目次

  1. 1. 路線価の上昇率トップは昨年と同じく沖縄県
    1. 1-1. 上昇は21都道府県、下落した26県のうち19県で下落幅縮小
  2. 2. 最高路線価は38都市で上昇、8都市が横ばい
    1. 2-1. 最高額は35年連続で東京・銀座「鳩居堂」前。最高額を更新
  3. 3. 新型コロナの影響で路線価補正する可能性も
    1. 3-1. 国税庁が路線価が時価を上回った場合の対応を検討

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都道府県別の平均値を見ると、全国平均は5年連続で上昇しており、上昇率も拡大する傾向になりました。上昇したのは21都道府県で、上昇率のトップは沖縄の10.5%。全国最高の上昇率で、昨年の8.3%より上げ幅はさらに広がりました。続いて東京は5%、宮城と福岡は4.8%、北海道3.7%、京都は3.1%、広島は2.6%、大阪は2.5%、愛知は1.9%上昇しました。昨年に続き上昇したのは19都道府県で、山形と山口が昨年の下落から上昇に転じました。下落したのは26県で、このうち19県で下落幅が縮小しました。兵庫は横ばいから下落に転じました。

都道府県庁がある都市の最高路線価のうち最も高かったのは、東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前の1平方メートル当たり4592万円で、35年連続で全国最高額となりました。ただ、上昇率は0.7%と高止まりの傾向が続いています。

最高額が上昇したのは38都市で、このうち、横浜は34.5%、大阪は35%、奈良は21.2%、那覇は40.8%と4都市で20%を超える高い上昇率になりました。鳥取は前年の下落から横ばいに、水戸は全国で唯一下落となりました。駅前が再開発された宇都宮は前年の2.0%から13.7%に上昇。横浜が前年の13.3%から34.5%と大幅に上昇した背景にも、JR横浜駅の開発などがあるようです。

路線価は、毎年1月1日評価する時点として、国土交通省が発表する都道府県地価調査などをもとに、時価の80%程度として算定しています。今年は全国32万6000地点を算定。そのうち前年算定した地点と同じ32万地点を比較しています。

国税庁は、今年は新型コロナウイルスによる経済低迷などの影響で、地価(時価)が大幅に下落して路線価が地価を上回った場合などには、対象とする地域を決めたうえで、路線価の補正率などを定めることを検討していると明らかにしました。これまで、大規模災害などがあった地域に対して調整率を定める措置をしたことはありましたが、経済の低迷などを受けて補正率を定めるなどの対応をしたことはなく、補正措置が導入された場合は今回が初のケースになるといいます。

国税庁は、独自に外部業者に土地の評価を委託して調査を実施するほか、国土交通省が四半期ごとに出している「地価LOOKレポート」などの動向などを踏まえながら、補正などを実施する場合には10月以降にも発表するそうです。

路線価の情報は国税庁のホームページで見られるほか、全国の国税局や税務署のパソコンでも確認することができます。

(記事は2020年7月1日現在の情報に基づきます)

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