行います。贈与税は高額になるケースがあるため、税理士への事前の相談を推奨します。

4-4. 財産分与の場合

【STEP1】財産分与の協議
離婚届を提出する前に「夫婦の共有財産をどう分けるか」を話し合います。離婚成立後でも2年間は財産分与の請求が可能ですが、離婚成立後は相手が真摯に応じてくれない可能性もあるため、離婚届の提出前に合意するようにしましょう。

【STEP2】離婚協議書の作成
のちのトラブルを回避するため、合意内容を必ず書面に残してください。養育費や慰謝料の支払いがある場合は、強制執行が可能な「公正証書」での作成を検討しましょう。

【STEP3】離婚届の提出、離婚の成立
市区町村の役所に離婚届を提出し、受理されると離婚が成立します。財産分与を理由とする名義変更は、離婚が成立したあとでなければ申請できません。

【STEP4】登記申請、登記完了
財産分与による不動産の名義変更を申請する際は、実印の押印や印鑑証明書の提供など、元配偶者の協力が必要です。離婚届の提出後、すみやかに登記申請をしてください。

名義変更の費用を支払うタイミングは、名義変更を自分で行うか、司法書士に依頼するかによって異なります。

自分で名義変更を行う場合は、登記申請をする際に登録免許税を支払う必要があります。登録免許税は、登記申請書に収入印紙を貼付するか、金融機関で納付し、その領収証書を貼付して提出します。オンライン申請を行う場合は電子納付(ペイジー)も利用できます。

一方で、司法書士に依頼した場合には、登録免許税などの実費と報酬をまとめて前払いするのが一般的です。登録免許税は高額になるケースもあるため、トラブル防止の観点から、原則として司法書士は立て替えをしません。名義変更のための書類がそろい、登記申請の準備が整った段階で、報酬と合算して振り込みを依頼する事務所が多いです。

なお、不動産取得税や贈与税などの税金は、名義変更の直後ではなく、一定期間が経過してから納付します。

不動産取得税は名義変更から半年後から1年後に自治体から通知書が届きます。また、贈与税は名義変更した翌年の2月から3月にかけての申告期間に納付します。あらかじめ税額の概算を把握し、納税資金を手元に残しておきましょう。

名義変更の費用を抑えるためには、以下のポイントに留意してください。

6-1. 登録免許税の軽減措置や免税措置を活用する

登録免許税には、特定の条件を満たす場合に税率が下がったり、非課税になったりする特例措置があります。ただし、いずれも期限付きの措置であるため注意が必要です。

【土地を売買する場合(2029年3月末まで)】
売買を原因とする土地の所有権移転登記については、税率が1000分の20(2%)から1000分の15(1.5%)に軽減されています。名義変更の理由が売買であれば、その土地が居住用か事業用かにかかわらず、一律に適用されます。

【居住用家屋を取得する場合(2027年3月末まで)】
居住用家屋を売買で取得する場合には、税率が1000分の20(2%)から1000分の3(0.3%)に軽減されます。この軽減を受けるためには、床面積や築年数などの要件をクリアしたうえで、「住宅用家屋証明書」という書類を取得する必要があります。

【100万円以下の土地の相続登記(2027年3月末まで)】
相続登記を促進するため、固定資産評価額が100万円以下の土地について相続登記を申請する場合は、登録免許税が非課税となります。ただし、建物については、固定資産税評価額が100万円以下であっても非課税にはならないため注意してください。

【亡くなった人の名義にする場合の相続登記(2027年3月末まで)】
相続によって土地を取得した人が、相続登記をしないまま亡くなった場合に、その亡くなった人を名義人とする相続登記は非課税となります。こちらも土地の相続に限定され、建物は対象外となります。

6-2. 自分で登記申請を行う

司法書士に依頼せずに自分で登記申請を行えば、司法書士報酬を支払う必要がなくなり、費用を大幅に節約できます。

最近では、登記申請の方法を解説するウェブサイトや動画サイトなどで申請手順を詳しく知れるほか、法務局の「登記相談窓口」でも申請書の書き方や添付書類についてアドバイスを受けられます。

ただし、自分だけの力で登記申請を完結するにはそれなりの労力と時間が必要です。特に相続関係が複雑な相続登記では、不足なく書類をそろえて正確な申請書を作成するのは容易ではありません。

また、売買の場合には、代金の支払いと同時に名義変更を行う「即日申請」が鉄則です。万が一、自分で行った申請に不備があれば、買主や融資を行う金融機関にとって重大なリスクとなります。そのため、実務上は「司法書士による立会と即日申請」が必須条件とされるケースが一般的です。

6-3. 複数の司法書士事務所を比較する

司法書士報酬は自由化されているため、複数の事務所から見積りを取り、比較するのも費用を安く抑える一つの方法です。現在では多くの事務所がオンライン申請に対応しているため、必ずしも不動産の所在地に近い事務所を選ぶ必要はありません。

ただし、報酬の安さだけで依頼先を決めるのはお勧めしません。

まずは、見積額にどこまでの業務が含まれているかをしっかり確認しましょう。基本報酬が安かったとしても、戸籍謄本の取得や遺産分割協議書の作成などが別料金になっているケースもあります。また、司法書士にもそれぞれ得意分野があり、対応スピードにも差があります。無料相談などを利用し、実績があって信頼できる司法書士を見極めるようにしてください。

相続の場合を除き、不動産の名義変更は義務ではありません。所有権移転登記を申請して不動産の名義変更をするかどうかは当事者の自由です。

ただし、名義変更をせずに放置すると、将来的に以下のような大きなリスクにつながる可能性があります。

  • 売却、賃貸、担保設定などができない
  • 第三者が先に登記申請すると、権利を失うおそれがある
  • 相続手続きが複雑化する
  • 相続登記を怠ると過料が科される

7-1. 売却、賃貸、担保設定などができない

不動産の取引においては、登記記録上の所有者が、その不動産の所有者であると判断されます。事実上の所有者となっていたとしても、名義変更が未完了で登記記録上の所有者が別人であれば、その不動産について売却や賃貸はできず、担保に入れて融資を受けることもできません。

7-2. 第三者が先に登記申請すると、権利を失うおそれがある

不動産の所有権を第三者に主張するためには、所有権移転登記を済ませておかなければなりません。

たとえば、離婚した妻が財産分与で夫名義のマンションを取得したものの、登記をせずに放置していたとします。登記名義人である元夫が自分の名義になっていると知り、事情を知らない第三者に売却して、その第三者が先に所有権移転登記を行うと、元妻はそのマンションが自分のものであると第三者に主張できず、結果的に所有権を失う可能性があります。

7-3. 相続手続きが複雑化する

相続登記をするためには、原則として相続人全員の協力が必要です。面倒だからと相続登記をせずに10年、20年と放置していると、その間に次の相続が発生し、相続人の数が増えて手続きが困難になります。また、相続人の中に高齢者がいる場合には、認知症などで遺産分割協議ができなくなるリスクもあります。

7-4. 相続登記を怠ると過料が科される

長年にわたって相続登記がなされずに放置され、所有者がわからない状態の土地が増えて大きな社会問題となっています。この所有者不明土地問題を解決するために、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。

これにより、相続人は不動産の相続を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならなくなりました。正当な理由なくこの義務に違反した場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。

不動産の名義変更は自分でもできますが、登記の専門家である司法書士に依頼すれば、単なる手続代行以上の次のようなメリットが得られます。

  • 正確かつ迅速な手続きによる権利の保全
  • 当事者間のトラブルを未然に防ぐ「中立なアドバイス」
  • 税理士や弁護士などほかの専門家との連携

8-1. 正確かつ迅速な手続きによる権利の保全

不動産の所有権を取得しても、名義変更を完了させなければ、第三者に対してはその所有権を法的に主張できません。つまり、正確かつ迅速に登記をすることが、所有者としての権利を守る唯一の手段といえます。

また、2024年の相続登記義務化に続き、2026年4月からは住所と氏名の変更登記の義務化も始まっています。期限内に正確な登記申請を行う重要性は、かつてないほど高まっています。

登記の専門家である司法書士に不動産の名義変更を依頼すれば、戸籍謄本など公的証明書の取得から、遺産分割協議書や贈与契約書の作成、そして登記申請にいたるまで、すべての手続きをワンストップで対応してくれます。そして不備なく確実に登記を完了させ、不動産という大切な財産と権利を、法的に万全な状態で保持できます。

8-2. 当事者間のトラブルを未然に防ぐ「中立なアドバイス」

売買や贈与、財産分与のいずれにおいても、不動産の譲渡人と譲受人は利害が対立する場面が多いです。また、相続においては「誰がどの不動産を継ぐべきか」という話し合いで、相続人同士の意見が食い違うケースも少なくありません。

司法書士が第三者として介在し、現在の法制度や登記の実務に基づいた客観的かつ中立なアドバイスをすると、感情的な対立を予防でき、円満な合意へと導く一助となります。

8-3. 税理士や弁護士などほかの専門家との連携

不動産の名義変更には、贈与税や相続税などの「税金」の問題や、遺産分割や財産分与における「争い」の種が潜んでいる場合があります。多くの司法書士は独自の士業ネットワークを持っており、必要に応じて信頼できる税理士や弁護士を紹介してもらえます。

Q. 不動産の名義変更の司法書士費用が支払えないとどうなる?

司法書士に支払う費用には、司法書士の報酬だけではなく登録免許税などの実費も含まれています。そのため、登記申請を行う前に費用を支払う「前払い」が一般的です。つまり、司法書士費用が支払えない場合は、名義変更の手続き自体が進みません。

Q. 不動産の名義変更は自分でもできる?

不動産の名義変更である所有権移転登記は自分でも行えます。ただし、登記の手続きは簡単ではなく、売買のときには金融機関や不動産業者の要請で司法書士による登記手続きが条件になるケースがほとんどです。

Q. 相続登記の費用は、遺産から支払ってもいい?

相続人全員の合意があれば、亡くなった人の預貯金などから支払っても問題ありません。ただし、評価額が高い不動産の場合は、登録免許税だけでも数十万円かかり、100万円を超えるケースも珍しくありません。

のちにトラブルにならないよう、費用負担については相続人同士で全員が納得するまで話し合ってください。

不動産の名義変更には、登録免許税などの実費だけでなく、名義変更の理由によっては不動産取得税など事後的な税金も生じます。手続きを司法書士に依頼する場合は司法書士報酬もかかります。手続きを始めてから「こんなに費用や税金がかかると思わなかった」ということにならないように、名義変更を行う前にどのくらいの費用がかかるのか把握しておきましょう。

また、確実に名義変更をしないと第三者に不動産の所有権を法的に主張できず、最悪の場合は不動産の所有権を失う可能性もあります。名義変更の理由が生じた場合には、できるだけすみやかに所有権移転登記を申請してください。

不動産の名義変更について少しでも不安や疑問がある場合は、登記の専門家である司法書士への相談をお勧めします。

(記事は2026年5月1日時点の情報に基づいています)

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