アパート経営は難しくない? 仕事と両立させるには
「アパート経営したいけど難しそう……」そう考えている方も多いでしょう。アパート経営は会社員の副業としても人気があり、仕事と両立させることも可能です。ただし、失敗してしまう可能性もゼロではないため、失敗パターンやデメリットを理解しておくことが大切です。この記事では、アパート経営のメリット・デメリットや失敗パターンについて分かりやすく解説します。
「アパート経営したいけど難しそう……」そう考えている方も多いでしょう。アパート経営は会社員の副業としても人気があり、仕事と両立させることも可能です。ただし、失敗してしまう可能性もゼロではないため、失敗パターンやデメリットを理解しておくことが大切です。この記事では、アパート経営のメリット・デメリットや失敗パターンについて分かりやすく解説します。
少額から投資でき、老後資金などの資産形成もできる方法として近年人気のアパート経営。とはいえ、仕事の傍らアパート経営するのは難しそうと躊躇している方もいるでしょう。
アパート経営は、会社員であっても仕事と両立している人も多く、それほど難しいものではありません。しかし、アパート経営にもメリット・デメリットがあり、失敗してしまう人もいるのが現実です。アパート経営するうえでは、それらを理解し失敗パターンについて知っておくだけでも、大きな失敗を避けられる可能性が高くなります。
アパート経営のメリット・デメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう 。
アパート経営では、物件管理や入居者募集・入居者対応などの管理業務が発生します。しかし、これらはすべて管理会社に委託できるため、大家さんの手間は物件の購入くらいです。日中に管理のための時間が必要ないので、仕事に忙しい人でも投資しやすいというメリットもあるでしょう。
アパート経営の場合、入居者さえ確保できれば毎月安定して家賃収入を得られます。入居者の契約期間中は、収入の大きな変動もないため収支の見込みも立てやすいでしょう。
同じ投資であっても、株式は市場の変化や会社の業績により日々値動きしており、予測が難しいものです。株式投資のような大きな利益は狙えませんが、安定して収入を得られるというメリットが、アパート経営にはあります。
アパート経営では、居室を複数保有することで分散投資も可能です。マンションなどを1室だけ保有する場合、1室に収入を頼ることになり、もし空室が出てしまうと、収入がゼロになります。複数居室を保有すれば、1室が空室になっても他の居室の収益でカバーでき、リスク分散となるでしょう。
アパート経営の場合、マンション1棟に比べ購入額が低く投資しやすいという特徴があります。マンション1棟が億単位の資金が必要なのに比べ、アパートであれば数百万や数千万でもスタートできるでしょう。購入額が低いことで、金融機関から融資を得やすくなり、自己資金が少額でもスタートできる可能性があります。
アパート経営のメリットには、所得税・住民税の節税効果もあります。アパート経営の収入は、不動産所得に分類され損益通算が可能です。損益通算とは、給与などの他の所得の黒字と不動産所得の赤字を相殺して申告する仕組みのことを言います。
例えば、アパート経営で300万円の赤字で給与所得が500万円の場合、相殺した200万円を所得として申告できるのです。所得税・住民税の対象となる所得額を抑えられるため、節税効果が見込めるでしょう。
ローンを組んでアパートを購入した場合、ローン完済後は家賃収入をすべて手元に残せます。現役中にローンを完済しておけば、家賃収入を老後の年金代わりとできるでしょう。
基本的にローンを組んでアパートを購入するため、失敗してしまうとローンが返済できず、最悪自己破産というケースもあります。
ローンの返済額は毎月の家賃収入から賄うため、空室や修繕費などの出費の増加で収支が悪化すればローン返済が難しくなるでしょう。自己資金がある程度あれば対応できますが、その期間が長くなれば対応も難しくなります。ローン返済が滞る場合、アパートの売却も視野に入れなければならなくなるでしょう。
アパート経営に限らず、不動産投資では次のようなリスクがあります。
これらのリスクにしっかり対策しておかなければ、赤字になってしまいアパート経営が失敗してしまう可能性が高くなるのです。
アパートは築年数が経過すれば、老朽化するものです。老朽化に伴い、家賃の値下げの必要性や入居率の低下、修繕費の増加といった将来の減収の可能性には注意しなければなりません。あらかじめ収支計画でそのことを見込んでいなければ、将来の想定外の支出や収入減少に対応できない可能性があります。
築年数が経過することで、物件価値も下落する可能性があります。また、エリアの環境やニーズの変化によっても物件価値が左右されるものです。物件価値が下落してしまうと、入居者の確保が難しくなることや、売却しても損が出てしまう可能性が高くなる点には注意しましょう。
アパート経営では、物件の見極めが重要です。物件の状態だけでなく周辺環境や賃貸ニーズなどを徹底的にリサーチしたうえで物件を判断しなければ、アパート経営が失敗してしまう可能性もあるでしょう。利回りの高さや営業トークに乗せられて、ろくに調査もせずに物件を選んでしまい失敗するケースは珍しくありません。
ここでは、アパート経営に失敗する主なパターンとして次の五つを解説します。
空き室が出てしまうと、その分の家賃収入を得られません。収入は得られないうえに、管理費などの支出やローン返済が必要になるため、収支が悪化してしまいます。特に空き室が増加し期間が長くなれば、支出の負担でアパート経営が失敗してしまう可能性が高くなるので注意しましょう。
家賃滞納は、空き室よりも厄介な問題です。賃料を得られない点は空き室と同じですが、空き室の場合は入居者を募集すれば解決できます。それに対し、家賃滞納の場合はすでに入居者がいるため、新しく入居者を募集できません。
悪質な滞納者の場合、滞納期間が長期にわたるためその間の収入を得られなくなります。また、強制退去などの法的な手続きを取るにも、時間や費用がかかり大家さんの負担はより大きくなるのです。
アパートの老朽化や設備の古さから人気が下がってしまうと、家賃を値下げしなければ入居者を確保できなくなってしまいます。しかし、ローン返済額によっては家賃を値下げしてしまうと、満室でも収支がマイナスになってしまう可能性もあるでしょう。
日常的なアパートの管理を任せる管理会社の選び方は重要です。管理会社と言っても、すべての会社が同じ質で管理してくれるわけではありません。中には、しっかり管理してくれない管理会社もあり、入居者への対応が悪く、退去されてしまうケースも珍しくはないものです。管理会社の質は入居者の満足度にもつながるため、信頼できる管理会社を選ぶようにしましょう。
老朽化や設備の故障・災害などで突発的な修繕が必要になるケースがあります。また、築年数が経過したアパートでは、管理費や修繕費が高額になる可能性も高いでしょう。これらの出費を事前に予測していなければ、想定外の出費に耐えられずアパート経営が失敗してしまうので注意が必要です。
アパート経営を成功させるコツには、次のようなことがあります。
アパート経営するうえでは、物件選びは重要なポイントとなります。次のようなポイントをチェックして物件を選ぶとよいでしょう。
物件の状態だけでなく、周辺環境やエリアの将来性・賃貸ニーズまできちんとリサーチしたうえで物件を選ぶことが重要です。
実際の利回りがどれくらいになるのかを、自分でもしっかりとシミュレーションすることが大切です。不動産会社の広告にうたわれているのは、基本的に表面利回りとなります。
表面利回りとは、物件価格に対してどれくらいの収入を得られるのかと言う目安の数字です。
表面利回り(%)=年間収入÷物件価格×100
表面利回りはシンプルな計算で求められるため、簡単に大まかな収益性を判断できます。しかし、表面利回りには経費などの支出が考慮されていない点には注意しなければなりません。
経費までを考慮した利回りとなるのが、実質利回りです。
実質利回り(%)=(年間収入-年間経費)÷物件価格×100
実質利回りは、手元に残るお金により近い利回りの目安となります。実際にアパート経営する場合は、表面利回りの高さだけで判断するのではなく、自分で実質利回りまで詳細にシミュレーションしておくことが大切です。
アパート経営の資金はどうするのかを万全に計画しておく必要があります。自己資金をどれくらい準備するのか、ローンの借入はどうするか、資金をどうやって調達するのかしっかりと計画しておきましょう。
アパート経営の前には、一度専門家に相談して意見を求めておくことをおすすめします。経験豊富な不動産会社に相談することで、より詳しい収支計画や資金計画・物件などのアドバイスをもらえるでしょう。
アパート経営のメリット・デメリット、失敗例や成功のコツをお伝えしました。アパート経営は仕事と両立することも可能であり、決して難しいものではありません。しかし、失敗してしまうケースもあるため、成功させるにはある程度のノウハウが必要なものです。
土地活用の専門家であれば、成功例など適切なアドバイスをもらえるので、アパート経営を検討しているなら、一度専門家に相談してみるとよいでしょう。
(記事は2022年6月1日時点の情報に基づいています)