目次

  1. 1. 上昇は20都道府県、昨年の7道県から大幅増
  2. 2. 最高路線価上昇は15都市、全国トップは37年連続「鳩居堂」前
  3. 3. 路線価、時価よりも低く設定

都道府県別の平均値をみると、上昇したのは20都道府県でした。新型コロナウイルスの影響で7道県にとどまった昨年から大きく増加し、コロナ禍の影響が反映されていない一昨年の21都道府県に迫りました。上昇率のトップは北海道で、昨年の1.0%から4.0%に上げ幅が拡大しました。続いて福岡県の3.6%(昨年1.8%)、宮城県2.9%(同1.4%)でした。

下落したのは27県で、昨年の39都府県から大幅に減りました。最も下落率が大きかったのは和歌山県で、昨年の1.2%減から1.3%減と下げ幅がわずかに広がりました。

路線価の対前年変動率
路線価の対前年変動率

都道府県庁がある都市の最高路線価のうち、最も高かったのは東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前の1平方メートルあたり4224万円でした。「鳩居堂」前の価格トップは1986年分から37年連続ですが、昨年の1平方メートルあたり4272万円と比べると1.1%減で、2年連続の下落となりました。

都道府県庁所在地の最高路線価の変動率
都道府県庁所在地の最高路線価の変動率

最高額が上昇したのは15都市で、昨年の8都市から大きく増えましたが、一昨年の38都市と比べると半分にも満たず、回復途上の状況が見て取れます。上昇率が唯一5%を超えたのは千葉市の5.1%(昨年3.5%)で、千葉駅東口の再開発が影響しているとみられます。上昇率5%未満は札幌市の4.8%(同2.8%)や広島市の3.5%(同マイナス3.3%)など14都市ありました。

最高額が下落したのは16都市で、昨年の22都市より少なくなりました。下落率が最も高かったのは神戸市の5.8%減(昨年マイナス9.7%)でした。コロナ禍による訪日客の減少などが影響したとみられます。次いで鳥取市4.8%減(同0.0%)、大阪市4.0%減(同マイナス8.5%)でした。

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路線価は、主要道路に面した1平方メートルあたりの土地の評価額で、国土交通省が発表する1月1日時点の公示地価の8割を目安に、売買事例や不動産鑑定士の意見を参考にして国税庁が算出します。今年は約32万3000地点を評価対象としています。

路線価は1年間のある程度の地価変動を吸収できるよう時価より低く設定されています。しかし、一昨年はコロナ禍により年の途中で大幅に地価が下落し、時価が路線価を下回った一部地域では減額補正が行われました。国税庁によると、いまのところ今年は減額補正の検討は予定されていないとしています。

路線価の情報は国税庁のホームページで見られるほか、全国の国税局や税務署のパソコンでも閲覧することができます。

(記事は2022年7月1日現在の情報に基づきます)