目次

  1. 1. 家査定の種類
    1. 1-1. 匿名シミュレーション査定
    2. 1-2. 机上査定
    3. 1-3. 訪問査定
  2. 2. 訪問査定の依頼時の注意点
    1. 2-1. 売却以外の目的では使えない
    2. 2-2. 相場を簡単に調べておく
    3. 2-3. 必要書類を用意しておく
    4. 2-4. 住宅ローン残債を確認しておく
    5. 2-5. 複数の不動産会社に査定を依頼する
    6. 2-6. 片付けや掃除は特にいらない
    7. 2-7. 希望をきちんと伝える
  3. 3. まとめ

まず、家査定の種類について解説します。家査定には以下の3つの方法があります。

「匿名シミュレーション査定」とは、AIなどのプログラミングによって瞬時に不動産の査定ができるインターネット上の無料サービスのことを指します。

匿名と呼ばれるのは、電話番号や住所などの個人情報を入力する必要がないからです。
匿名シミュレーション査定は、査定を依頼しても不動産会社から営業電話がかかってきません。

匿名シミュレーション査定は、マンションであれば精度の高いものが存在しますので、マンションは参考として使っても良いと思われます。

一方で、戸建てに関しては信憑性の低いものがほとんどであり、戸建ては匿名シミュレーションを利用しない方が賢明です。

「机上査定」とは、不動産会社の営業担当者が物件を見ずに住宅地図や登記簿謄本、周辺の過去の取引事例などの資料を元に行う査定のことです。

現地調査を行わないため、騒音や振動、眺望、デザイン性、リフォームの有無などについては価格に反映されません。

匿名シミュレーション査定はすべてコンピュータが行っているのに対し、机上査定は人間が行っている点が最大の違いです。
机上査定であれば、戸建ての査定精度も相応に高くなります。

「訪問査定」とは、不動産会社の営業担当者が実際に物件を見て行う査定のことです。
物件の状況を見て確認し、売主にもヒアリングして査定を行うことができるため、価格の精度はもっとも高いです。

訪問査定の結果は、売り出し価格を決定するための重要な参考資料となります。適正な売り出し価格を設定しないと「安過ぎて損をする、または高過ぎて売れない」などの失敗につながるため、訪問査定は売却前に必要となるのです。

この章では「訪問査定」を依頼した時の注意点について解説します。

訪問査定は、売却以外の目的では使えない点が注意点となります。訪問査定は必ず無料となりますが、無料の理由は査定が不動産会社の営業行為の一環だからです。

依頼者が売却予定の人であれば、後で仲介手数料によって査定コストを回収できますが、売却予定のない人の場合、不動産会社は査定コストを回収できなくなります。そのため、不動産会社は単に資産価値を知りたいだけの人に対しては無料査定を行いません。

例えば、離婚の財産分与や相続の遺産分割で、家の資産価値だけを知りたいケースがあります。

離婚や相続でも売却するためなら無料査定を利用できますが、売らずに遺産を分けるための価格根拠を知りたいという場合には利用できないということです。

売却せずにどうしても適切な時価を知りたい場合には、有料となりますが不動産鑑定士による鑑定評価を取得することが適切となります。

査定を依頼する前は、ある程度、相場を簡単に調べておくと査定結果に対して「安過ぎる、または高過ぎる」といった判断をすることができます。

マンションであれば、同じマンションの他の部屋の売り物件チラシが相場の参考となります。

また、マンションも戸建ても「レインズマーケットインフォメーション」を使うことである程度相場を推測することができます。

「レインズマーケットインフォメーション」では、地域や最寄り駅、面積、間取り、築年数等の条件を絞り込んでいくと、取引事例が羅列されます。
取引事例から、なんとなく価格帯を推測します。

相場は自分で調べても、結局のところ分からないことも多いので、過度に気にする必要はありません。

面倒であれば、査定依頼時に不動産各社に相場をヒアリングして情報収集をする形でも十分です。

査定依頼時には必要書類を用意しておくことも注意点です。
家の査定に最低限必要な書類は以下のものになります。

査定時には本当に物件の所有者であるかどうかの本人確認が行われます。権利証(登記済証)または登記識別情報通知書は、本人確認のために提示が必要です。権利証(登記済証)または登記識別情報通知書は不動産の所有者本人しか持っていない重要な書類となります。

戸建てでは、土地の確定測量図の有無を確認されます。確定測量図とは、すべての境界が確定しているときのみに発行される実測図のことです。

戸建ての売買では、通常、買主が確定測量図を引き渡すことを条件としますので、確定測量図がないとすぐに売れる状態ではないといえます。査定時は、すぐに売れる状態にあるかを確認するために、確定測量図の提示が求められるのです。

また、戸建ての間取り図やマンションの分譲時のパンフレットは、チラシなどに間取り図を掲載するために必要となります。

査定を依頼する際は、住宅ローン残債を確認しておくことがポイントです。
住宅ローンが残っている家を売却するときは、売却額の入金によって同時に残債を一括返済する手続きを行います。

そのため、家を売るときは、少なくとも査定額が住宅ローン残債を上回っていることが条件です。不動産会社からの確認されることが多いので、残債額はしっかり確認しておきましょう。

家の査定は複数の不動産会社に依頼することがポイントです。査定額は、不動産会社が考えている売却予想価格ですので、不動産会社を変えると査定額も異なります。

複数の不動産会社に査定を依頼する理由は、「高く売ってくれる会社を見つけるため」と、「高過ぎる査定価格を排除するため」の2つです。

基本的には高く売る自信がある会社であれば、高い査定価格を提示してくれます。
ただし、一部の不動産会社の中には、仲介の契約を取りたいがために意図的に高い査定価格を提示してくる会社もあります。

安易に高過ぎる査定価格を採用してしまうと、全く売れないという失敗にも繋がります。
複数の査定結果を見比べれば、妙に高い価格は一発で分かるため、高過ぎる査定価格を排除できます。

査定時に片付けや掃除は特に不要です。
査定は家が綺麗に片付いている状態を想定して行われますので、査定時に家が汚くても、そのことを理由に査定価格が下がるということはありません。

ただし、すぐに売却したい場合には、片付けをしておくと、インターネット広告用の写真を撮ることが可能です。査定時に写真撮影も行って、すぐに販売開始に移行することができます。

査定時には不動産会社に希望を伝えることがポイントです。
売主の希望には、例えば以下のようなものがあります。

  • 早く売りたい
  • 住宅ローン残債以上に売ってほしい
  • 売却していることを近所に知られたくない
  • 昼間は電話しないでほしい
  • 購入物件も探してほしい
  • 権利証をなくしてしまったので対処法を教えてほしい

不動産会社は売主の希望に応じて対策を考えてくれます。
希望があれば直接伝え、また不明点があればしっかり相談するようにしてください。

以上、家の査定の注意点について解説してきました。
家査定には、「匿名シミュレーション査定」「机上査定」「訪問査定」の3つがあります。

査定依頼時の注意点としては、「必要書類を用意しておく」「複数の不動産会社に査定を依頼する」などがありました。家査定の概要がわかったら、早速に査定を依頼してみましょう。

(記事は2021年10月1日時点の情報に基づいています。)

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