目次

  1. 1. マンションの建設費の相場・内訳
    1. 1-1. マンションの構造別の坪単価
    2. 1-2. 鉄筋コンクリート造が主流
    3. 1-3. 本体建設費以外にかかる初期費用
    4. 1-4. マンション建設費が高騰している理由と今後の見通し
  2. 2. マンション建設費が高騰する中で、経営は成立する?
  3. 3. マンション建設費を用意する方法
  4. 4. マンション建設費の条件別シミュレーション
    1. 4-1. 鉄骨3階建てマンションの建設費
    2. 4-2. 鉄筋コンクリート造5階建てマンション建設費
    3. 4-3. 鉄筋コンクリート造10階建て
  5. 5. マンション建設費を抑える方法
    1. 5-1. 相見積りをとる
    2. 5-2. 設備と仕上げの仕様を落とす
    3. 5-3. 外廊下・外階段を採用する
    4. 5-4. エレベーターを無くすまたは台数を減らす
  6. 6. マンションの建設費についてよくある質問
  7. 7. まとめ 土地活用一括サービスを利用し、相見積もりを取ろう

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最初にマンションの建設費の相場・内訳について解説します。

材料別の延床面積に対する建設費の坪単価を示すと、下表の通りです。

  • 鉄筋コンクリート造    :坪100~130万円
  • 重量鉄骨造        :坪90~120万円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造:坪110~140万円

上記の坪単価の中には、電気工事や給排水衛生工事、空調工事などの設備工事も含まれます。
延床面積を乗じれば、諸経費以外の本体工事の建設費を概算することができます。

個人が建てる賃貸マンションの場合、鉄筋コンクリート造もしくは重量鉄骨造が多く採用されます。なお、マンションという用語に正式な定義はありませんが、一般的には4階建て以上の共同住宅を指すことが多いようです。

【4~5階建ては重量鉄骨造または鉄筋コンクリート造】
4階建て以上になると、3階以下で多く採用される木造や軽量鉄骨造は建物の揺れが大きくなってしまうことから、採用されなくなることが一般的です。4階もしくは5階以下の建物であれば、重量鉄骨造または鉄筋コンクリート造が候補となります。

【6階建ては鉄筋コンクリート造】
6階建て以上になると、鉄筋コンクリート造が採用されることが多いです。

個人が建てる賃貸マンションの規模としては、4~10階程度となります。この規模のマンションは鉄筋コンクリート造で対応できますので、賃貸マンションの構造は鉄筋コンクリート造が主流となっています。

なお、鉄骨鉄筋コンクリート造は、例えばタワーマンションの低層階に部分的に採用されることがあります。中層階以上は、鉄骨造もしくは鉄筋コンクリート造が用いられます。個人が行う土地活用で、鉄骨鉄筋コンクリート造が採用されるケースは少ないです。

鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造のマンションは、地震時の揺れに強いため、外壁の仕上げ材にタイルや石といった重たい材料を採用することができます。タイルや石は、耐久性が高いだけでなく、高級感も演出できる仕上げ材です。また、築年数が経過しても劣化を感じにくく、その結果、アパートに比べると賃料も下がりにくくなっています。

マンション建築には、建設費以外に以下のような初期費用が生じます。

  • 設計料
  • 印紙代
  • 現況測量費
  • ボーリング調査費用
  • 水道分担金
  • 火災保険料
  • 建物保存登記の登録免許税
  • 抵当権設定の登録免許税
  • 司法書士手数料
  • 不動産取得税
  • 融資事務手数料
  • 入居者募集費用

ハウスメーカー等に設計施工で依頼した場合、初期費用は合計で建設費の5%程度です。設計施工とは、設計と施工を同じ会社に依頼する発注方法のことを指します。

【建築費は1.2倍以上に高騰】
国土交通省が公表している建設工事費デフレーターによると、住宅の鉄筋コンクリート造の建設費は2015年度を100.0とした場合、2022年度は122.0となっています。建設費は近年、上昇が継続している状況です。建設費は複合的な理由によって高騰しており、なかなか下がる兆しが見えない状況となっています。

根本的な原因は建築業界の人手不足です。団塊の世代が退職したことで職人が大幅に減り、それ以降なかなか成り手が増えずに人件費が高騰しています。

また、円安も建設費を押し上げている原因です。鉄は輸入資材であるため、円安により価格が押し上げられています。建設業界の人手不足も外国人労働者を呼び込むことで穴埋めしようとしていましたが、円安で日本の給料が割安に見えてしまっている状況です。そのため、外国人労働者の取り込みは上手く進んでいません。

さらに、近年は住宅ローンの金利が抑えられたことで住宅の購入需要が高まり、マンションの建設ラッシュが続きました。強い需要が続いたことも、建設費を押し上げる要因となっています。

【落ち着く可能性はあるが、大幅下落の見込みはない】
今後の見通しとしては、金利が上がれば建設費もやや落ち着く可能性はあります。金利が上がれば海外の通貨との利率の差が解消され、円を売ってドルを買うような動きは弱まります。昨今の円安は、円に比べて海外通貨の方が利率は高いことから、海外通貨で運用した方が有利であり円売りドル買いのような動きが続いていることで生じている現象です。円売りの動きが弱まり円高になれば、輸入建設資材の価格が下がることが予想されます。

加えて、金利が上がれば住宅ローンの金利も上がり、住宅需要が弱まります。住宅需要が弱まれば、マンション価格も下がっていくため、必然的にマンションの建設需要も弱まります。建設会社が受注のために値下げに踏み切れば、建設費は下がります。

ただし、金利が上がっても建設業界の人手不足の問題は、解消されるわけではありません。そのため、金利の上昇だけでは、建設費が大きく下がることは期待できないといえます。

マンション建設費の高騰で、懸念されるのは利回りの低下です。利回りは、年間収益を投資額で割ったものとなります。

利回り=年間収益÷投資額

マンション経営の収支は、利回りの計算式の中で分子の年間収益に相当します。建設費が高騰していても、分子の年間収益にはほとんど影響は与えません。建築の高騰が影響を与えるのは、分母の投資額の方です。

そのため、「マンション建設費が高騰する中で経営は成立するか?」という問いに対しては、「成立する」といえます。ただし、利回りは低くなるということです。

分子の年間収益は、家賃の高さや空室の少なさなどが影響する部分になります。家賃の高さや空室の少なさに影響を与えるのは、主に立地条件です。建設費の高騰は、家賃の高さや空室の少なさには直接的に影響を与えません。

建設費の高低に関わらず、分子の年間収益を十分に保つには適切な立地でマンション経営を行うことが重要です。

例えば、駅から徒歩10分圏内にある土地や、中心市街地、通勤や通学に便利な場所等がマンション経営に適した土地といえます。

特に、相続した土地を持っている人でマンションを建設しようと考えている人は、立地さえよければ、十分に経営が成立します。土地の購入が不要な分、分母の投資額を小さくできるためで、利回りは6~9%程度は期待できます。

【関連】マンション経営は儲かる? リスクは? 成功のポイントを解説

マンション建設費は、ローンを組んで用意することが多いです。マンションのような投資用の建物の建設のためのローンを、一般的にアパートローンと呼びます。

アパートローンを組む際は、最低でも建設費の10%程度の頭金を求められることが多いです。アパートローンの金利の相場は2.5~5%程度となります。他に多くの資産を持っている資産家の場合は、1%台となることもあります。

アパートローンの借入期間は耐用年数以内であることが一般的ですが、最長でも35年としている銀行が多いです。例えば、鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年ですが、35年までしか組めないこともよくあります。

アパートローンは返済原資がマンションから得られる家賃であるため、本人の年収とはあまり関係がありません。そのため、本人の年収をベースにした年収倍率は、あまり考慮されない傾向があります。

建物規模が大きくなれば、借りる金額も大きくなるため、結果的に、年収と比較すると10~30倍程度を借りることができているケースは多いと考えられます。

【関連】アパートローンの全知識をプロが解説 金利から審査の基準、注意点まで

マンション建設費の条件別シミュレーションについて解説します。

1フロアあたり25坪とすると、3階建ての延床面積は75坪となります。3階建ては、ハウスメーカーによっては軽量鉄骨を選択することも可能です。軽量鉄骨造で坪単価を100万円とした場合、建設費は7,500万円です。

1フロアあたり30坪とすると、5階建ての延床面積は150坪となります。鉄筋コンクリート造で坪単価を120万円とした場合、建設費は1.8億円です。

なお、5階建て以下であれば鉄筋コンクリート造だけでなく、重量鉄骨造も選択できます。重量鉄骨造で坪単価を110万円とした場合、建設費は1.65億円です。

1フロアあたり50坪とすると、10階建ての延床面積は500坪となります。10階建てに適した材料は鉄筋コンクリート造です。鉄筋コンクリート造で坪単価を120万円とした場合、建設費は6億円です。

マンション建設費を抑える方法について解説します。

建設費を抑える最も効果的な方法としては、相見積もりを取るということです。近年は、インターネットの土地活用一括サービスにより、無料で簡単に相見積もりを取ることができるようになりました。

ハウスメーカーを変えると、設計や工法も変わりますので、金額が大きく下がることもあります。近年の建設費の高騰を踏まえると、相見積もりはますます重要になっていますので、ぜひ幅広く見積もりを取ることをおすすめします。

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建設費を落とすには、設備と仕上げの仕様を落とすことも効果的です。設備や仕上げはどのように落とせば良いか、分からない人も多いと思います。そこで、おすすめなのが施工者側から減額提案をしてもらう方法です。

見積もりを取った後、「減額提案をお願いします」と伝えれば、通常は無料で減額提案もしてくれます。残すべき必要最低限の設備は何かといったことも、設計者に確認しながら減額提案を採用していくのが良いといえます。

マンションの建設費を安くするには、外廊下・外階段を採用するのが原則です。外廊下や外階段を採用すれば、その分、壁の量が減るため、建設費が下がります。階段に関しては、施工者によってコンクリート階段と鉄骨階段の価格が異なります。外階段をコンクリート階段にするか、鉄骨階段にするかでも価格が異なりますので、念のため確認することが望ましいです。

エレベーターを無くすまたは台数を減らすといったことも、マンションの建設費を下げる方法の一つです。4階建てであれば、思い切ってエレベーターなしでも良いと思われます。立地が良い物件では、5~6階建てでもエレベーターなしの物件が実際には存在します。

エレベーターを無くすことで賃貸面積も増やせる場合があり、収益も向上することもあります。また、将来的なエレベーターのリニューアルも不要になるため、大規模修繕にかかる費用を抑えることにもつながります。

エレベーターを設置する場合でも、台数を適切に抑えることがコツです。エレベーターは50戸に1台が目安とされています。ただし、実際には低層階の人はエレベーターを利用することも少ないため、80戸程度であれば思い切って1台にするというのも一つの選択です。

Q. 100坪にマンションを建てた場合の部屋数は?

一部屋あたり30平米とすると、100坪にマンションを建てた場合の部屋数は30部屋程度です。

戸数は、土地の容積率が何パーセントかによって異なります。容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積の割合を指します。マンションは、容積対象床面積に対して専有面積が9割程度になることが一般的です。容積対象床面積とは、建物の容積率の対象となる面積のことを指します。専有面積とは、借主が実際に借りる賃貸床面積のことです。

例えば、容積率が300%と指定されている土地の場合、300%の容積率をすべて消化できるとすると容積対象床面積は300坪となります。専有面積が容積対象床面積の90%とした場合、合計専有面積は270坪です。1部屋あたり9坪(約30平米)とすると、部屋数は30部屋ということになります。

Q. マンションの建設期間は?

鉄筋コンクリート造のマンションの建設期間は、階数プラス5~6ヶ月が目安です。例えば、6階建てのマンションであれば11~12ヶ月程度の期間がかかります。

Q. マンション経営で期待できる利回りは?

近年はマンションの建設費が高騰していることから、利回りは下がっています。土地を持っている人の場合、表面利回りは建築工事費に対して6~9%程度です。表面利回りとは、投資額に対する年間家賃収入の割合のことを指します。

Q. マンションの耐用年数は何年?

鉄筋コンクリート造の会計上の法定耐用年数は47年です。実際に使うことのできる物理的耐用年数は、100年とされています。一方で、賃貸市場に耐えうる経済的耐用年数は、50~60年程度と考えられます。実際に、賃貸マンションは50~60年程度で建て替えを検討する人が多いです。

以上、マンションの建設費について解説してきました。マンションは5階建て以上になると鉄筋コンクリート造が採用されることが多く、その相場は坪100~130万円程度です。

マンションの建設費を抑えるには、相見積もりを取ることが最も効果的といえます。インターネットの土地活用一括サービスも活用しながら、適切な建設費で建てて頂ければと思います。

(記事は2023年12月1日時点の情報に基づいています)

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