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上昇は25都道府県、昨年の20から大幅増

都道府県別の平均路線価をみると、前年比で上昇したのは25都道府県でした。新型コロナウイルスの影響による低迷からの改善が見られ始めた昨年の20都道府県からさらに増加し、コロナ禍の影響が反映されていない2020年の21都道府県を上回りました。上昇率のトップは昨年と同じく北海道で、昨年の4.0%から6.8%に上げ幅が拡大しました。続いて福岡県4.5%(昨年3.6%)、宮城県4.4%(同2.9%)でした。

下落したのは20県で、昨年の27県から減りました。最も下落率が大きかったのは昨年に引き続き和歌山県でしたが、昨年の1.3%減から1.2%減と下げ幅はわずかに縮小しました。

路線価の対前年変動率
路線価の対前年変動率

最高路線価上昇は29都市、全国トップは38年連続「鳩居堂」前

都道府県庁がある都市の最高路線価のうち、最も高かったのは東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前の1平方メートルあたり4272万円でした。「鳩居堂」前の価格トップは1986年分から38年連続で、昨年の1平方メートルあたり4224万円と比べると1.1%増で、3年ぶりに上昇に転じました。なお、コロナ禍の影響が出ていない2020年は4592万円でした。

都道府県庁所在地の最高路線価の変動率
都道府県庁所在地の最高路線価の変動率

最高額が上昇したのは29都市で、昨年の15都市から大きく増えましたが、2020年の38都市には及びませんでした。上昇率が5%を超えたのは、岡山市9.3%(昨年1.4%)、札幌市8.4%(同4.8%)、さいたま市8.0%(同3.3%)、福井市6.1%(同0.0%)、奈良市5.8%(同マイナス1.4%)の5都市で、昨年の1都市から増加しました。

最高額が下落したのは、鳥取市3.0%減(昨年マイナス4.8%)など4都市で、昨年の16都市から大きく減少しました。多くの都市では経済活動の回復や訪日外国人観光客の増加などの影響により地価が上昇しましたが、影響がまだ十分に及んでいない都市もあるとみられます。

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路線価、時価よりも低く設定

路線価は、主要道路に面した1平方メートルあたりの土地の評価額で、国土交通省が発表する1月1日時点の公示地価の8割を目安に、売買事例や不動産鑑定士の意見を参考にして国税庁が算出します。時価より低く設定されているのは、1年間のある程度の地価変動を吸収できるようにするためです。今年は約32万2000地点を評価対象としています。

路線価の情報は国税庁のホームページで見られるほか、全国の国税局や税務署のパソコンでも閲覧することができます。

(記事は2023年7月3日現在の情報に基づきます)

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