目次

  1. 1. 賃貸需要の中にあるニーズ
  2. 2. 賃貸需要の調べ方
    1. 2-1. 自分の物件の条件を整理する
    2. 2-2. ポータルサイトを使って条件の近い物件を選ぶ
  3. 3. 賃貸需要の調べ方の注意点
    1. 3-1. 賃貸需要はファミリー世帯よりも単身世帯の方が強い
    2. 3-2. 周辺に雇用環境があることがポイントとなる
    3. 3-3. 住宅は単価よりも総額が重視される
    4. 3-4. 築年数よりも立地が影響する
    5. 3-5. 賃貸マンションとアパートでは決まりやすさが異なる
    6. 3-6. ワンルームは部屋の形状が影響する
  4. 4. まとめ

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需要とは「家計・企業などの経済主体が市場において購入しようとする欲求」のことです。賃貸需要というと借り主の欲求ということになりますが、曖昧(あいまい)な言葉なので賃貸需要の中にある具体的なニーズについて確認します。

公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会では、借り主を対象に「住宅を借りるときのポイント」についてのアンケート調査を行っています。アンケート調査の結果は以下の通りです。

出典:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会「不動産の日アンケート(2021年1月)」(https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/02/2020-fudousan-anke-to.pdf)
出典:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会「不動産の日アンケート(2021年1月)」(https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/02/2020-fudousan-anke-to.pdf)

アンケート調査の結果では、賃貸物件を借りる際は借り主がダントツに「家賃」を重視していることがわかります。賃貸需要の主たる欲求は「家賃」であることから、この記事では適切な家賃相場の調べ方を中心に解説していきます。

この章では賃貸需要の調べ方について解説します。

賃貸需要を知るには、まずは貸し主が自分の物件の要件を整理することがポイントです。家賃を決めるポイントには、以下のような条件があります。

上記の条件を洗い出し、可能な限り似た条件の物件の家賃を調べます。

条件を洗い出したら、ポータルサイトを使って条件の近い物件を選びます。ポータルサイトとは、「SUUMO」や「アットホーム」などの不動産広告サイトのことです。ポータルサイトでは、地域の相場を平均値で開示しているものもありますが、見誤る可能性があるため、平均値は利用しない方が適切です。

ポータルサイトには、条件の絞り込み条件機能がありますので、同じ「最寄り駅」の中で自分の物件と近い条件の物件の家賃を調べていきます。調べる際は、必ず「最寄り駅」を同じとし、できれば駅の出口(例えば北口や南口等)も揃えて比較することがポイントです。駅からの距離や賃貸面積、築年数が類似している物件が見つかったら、自分の物件もだいたい似たような家賃となります。

この章では賃貸需要の調べ方の注意点について解説します。

賃貸需要を把握する上で重要なことは、賃貸需要はファミリー世帯よりも単身世帯の方が強いということです。同じ住宅でも、ターゲットとしてファミリー世帯を相手にするのと、単身世帯を相手にするのでは賃貸需要の強さが異なります。

ファミリー世帯には、3LDKのような広い間取りが求められます。広い間取りは賃貸面積も大きくなるため、必然的に家賃総額が上がります。ファミリー向け物件は、賃貸物件を借りるよりも、住宅ローンを組んで分譲物件を買った方が安くなることが多くなります。

一方で、単身世帯向けの物件は1Kのような狭い間取りとなります。狭い間取りは賃貸面積も小さくなるため、必然的に家賃総額が抑えられます。また、ワンルームを借りる人は35年のような長期ローンを組んで自宅用として購入したいと考える人も少ないです。家賃も十分に払える価格帯であり、住宅ローンを借りる動機も低いことから、単身世帯は買うよりも借りることを選択する傾向にあります。

以上のことから、同じ住宅でもファミリー世帯よりも単身世帯の方が賃貸需要は強く、3LDKよりも1Kのほうが借り主は決まりやすくなると言えます。さらに、ワンルームの中でも賃料は学生向け物件よりも社会人向け物件の方が高くなります。

なお、例外的に評判の良い小学校の学区内にはファミリー世帯による強い賃貸需要が存在します。評判の良い小学校の学区へは、わざわざ引っ越してくる家族世帯も多いのです。優良な学区は往々にして不動産価格が高く、若い家族世帯にとっては購入しにくいため、物件を借りる人も多くなっています。

賃貸需要の多寡は、周辺に雇用環境があることがポイントです。

一般的に賃貸需要は駅から徒歩10分圏内が強いといわれていますが、それは周辺に単身者が働く場所があることを前提としています。都市部であれば、様々なところに働く場所があるため、通勤に便利な駅の近くほど賃貸需要が強くなります。

一方で、郊外では単身者の雇用環境の有無が賃貸需要に影響を与えます。例えば、大きな病院や空港、工場、観光ホテル、警察署等が近くにある場合、駅から離れていても強い賃貸需要が存在するケースがあります。

また、最近では外国人労働者を雇う農業法人や企業も増えてきました。外国人労働者を雇用する企業が近くにある場合には、社宅として一括借り上げをする賃貸需要も出始めています。地方や郊外の物件の場合には、周辺に雇用を生み出す大きな施設があるかどうかを確認することがポイントです。

住宅の場合、家賃は単価よりも総額が重視される傾向があります。

1Kなら8万円、2DKなら10万円といったように総額が重視され、例えば22㎡の1Kも25㎡の1Kも同じ8万円だったりします。さすがに「18㎡の1K」と「28㎡の1K」では家賃は異なりますが、2~3㎡程度の差であれば家賃にほとんど差が生じないことが多いです。

それに対して、店舗やオフィスといった事業系の賃貸物件には「単価」に相場があり、単純に「単価×面積」で家賃が決まります。住宅の場合には総額が影響することから、単純に「単価×面積」で家賃が決まらず、総額で調整される傾向が強くなっています。

住宅の売却価格は築年数が経過すると顕著に下がっていく傾向がありますが、家賃の場合、築年数は売却価格ほどの影響を受けません。家賃では、築年数よりも立地の方が強く影響します。

例えば、駅から徒歩1分の物件では、「築3年目の物件」と「築15年の物件」との間で家賃に差がないといったケースもあります。傾向としては、立地が良い物件ほど築年数の影響は受けにくく、立地が悪い物件ほど築年数の影響を受けやすいです。事例を調べる際は、築年数よりも駅からの距離を重視して比較することがポイントとなります。

賃貸マンションとアパートでは決まりやすさが異なります。

賃貸マンションは、オートロックがある物件も多く、建物も鉄筋コンクリート造りで頑丈なものが多いことから、アパートよりも入居者が決まりやすいと言えます。賃貸マンションはセキュリティーを重視する人たちからの賃貸需要を獲得しやすいため、賃貸マンションの方がアパートよりも家賃をやや高めに設定することができます。自分の物件がアパートであれば、アパートと比較することがポイントです。

ワンルームは部屋が小さいため、部屋の形状が賃貸需要に大きく影響します。部屋の形が台形やL地型となっていると、利用しにくいデッドスペースが増えるため、入居者が決まりにくいです。ワンルームはベッドが占める面積が大きく、ベッドを配置した後に使いにくい空間が生まれるような物件は、敬遠される傾向があります。自分の物件が長方形で整形な物件であれば、なるべく整形な形の物件と比較することが必要です。

以上、賃貸需要の調べ方について解説してきました。賃貸需要の中で最も重視されているのは家賃です。家賃は不動産ポータルサイトで調べることができます。自分の物件の条件を整理し、よく似た条件の物件を探すことがポイントです。賃貸需要の調べ方の注意点としては、「賃貸需要はファミリー世帯よりも単身世帯の方が強い」「住宅は単価よりも総額が重視される」などがありました。賃貸需要の調べ方の概要がわかったら、早速にポータルサイトを使って家賃を調べてみましょう。

(記事は2021年9月1日時点の情報に基づいています)

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