戸建て賃貸のメリットとデメリットは? 始め方から成功のコツまで解説
戸建て賃貸は「高利回りを期待できる」などのメリットの一方、「空き室リスクに弱い」などのデメリットもあります。「戸建て賃貸のメリットとデメリット」「成功のコツ」について解説します。
戸建て賃貸は「高利回りを期待できる」などのメリットの一方、「空き室リスクに弱い」などのデメリットもあります。「戸建て賃貸のメリットとデメリット」「成功のコツ」について解説します。
戸建て賃貸とは、戸建て住宅を貸し出して家賃収入を得る方法です。従来は、転勤などに伴い一時的に戸建て物件を貸し出す方法が主でした。しかし、近年では相続した空き地の活用として、賃貸戸建てを建設して賃貸経営する人が増えています。
戸建て賃貸の特徴やメリットは、以下のようなものが挙げられます。
【戸建て賃貸の特徴とメリット】
戸建て賃貸は需要が高い反面、供給がまだ少ないので、借主が見つかりやすいというメリットがあります。部屋数も多い戸建てであれば、家賃が高くても需要が期待できます。
需要の高さには、次のような理由も考えられます。
アパートやマンションよりも比較的自由に生活できる戸建て賃貸は、高い家賃でも需要があり、安定した収入を得られる可能性が高いといえるでしょう。
ただし、需要の高いといっても、立地や管理状態によっては借主が見つからない可能性があるので注意が必要です。
賃貸経営で重要な利回りを高くするには、物件の価格を抑えることが重要です。戸建て賃貸の場合は、アパート1棟などに比べて購入費用を抑えることが可能です。
また、自分でできる範囲のリフォームを済ませることで、さらに初期費用を低くすることもできるでしょう。
所有している土地の面積が小さく、アパートの建設が難しい場合でも、戸建てなら建設できる可能性があります。また、土地の形が変形しているような場合でも建設できるので、土地の広さや形に関わらず比較的スタートしやすいでしょう。
そのため、空き地を相続したけど、あまり広くないという場合の固定資産税対策としても戸建て賃貸の建設は有効です。
また、戸建ての入居者は、ターゲットが小さい子どもがいる家庭の場合が多いため、駅の近くよりも郊外などの閑静な土地を望んでいるケースも多いものです。そのため、立地が悪い場合でも戸建て賃貸ならスタートしやすいでしょう。
戸建て賃貸は、子どもがいる家庭が入居者になることが多いです。間取りが充実した戸建てであれば、子どもが成長してもそのまま住み続けることができます。そのため、比較的長い入居が期待できます。長く住んでもらえるほど、安定した家賃収入につなげることができます。
戸建て賃貸への入居者は多くの場合、一家族のため、入居者同士のトラブルが起きる可能性はありません。入居者対応やトラブル対応の手間を比較的かけずに済むのは大きなメリットとなるでしょう。
ただし、近隣トラブルが発生した場合は対応しなければなりませんので、審査の段階で人となりもしっかりチェックしておきましょう。
借主が戸建てを気に入ってくれた場合、買い取ってくれる例もあります。借主が買い取ってくれない場合でも、戸建て住宅であればアパートや一棟マンションよりも比較的売却しやすいため、出口戦略が立てやすい点はメリットとなるでしょう。
戸建て賃貸にはデメリットもあるので、理解しておくことが大切です。デメリットとしては次のようなことがあるので、注意しましょう。
【戸建て賃貸のデメリット】
戸建て賃貸の場合、入居者は一家族なので、空室が出てしまうと収入はゼロになります。
アパート賃貸であれば、一部屋が空室になってもほかの部屋に入居者がいればカバーができます。
また、戸建て賃貸の場合、一度空室が出てしまうと、次の入居者が決まるまでに時間がかかる傾向があります。賃貸需要のある時期を逃すと長期間入居者が決まらないというケースも珍しくないので注意しましょう。戸建て賃貸は空室対策をしっかりしておくことが大切です。
賃貸として貸し出す場合、土地や建物を自分の好きに利用できなくなる点には注意が必要です。別の土地活用法をしたくなった場合でも、入居者がいれば活用できません。
特に、賃貸の場合は入居者の権利のほうが守られる傾向があるため、簡単に退去してもらうことはできません。賃貸期間中はそれ以外の活用ができないことに注意して、土地活用計画を立てることが大切です。
戸建て賃貸の場合、メンテナンスへの費用にも注意が必要です。戸建てでは修繕対象の部屋が多く、修繕が必要な箇所の破損も深くなりがちなので、修繕費用も高くなりがちです。屋根や外壁など、大規模な修繕も数十年に一度くらいは必要となります。
想定外の修繕費をなるべく抑えるため、メンテナンス費用もあらかじめ計画しておく必要があります。
戸建て賃貸の始め方には、4つのパターンあります。
【戸建て賃貸の4パターン】
保有している家をそのまま貸し出す方法であれば、建築コストも必要ないため初期費用を大きく抑えられます。
ただし、間取りや設備が新しくない場合は入居者を確保するのが難しくなるため、ある程度リフォームして始めることをおすすめします。
土地を所有していて、建物を新築する場合、必要なのは建設費のみとなります。新築のきれいな家を貸し出せるので、入居者を確保しやすいでしょう。
ただし、新築するための費用が高額になる点には注意しなければなりません。建築費を抑えるために間取りや設備のランクを下げることも可能ですが、下げすぎてしまうと入居者に避けられるのでバランスを見極める必要があります。
土地も建物もない状態でも、すべてを一から購入して始めることもできます。立地も選ぶことができ、新築で賃貸をスタートできるので、入居者への強いアピールになるでしょう。
ただし、この方法は費用が最もかかるため、利回りが低くなるでしょう。入居者が確保できるような立地や新築にしなければ、収支が大きく悪化する可能性もあるので、購入判断はしっかりシミュレーションしたうえで検討しましょう。
中古物件を購入して自分でリフォームすれば、初期費用を大きく抑えることが可能です。築古物件であっても、設備を最新のものにするだけで入居者を見つけやすくなります。
ただし、築年数の古い物件は現在人気の間取りと異なります。リフォームするにも費用が高額になる可能性には注意しましょう。
最後に、戸建て賃貸を成功させるコツを見ていきましょう。
【戸建て賃貸成功のコツ】
賃貸経営をするなら、物件の選定が成功を左右する重要なポイントとなります。選定の際には、物件の状態だけでなく次のような点もチェックするとよいでしょう。
上記のような点もチェックして賃貸ニーズを見極めることが重要です。さらに、物件の利回りまで計算してシミュレーションするようにしましょう。
ハウスメーカーに依頼する場合は、最初から1社に絞るのではなくできるだけ多くのハウスメーカーを比較検討することが大切です。また、リフォームする場合でも複数社から相見積もりをとって比較して選ぶようにしましょう。
戸建て賃貸の場合、基本的に日常の管理は入居者がするので大家がすることはありません。しかし、定期的なメンテナンスや突発的な修繕などでは大家が対応しなければならないのです。
自分でこまめに管理できるのであれば問題ありませんが、管理が行き届かなければ入居者に不満が溜まってしまう可能性があるため注意しなければなりません。
戸建て賃貸の場合でも、定期的な管理は管理会社に委託することが可能です。ただし、管理会社といっても管理の質や対応・料金はさまざまあります。
中には、対応が悪く入居者が退去してしまうというケースもあるため、管理会社選びは重要なポイントになります。管理会社の実績や評判・問い合わせした際の対応や実際の管理の様子などを調べて、信頼できる管理会社を選ぶようにしましょう。
土地活用方法や不動産投資方法は戸建て賃貸だけではありません。アパート経営や区分マンション・駐車場経営などさまざまな方法があるものです。それぞれにメリット・デメリットがあり、自分の投資目標によっても選ぶべき方法が異なります。
他の投資方法も含めて、自分に合った投資スタイルを研究しながらどの投資方法にするのかを検討するのもよいでしょう。
戸建て賃貸には多くのメリットがあります。ただし、自身の土地が戸建て賃貸に適しているかどうかは、まずは土地活用の専門会社に相談することが大切です。複数の企業から意見を聞ける資料請求がおすすめなので、一度検討してみてはいかがでしょうか。
(記事は2022年6月1日時点の情報に基づいています)