目次

  1. 1. 遺言執行者とは
  2. 2. 遺言執行者を選任するメリット
  3. 3. 遺言執行者ができること
  4. 4. 遺言執行者の選任方法
  5. 5. 遺言執行者を選ぶ上での注意点

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遺言執行者とは、どういう役割があるのでしょう。「遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務」がある人です。

具体的には、遺言書を書いた人が亡くなった場合、その遺言書を使い、書いてある通りに手続きを進めます。たとえば、法務局で不動産の名義変更したり、郵便局や銀行では、預貯金を払い出して相続人に振り込んだりできます。

次に、遺言執行者を選んでおくメリットを解説します。全ての金融機関で必ずというわけではないのですが、手続きをする際に遺言執行者1人で手続きができます。

逆に選んでおかないと、金融機関の所定の用紙の相続届や相続手続依頼書といった書類に相続人全員で署名し、実印を押印。さらに印鑑登録証明書を提出する必要性が生じます。相続人が多くて各地方に分散して居住している場合などは大変ですね。

遺言執行者を選んでおくと、それらの手続きを1人で済ませることができます。所定の用紙の署名は遺言執行者だけとなり、実印を押印して印鑑登録証明書を提出すればよいのです。手続きは、かなりスムーズになります。

遺言執行者ができることは、以下の通りです。
・相続人・相続財産の調査
・相続財産目録の作成
・不動産の登記申請手続き
・預貯金の解約払戻手続き
・株式の名義変更
・自動車の名義変更
・亡くなった遺言者の代わりに認知を届け出ること
・相続人の廃除・廃除の取消し
(廃除とは、家庭裁判所へ請求をし、認められると、遺言者に虐待や重大な侮辱をした相続人の相続権を剥奪する手続きです。)

逆に、遺言執行者ができないことの一つは相続税の申告です。
相続税の申告は、相続人固有の義務のため、遺言執行者の権限には含まれません。ただし、遺言執行者が税理士で、相続人から改めて依頼を受けると税理士としての立場で相続税の申告をできます。

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遺言執行者を選任する方法は、以下の3通りがあります。

①遺言で1人または数人を指定し、名前などを書いておく。
②遺言で遺言執行者を指定してくれる友人や親戚といった人の名前などを書いておく。
③遺言執行者がいない時は、家庭裁判所に選任してもらう。

相続人や法人(株式会社や一般社団法人など)もなれます。遺言執行者になれない人は、法律上、未成年者と破産者です。

遺言執行者には、どんな人を選べばよいのでしょうか。相続人の中から選ぶとすれば、書類作成が得意な人のほか、銀行や法務局に行くために平日の昼間に活動できる人が考えられます。手続きをする銀行や法務局の近くに住んでいる人なども適任です。

遺言者が遺言を作成する時、相続人の中に適する人がいない場合、弁護士や司法書士、行政書士などにお願いすることもできます。相続人のみなさんが高齢だったり、仲が良くなかったりする場合は注意が必要です。手続きがうまく進まず、トラブルに発展する可能性もあるからです。

そういったケースが予想される際には、専門家に相談することをお勧めします。

(記事は2020年3月1日時点の情報に基づいています)

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