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1. 相続手続きは司法書士に頼まなくてもできる?判断のポイント
相続手続きは、知識と時間と労力を必要とし、いくつもの工程をクリアしなければならない大変な作業です。この相続手続きを自分で行うか、司法書士などの専門家に依頼するかを判断するポイントとしては、大きく分けて「相続人の人数と関係性」と「遺産の種類と規模」の2つがあります。
1-1. 相続人の人数と関係性
相続人の数が増えるほど、必要書類の収集や相続人間の意見調整は煩雑になります。また、相続人同士の仲が良好な場合はスムーズに進められる可能性が高くなりますが、長年にわたって疎遠な人がいる場合や面識のない相続人がいる場合には、自分で連絡をとって話し合いを進めるのには大きな困難が伴うはずです。
1-2. 遺産の種類と規模
遺産が自宅不動産と預貯金程度で、相続税の申告も不要であれば、自分で手続きを進められるでしょう。しかし、自宅以外に賃貸している不動産がある、預金口座や証券口座が多数あってすべて把握できていない、会社を経営していて未上場の株式があるなど、遺産の種類が多く、総額も大きい場合は、手続きの数が増えて難易度も跳ね上がります。
2. 自分で行う場合に押さえておくべき「進め方のコツ」
相続手続きを自分で行う場合には、以下の2点がポイントになります。
2-1. 全体像のロードマップを作成する
相続手続きには期限があるものが少なくありません。手当たり次第に進めると、手続き漏れが発生し、何度も役所や銀行に足を運ぶことになる可能性があります。
まずはやらなければならない手続きをすべてリストアップし、優先順位をつけたスケジュール表を作成しましょう。
2-2. 手続きに必要な書類を確認する
相続手続きには、戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書など、さまざまな書類が必要です。すべての手続きに共通して必要な書類もあれば、手続きごとに個別に準備しなければならない書類もあります。
これらを事前に確認せずに進めると、同じ書類を何度も取得する必要が生じたり、ほかの相続人に何度も書類を書いてもらったりして、不信感やトラブルの原因になるケースが少なくありません。
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3. 相続手続きを自分で行うときの大まかな流れ
相続手続きを自分で行う際は、おおむね以下の流れで進めます。
- 遺言書の有無を確認する
- 戸籍謄本を集めて相続人を確定させる
- 遺産の調査と評価を行う
- 遺産分割協議を行う
- 相続税申告を行う
- 遺産の名義変更を行う
3-1. 【STEP1】遺言書の有無を確認する
まずは、被相続人(以下、亡くなった人)が遺言書を残していたかを確認します。原則として、遺言書がある場合にはその内容に沿って遺産を分配する必要があるからです。遺言書の捜索方法は遺言の種類によって異なります。
【公正証書遺言の場合】
「公正証書遺言」とは、2人以上の証人の立ち会いのもと、公証人が作成する遺言です。全国の公証役場で「遺言検索システム」を利用して確認できます。ただし、1989年以降に作成したものに限ります。
【自筆証書遺言の場合】
「自筆証書遺言」とは、遺言者が自ら書いて作成する遺言です。書斎の机や貴重品入れ、銀行の貸金庫などを捜索します。2020年7月に始まった「自筆証書遺言保管制度」を利用している可能性がある場合は、法務局で「遺言書保管事実証明書」を請求して確認します。
3-2. 【STEP2】戸籍謄本を集めて相続人を確定させる
相続手続きでは、亡くなった人の相続人が誰なのかを公的に証明しなければなりません。そのために必要な書類が戸籍謄本で、現在戸籍、除籍、改製原戸籍の3種類があります。
- 現在戸籍:現在使用されている、現存している人が記載されている戸籍
- 除籍:戸籍に記載された全員が死亡や婚姻によって抜け、最終的に誰もいなくなった状態の戸籍
- 改製原戸籍:法律の改正によって戸籍の様式が変わったときに除籍された古い様式の戸籍
相続人を確定させるためには、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本と、相続人の戸籍謄本を取得する必要があります。亡くなった人の戸籍謄本は現在戸籍に加えて除籍や改製原戸籍を含み、相続人の戸籍謄本は現在戸籍のみで足ります。
3-3. 【STEP3】遺産の調査と評価を行う
相続手続きで一番のポイントになるのが「遺産の調査と評価」です。これは、亡くなった人が所有していたプラスの財産である「資産」と、借金などのマイナスの財産となる「負債」をすべて把握し、それらの価値を算定する作業です。
この作業が不十分だと、手続きが漏れる原因となるだけでなく、相続税を過少申告したり、不平等な遺産分けで相続人の間に対立が生じたりと、大きな問題に発展する可能性もあります。遺産の調査と評価をどれだけ丁寧に行うかが、相続手続きの成否を左右すると言っても過言ではありません。
以下に、代表的な遺産の調査方法と評価方法を簡単にまとめます。
【主な遺産の調査方法と評価方法】
| 遺産の種類 |
調査方法 |
評価方法 |
| 土地 |
固定資産税の納税通知書や名寄帳から物件を特定し、法務局で登記事項証明書を取得する |
1 固定資産税評価額 2 路線価方式と倍率方式 3 不動産業者の査定額(実勢価格) |
| 建物 |
同上 |
固定資産税評価額を用いるのが一般的 |
| 預貯金 |
通帳、キャッシュカード、郵便物などから金融機関を特定し、残高証明書や取引履歴を取得 |
亡くなった日の残高が評価額となる |
| 上場株式 |
証券会社からの取引報告書などで取引口座や保有銘柄を特定し、残高証明書を取得 |
亡くなった日の終値や亡くなった月の終値の平均値などで評価する |
| 借金やローン |
ローン契約書、督促状、通帳の引落し、信用情報機関(JICCなど)への開示請求など |
亡くなった日の残債が評価額となる |
3-4. 【STEP4】遺産分割協議を行う
遺産分割協議とは、相続人全員が話し合い、誰が、どの財産を、どれだけ受け取るかを決める作業です。この協議は必ず相続人全員で行わなければならず、一人でも欠けた状態で行った場合、話し合いは無効となります。合意した内容は「遺産分割協議書」にまとめ、相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
3-5. 【STEP5】相続税申告を行う
遺産の総額が「基礎控除額」を超える場合には、相続税の申告と納税が必要です。基礎控除額は「3000万円+(法定相続人の数×600万円)」で計算されます。
申告期限は「亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内」です。期限を過ぎると延滞税が生じるだけでなく、小規模宅地の特例や配偶者の税額軽減など、節税に有利な特例が使えなくなるおそれがあります。
3-6. 【STEP6】遺産の名義変更を行う
遺産分割協議で合意した内容に基づき、各遺産の名義変更を進めます。相続税の申告には「10カ月以内」という厳格な期限がありますが、名義変更は明確な期限がないものがほとんどです。そのため、まずは相続税の申告を優先し、その後に名義変更を落ち着いて進めても問題ありません。
ただし、土地や建物など不動産の相続登記については、2024年4月より義務化され「相続を知った日から3年以内」に申請しないと過料の対象となる可能性があるため、注意が必要です。
また、預貯金の払戻しが遅れると、納税資金の準備に支障をきたすケースもあります。申告期限を意識しつつ、計画的に進めていきましょう。
以下に、代表的な遺産の名義変更の方法と申請先窓口をまとめます。
【主な遺産の名義変更の方法と申請先窓口】
| 遺産の種類 |
名義変更の方法 |
窓口 |
| 土地、建物 |
相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)を申請する ※相続したことを知った日から3年以内に申請 |
土地や建物の所在地を管轄する法務局 |
| 預貯金 |
亡くなった人の口座を解約して預貯金の払戻しを受ける |
銀行の支店窓口 |
| 上場株式 |
亡くなった人の証券口座から相続人の証券口座に移管する 換金する場合でも移管手続きは必要 |
銀行や証券会社の支店窓口 |
| 投資信託 |
同上 |
同上 |
| 自動車 |
相続による移転登録を申請する |
相続人の住所地を管轄する陸運局 |
4. 相続手続きで司法書士ができるサポートと報酬の相場
司法書士に依頼する相続手続きとしては、不動産の名義変更である「相続登記」が代表的ですが、実際には、戸籍謄本の取得から財産調査、遺産分割協議書の作成、預貯金の解約払戻し、株式や投資信託の名義変更まで、相続手続きに関する事務を幅広く代行できます。
2024年4月から相続登記が義務化された影響もあり、正確かつ迅速に手続きを終えるために司法書士に依頼するケースが増えています。代表的な手続きと報酬額の目安は以下のとおりです。
【相続手続きで司法書士に依頼できる手続きと報酬額の相場】
| 《 依頼できる手続き 》 |
《 報酬額の相場 》 |
《 備考 》 |
| 相続人調査(戸籍謄本などの収集) |
2万円~5万円 |
相続人の人数や代襲相続の有無で変動 |
| 相続財産調査(財産目録の作成) |
3万円~6万円 |
財産の種類や件数で変動 |
| 相続放棄の申述書作成 |
3万円~5万円 |
相続人1名につき |
| 遺産分割協議書の作成 |
3万円~5万円 |
遺産の内容により加算 |
| 相続登記 |
6万円~15万円 |
不動産の個数や評価額で変動 |
| 預貯金の解約払戻し |
2万円~3万円 |
1金融機関につき |
| 株式、投資信託の名義変更 |
3万円~5万円 |
1証券会社につき |
遺産承継業務 (相続手続きの一括代行) |
遺産総額の0.5%~1.2% |
最低報酬30万円程度 |
| 相続手続きの相談やアドバイス |
30分5000円 |
初回無料の事務所が多い |
※上記報酬のほかに、登録免許税や戸籍謄本の発行手数料、郵送料などの実費が別途かかります。
司法書士の報酬には一律の規定はなく、事務所によって異なります。まずは依頼内容を整理し、具体的な見積もりを提示してもらってください。
5. 相続手続きを司法書士に頼まないメリット
相続手続きを司法書士に頼まず、自分で行う最大のメリットは「費用の節約」です。手続きの内容にもよりますが、司法書士に依頼すると数万円から数十万円の報酬が発生します。
特に相続手続きを一括して代行する「遺産承継業務」を依頼すると、多くの事務所では「遺産額の〇%」といった財産比例報酬を採用しているため、遺産の額によっては報酬が100万円を超えるケースも少なくありません。
相続手続きをすべて自分で行えば、必要になるのは戸籍謄本などの発行手数料や相続登記にかかる登録免許税などの実費のみで済み、経済的な負担を最小限に抑えられます。
また、相続手続きを通じて得た法律や税金の知識は、自分自身の「終活」を考える際にも非常に役立ちます。どの書類をそろえるのが大変だったか、遺言書があればもっと簡単だったのではないか、といった実体験は、自分の子どもや家族に負担をかけないための生前対策につながる貴重な経験となります。
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6. 相続手続きを司法書士に頼まないデメリット
相続手続きを司法書士に頼まずに自分で進める場合は、以下のようなデメリットが考えられます。
- 手続きの漏れやミスが起きやすい
- 相続人の間でトラブルが生じやすい
- 時間や労力、ストレスがかかる
6-1. 手続きの漏れやミスが起きやすい
相続手続きを漏れなく行うためには、専門的な知識と相応の経験が必要です。入念に下調べをしても、自分の力だけで完全に見落としを防ぐのは困難です。
軽微な見落としやミスであれば問題ないですが、戸籍謄本を読み違えて相続人を勘違いしていた、遺産が漏れていて分割協議をやり直す必要がある、不動産の評価方法を誤って相続税の追徴課税が生じたなど、取り返しのつかない事態に陥る場合もあります。
6-2. 相続人の間でトラブルが生じやすい
相続人が複数いる場合、全員が等しく手続きに関与するのは現実的に難しく、特定の誰かに負担が集中しがちです。たとえ善意で手続きを先導していても、ほかの相続人から「勝手に進めている」「財産を隠しているのではないか」と疑念を持たれたり、逆に先導している相続人自身が「自分だけが苦労している」と不満を募らせたりする可能性があります。
利害関係のない第三者である司法書士が介在すれば、手続きの透明性と公平性が担保され、相続人間の感情的な対立を防ぐクッションの役割を果たしてくれるでしょう。
6-3. 時間や労力、ストレスがかかる
相続手続きの窓口は、市役所、銀行、証券会社、法務局、年金事務所など多岐にわたります。これらの多くは平日の日中しか稼働していないため、仕事や家事の合間に通うのは想像以上の負担になります。また、書類に不備があれば何度も足を運ばなければならなくなります。
さらに、ほかの相続人が非協力的であったり、早期の分配を強く催促されたりするなど、親族との調整が精神的なストレスとなり、体調を崩すケースも少なくありません。
7. 相続手続きを司法書士に頼んだほうがいいケース
以下のような場合には、相続手続きを司法書士に依頼したほうがいいでしょう。
- 遺産の内容が複雑な場合
- 相続関係や家族関係が複雑な場合
- 忙しくて手続きを後回しにしそうな場合
- 相続に関する知識や経験に不安がある場合
7-1. 遺産の内容が複雑な場合
遺産の種類が多い場合や、自宅以外にも複数の不動産を所有している場合には、司法書士に依頼したほうがいいでしょう。
たとえば通帳に記載された銀行の支店が合併にともなう統廃合で消滅している場合や、自宅に隣接する私道を通行するための「私道持分」や数代前の相続登記が未了のままである「先々代名義の土地」が含まれている場合は、権利関係を整理するだけで膨大な時間が必要になります。
7-2. 相続関係や家族関係が複雑な場合
異母兄弟や異父兄弟がいるケースや、子どもがおらず、兄弟姉妹や甥、姪が相続人になるケースでは、面識のない親族に連絡しなければならない場合があります。 相続人がすでに亡くなっており、その子である数次相続人との協議が必要な場合は、連絡先を調べるだけでもひと苦労です。
このような場合には、第三者である司法書士が窓口となり、事務的に連絡を入れるほうが警戒心を持たれず、スムーズに進むこともあります。
7-3. 忙しくて手続きを後回しにしそうな場合
相続税の申告がない場合でも、手続きの放置は禁物です。特に不動産については、2024年4月から始まった「相続登記の義務化」により、3年以内の名義変更が必要です。
忙しいからと手続きを後回しにし、放置している間にほかの相続人が認知症になったり、手続きに協力してくれなくなったりすると、相続登記ができない状態に陥ります。忙しくて自分で手続きができない人は、最初から司法書士に依頼したほうがいいでしょう。
7-4. 相続に関する知識や経験に不安がある場合
相続手続きには、相続に関する法律の知識が欠かせません。「テレビや雑誌で見た」程度の知識で進めると、思わぬところでつまずくかもしれません。過去に相続手続きの経験がなく、少しでも不安を感じる人は、司法書士への相談をお勧めします。
8. 相続手続きを司法書士以外の専門家に相談すべきケース
相続手続きを司法書士以外の専門家に相談すべきケースとしては、弁護士に相談すべきケースと、税理士に相談すべきケースがあります。
8-1. 弁護士に相談すべきケース
相続人の間で遺産の分け方をめぐって意見が対立しており、直接の話し合いが困難な場合は弁護士の出番です。司法書士は、あくまで中立的な立場で書類作成や手続きをサポートする専門家であり、特定の相続人の代理人としてほかの相続人との交渉はできません。
自分の主張を代わりに伝えてほしい場合や、調停や裁判を視野に入れている場合には、司法書士ではなく弁護士に依頼する必要があります。
8-2. 税理士に相談すべきケース
遺産の総額が基礎控除額を超え、相続税の申告が必要な場合は、税理士に相談しましょう。相続税は自分で申告することも可能ですが、特に不動産が含まれる場合は要注意です。
不動産の評価計算は非常に複雑で、専門知識がなければ小規模宅地等の特例など本来なら受けられるはずの減税特例を見落とし、必要以上の税金を納めることになるかもしれません。正確な税額計算と節税対策を求めるなら、税務のプロである税理士が適任です。
9. 相続手続きの司法書士への依頼に関してよくある質問
Q. 相続手続きは司法書士に依頼しないと違法?
違法にはなりません。相続手続きは、原則として相続人が自分で行えます。司法書士などの専門家に依頼しなくても、法律違反にはなりません。
Q. 相続手続きの一部だけを司法書士に依頼できる?
可能です。銀行や証券会社などの金融資産の手続きは自分で行い、不動産の相続登記のみを司法書士に依頼する事例も多いです。戸籍の収集や遺産分割協議書の作成のみの依頼もできます。何をどこまで頼んだら報酬がいくらになるのか、よく確認してから依頼しましょう。
Q. 相続開始日はどうやって調べる?
相続開始日は、被相続人が亡くなった日、いわゆる「命日」を指します。死亡診断書や戸籍(除籍)謄本で正確な日付を確認することができます。相続手続きにおいては、この日付が期限の起算点となることが多いため、正確に把握しておくことが重要です。
10. まとめ 相続手続きは自力でも可能だが、不安がある場合は司法書士に相談を
相続手続きは、司法書士に依頼や相談をせず、自力でも行えます。しかし、非常に多くの時間と労力、そして正確な知識を要する作業でもあります。
相続人の数が少ない場合や、遺産が自宅と預貯金のみの場合などシンプルなケースであれば大きな労力はかからないものの、遺産の種類が多いケース、親戚関係が複雑なケースなどでは、無計画に始めると途中で挫折したり、思わぬ手続き漏れであとから大きなトラブルに発展したりするリスクもあります。まずは手続きの全体を把握したうえで、自分で行うべきか冷静に見極める必要があります。
司法書士事務所のなかには、初回無料相談を実施しているところも多いです。まずは、自分のケースではどのような手続きが必要か、自分でも進められそうかを確認し、必要に応じて司法書士への依頼も検討しましょう。
(記事は2026年2月1日時点の情報に基づいています)
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