不動産売却のトータル期間は平均で8ヶ月程度

「アットホーム調べ」の売主に対するアンケート調査によると、首都圏における自宅の売却までの期間は平均で8ヶ月となっています。

出典:アットホーム調べ・アットホーム株式会社「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」(https://athome-inc.jp/wp-content/themes/news/pdf/bukken-baikyaku-chuuko-kounyuu-201507/bukken-baikyaku-chuuko-kounyuu-201507.pdf)
出典:アットホーム調べ・アットホーム株式会社「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」(https://athome-inc.jp/wp-content/themes/news/pdf/bukken-baikyaku-chuuko-kounyuu-201507/bukken-baikyaku-chuuko-kounyuu-201507.pdf)

売却までの期間は全体としては平均で8ヶ月ですが、マンションは6ヶ月、戸建ては11ヶ月です。戸建てよりもマンションの方が早く売却されていることがわかります。

不動産売却の流れ

不動産売却の流れは以下の通りです。

1)価格査定を出す

不動産の売却では、最初に価格査定を行います。
価格査定は、適正な売り出し価格を決定するために必ず必要なステップです。

価格査定で算出される査定価格は、あくまでも不動産会社による売却予想価格になります。
査定価格は不動産会社による予想に過ぎないことから、不動産会社を変えると査定価格も変わることが通常です。

査定価格は、建築工事会社の見積もりのようなものなので、希望と合わなければ断って他社を選んでも構いません。
建築工事会社の見積もりが無料であることと同じで、不動産会社の価格査定も無料です。

2)不動産会社と媒介契約

査定の結果、依頼する不動産会社が決まったら不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは、不動産会社と締結する仲介の契約のことです。
媒介契約を締結したら、いよいよ売却活動の開始になります。

3)売却活動の開始

価格査定から売却活動の開始までは、2週間程度あれば対応可能です。
ただし、依頼する不動産会社を迷ったり、写真を撮るために家の中を片づけたりなどで時間がかかった場合は、価格査定から1ヶ月程度の時間を要することもあります。

4)売買契約

売却活動の開始から売買契約の締結までは、一般的に3ヶ月程度です。
参考までに、首都圏における不動産の売却に要する平均日数を以下に示します。

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」( http://www.reins.or.jp/pdf/trend/sf/sf_2020.pdf)
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」( http://www.reins.or.jp/pdf/trend/sf/sf_2020.pdf)

上グラフの日数は、不動産会社が『レインズ』と呼ばれるシステムに物件情報を登録し、売却が決定するまでの日数を示しています。
レインズとは不動産会社しか見ることのできないデータベースのことですが、不動産会社は売却を依頼されるとすぐにレインズへ登録することが一般的です。
そのため、上グラフの日数は、不動産会社が売却を依頼されてから契約が決まるまでの実質的な日数を示しています。

売却に要する日数を過去10年間で平均すると、マンションは「75.3日」、戸建ては「92.3日」、土地は「94.0日」です。

マンションは「2ヶ月半」程度、戸建ては「3ヶ月強」程度ですので、売りに出してから売買が決まるまでの期間はおおむね3ヶ月程度であることがわかります。

不動産売却に3ヶ月程度の時間がかかるのは、ある程度の購入希望者の目に留まるのに広告を掲出(出して)から3ヶ月程度の時間がかかるからです。
この広告を掲出してから買主が決まるまでの期間のことを「市場公開期間」と呼んでいます。

不動産の標準的な市場公開期間は3ヶ月程度とされており、例えば市場公開期間が1ヶ月だと情報を周知されるには短すぎるため不適切です。

短い市場公開期間で売却するには売り出し価格を安く設定する必要があり、「売り急ぎ」と呼ばれる損をする売り方になります。

また、買主が決まるまでの期間は、必ずしも3ヶ月というわけではなく、物件によっては半年以上かかることもあります。
売却期間が長期化するのは、売り出し価格が高過ぎることが主な原因です。

不動産は早く売るには安くする必要があります。だからといって「長く売れば高く売れる」ことにはなりません。
適正価格よりも高すぎる価格で売りに出せば、「ずっと売れない」状況が続きます。
よって、3ヶ月以上経っても売れない場合には、価格を見直すターニングポイントとなります。

5)引き渡し

売買契約が締結した後のステップは引き渡しです。
不動産の売却では、売買契約と引き渡しを別日で行うことが通常となります。
一般的に、売買契約と引渡は1ヶ月ほどの期間を空けるのが一般的です。

買主は、その間に住宅ローンの本審査を通します。
買主の住宅ローンの本審査が売買契約の後になるのは、売買契約書が住宅ローンの本審査の必要書類となるからです。

売買契約から引き渡しの期間も特に決まりはありませんが、売主や買主の事情によっては1ヶ月を超えてしまうこともあります。

不動産の売却期間を短くする方法

この章では、不動産売却期間を短くする方法について解説します。

●適正価格で売りに出す

不動産は、売り出し価格が高過ぎて売却が長引くことも多いです。3ヶ月程度で売却するには、適正価格で売りに出すことがポイントとなります。

適正価格で売り出すには、複数の不動産会社に売却を依頼し、査定価格をしっかりと比較することがコツです。複数の査定結果を横並びにすると、「妙に高過ぎる価格」が見えてきます。

高過ぎる価格は喜んで飛びつくのではなく、むしろ排除することが適切な対応です。
例えば、A社が5,000万円、その他のB社が4,400万円、C社が4,500万円、D社が4,300万円という査定結果だとしたら、明らかにA社の査定価格が高過ぎるといえます。

この場合、4,300万円~4,500万円の間が適正ゾーンになりますので、適正ゾーンの中で売りに出せば3ヶ月程度で売却できます。

売却期間を長引かせないためにも、査定は必ず複数の結果を比較検討することをおすすめします。

●引っ越しシーズンを狙って売る

不動産を早く売るためには、引っ越しシーズンを狙って売ることもひとつの方法です。
不動産は、毎年「2~3月」または「9月」に取引件数が伸びる傾向があります。
理由としては、春や秋の異動シーズンに向け、引っ越しする人が多くなるからです。

参考までに、首都圏における2019年のマンションと戸建ての月別取引件数の推移を示します。(2020年はコロナ禍の影響があったため、2019年を示します。)

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watchサマリーレポート (2019 年 12 月度)」(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_201912_summary.pdf)
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watchサマリーレポート (2019 年 12 月度)」(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_201912_summary.pdf)

例えば、2~3月に売るのであれば、ちょうど1月から売りに出すとピーク時に売却できるようになります。

●一般媒介で売りに出す

一般媒介で売りに出すことも、不動産を早く売る方法のひとつです。
媒介契約には、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。

専任媒介または専属専任媒介は1社の不動産会社にしか仲介を依頼できない契約です。
それに対して、一般媒介は複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる契約を指します。

不動産会社が得られる仲介手数料は成功報酬であることから、不動産会社は一般媒介で複数社に依頼されると、自社で早く買主を決めなければ仲介手数料がもらえない状況となります。

各社は頑張って早く買主を決めなければならないという競合状態になることから、一般媒介は早く売れる確率が高まるのです。

●買い取りを選択する

早く売るには、買い取りを選択することも一つです。
買い取りとは、転売を目的とした不動産会社へ下取り価格で売る売却方法です。

売却価格は下取り価格となるため、仲介の価格の80%程度となります。
買い取りの売却期間は、買取会社にもよりますが、3日から2週間程度です。

まとめ

以上、不動産売却の期間について解説してきました。
不動産の売却期間はトータルでマンションなら6ヶ月、戸建てなら11ヶ月となっています。
売りに出してから売買契約が成立するまでの期間は平均で3ヶ月程度です。

売却期間を短くする方法としては、「適正価格で売りに出す」、「引っ越しシーズンを狙って売る」などが挙げられます。
売却期間は余裕をもって計画し、焦らずに売却するようにしましょう。

(記事は2021年7月1日時点の情報に基づいています。)