目次

  1. 1. 賃貸併用住宅とは
  2. 2. 「賃貸併用住宅は危険だからやめておけ」と言われる理由と対処法とは
    1. 2-1. 【欠点①】入居者のクレームやトラブルが直接オーナーに来る
    2. 2-2. 【①への対処法】トラブルの窓口を管理会社にする
    3. 2-3. 【欠点②】自宅のプランが制約を受け、プライバシーの確保も難しい
    4. 2-4. 【②への対処法】専門家のアドバイスを受けながらレイアウトやプランを計画する
    5. 2-5. 【欠点③】一戸建てを建築するよりも総額が大きくなる
    6. 2-6. 【③への対処法】市場調査をしっかりと行い、「入居者ファースト」の賃貸住宅を提供する
    7. 2-7. 【欠点④】売却が難しい
    8. 2-8. 【④への対処法】収益物件として売却する方法も
  3. 3. 賃貸併用住宅のメリット
    1. 3-1. 家賃収入を住宅部分のローン返済に充てることができる
    2. 3-2. 住宅ローンを利用できる場合がある
    3. 3-3. 時代にマッチした余剰スペースの有効活用となる
    4. 3-4. 自宅とアパートを別々に建てるよりも効率がよい
    5. 3-5. 節税効果が期待できる
  4. 4. 賃貸併用住宅に関してよくある質問
  5. 5. まとめ|信頼できるパートナーを選び、適切なアドバイスを受けることが大切

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賃貸併用住宅とは、1棟の建物の中に自宅部分と賃貸部分がある建物を言います。賃貸併用住宅を建てた人は、持ち家の住人の立場になると同時に、賃貸オーナー(以下「オーナー」)の立場にもなります。

賃貸併用住宅の建て方には、自宅部分と賃貸部分の組み合せによって、いくつかのパターンがあります。オーナーの希望をもとに、土地の広さや形状、市場調査、法規調査などをふまえて、建て方を決定します。

賃貸併用住宅の建て方のパターン
賃貸併用住宅の建て方のパターンを図解。自宅部分の面積が50㎡以上かつその割合が全体の50%以上であれば住宅ローンの対象となります

【関連】賃貸併用住宅のメリットとデメリット 後悔しないための方法を解説

インターネット上などには、賃貸併用住宅は「やめておけ」「危険」という意見が散見されます。賃貸併用住宅のどのような点が「危険」と言われているのでしょうか。

賃貸併用住宅で言われている「危険」の多くは、実は「危険」ではなく「デメリット(短所、欠点)」のことです。賃貸併用住宅については、事前にそのデメリットと対処法を知っておくことで、短所や欠点が解消できたり、最小限に抑えたりすることができます。

一般的には主に以下の4点が賃貸併用住宅のデメリットと考えられています。

  • 入居者のクレームやトラブルが直接オーナーに来る
  • 自宅のプランが制約を受け、プライバシーの確保も難しい
  • 一戸建てを建築するよりも総額が大きくなる
  • 売却が難しい

1棟の建物内にオーナーと入居者が生活すると、お互いの接点が近くなるため、トラブルが起こった際に入居者が直接オーナーに連絡してくる可能性があります。「夜中に水漏れが起きた」「エアコンが故障した」といったクレームから、「鍵をなくしてしまった」「隣の部屋の人のゴミ捨てのマナーが悪い」といった生活上のトラブルまで昼夜を問わず持ち込まれると、オーナーも落ち着いて生活ができません。

入居者から直接連絡が来ないようにするためには、管理業務を管理会社に委託し、トラブルの一切の窓口を管理会社にすることが有効です。入居者も管理会社が窓口であることがわかると、オーナーに直接連絡して来ることはなくなります。管理会社に支払う管理業務委託費は5%前後が多いですが、オーナーの負担を大きく軽減できる必要経費と捉えれば、決して高い費用ではありません。

また、転貸による管理方式であるサブリースを利用すると、契約上、入居者にとっての大家さんはサブリース会社になるため、オーナーが直接トラブルに関わらなくてすみます。

自宅部分のプランの制約やプライバシーの問題は、賃貸併用住宅のデメリットとされています。

たとえば縦割りタイプの賃貸併用住宅では、自宅部分と賃貸部分が接する部分には採光や風通しのための窓を設けることができません。ほかにも、自宅と賃貸住宅の玄関へのアプローチが重なってしまったり、窓の前を入居者が通ったりするとお互いに気になります。また、上下階や隣の音がうるさいとのではという不安もよく耳にします。

賃貸併用住宅は一戸建てのような独立した建物とは異なるため、どうしてもプラン上の制約は生じます。そのなかで、自宅部分の希望をできるだけ満たし、お互いのプライバシーを守るためには、設計段階からさまざまな想定をしながらプランを作成することが大切です。

たとえば、エントランスを分けてオーナーと入居者のアプローチが重ならないよう配慮する、隣の住戸からサッシの位置を離す、バルコニーをインナータイプにして視線をさえぎるなど、設計の工夫で対応できるケースも少なくありません。賃貸併用住宅の実績が豊富な建築士や建築会社に設計の相談をすることをお勧めします。

上下階の防音については、近年の遮音性能の技術向上は著しく、自宅の階をどこにするかの制約はほとんどなくなりました。よって、自宅を配置する階は「日当たりや眺めの良い最上階にしたい」「庭づくりが大好きなので1階にしたい」など、オーナーの希望で決めてよいでしょう。ただし、建築会社やハウスメーカーにより標準の遮音性能が異なることがあるので、事前にしっかりと確認することが必要です。

また、隣の住戸との間の壁に関しても、共同住宅では防火性にも遮音性にも優れている「界壁(かいへき)」にすることが法律で義務づけられているため、壁越しに音が聞こえてくる心配はほとんどありません。ただし、いくら建物の遮音性が高くても、お互いに窓を開けていれば隣の音が窓から入ってくることがあります。そのため、日常生活におけるお互いの気づかいは必要です。

自宅に賃貸住宅が加わるので建築費の総額は大きくなります。一般的に、建築費が増えたぶんはローンを増やして充当します。しかし、空室が続くと、そのぶんの家賃収入がないため、ローン返済に支障をきたすおそれがあります。

賃貸経営の成功のためには、徹底した市場調査を行う必要があります。市場調査の結果、入居需要が低いエリアと診断された場合、無理に賃貸併用住宅を建ててはいけません。

長期的に入居が期待できるエリアでは、さらにエリア内のほかの賃貸物件との競争に勝つために「入居者ファースト」の間取りや設備の賃貸併用住宅を建築することが安定経営につながります。

また、空室率やローン金利の上昇、賃料の下落なども事業計画に反映し、返済計画に余裕があるかどうかを事前に検証することでリスクは大幅に軽減できます。そのほか、空室を回避するためには、サブリースも有効な方法です。サブリース会社に建物を一括借り上げしてもらえるので、空室があっても収入が見込めます。

【関連】賃貸併用住宅の最適な間取りは? 快適性と収益性を兼ね備えた設計についてプロが解説

一般的に賃貸併用住宅は、更地や一戸建て、さらにアパートなどの収益物件と比べても売却が難しいとされています。

もともと土地を持っている人は賃貸併用住宅が選択肢の一つになりますが、これから住まいを探そうという人は一戸建てやマンションを探すのが一般的で、はじめから賃貸併用住宅を購入したい人は少数です。また、賃貸併用住宅を探している人が現れた場合でも、専用住宅と比べてローン審査が厳しく借りられないというケースも少なくありません。

賃貸併用住宅としては売却しづらいですが、自宅部分も賃貸住宅として家賃収入を見込めば、建物全体を収益物件としてとらえることができるため、買い手の幅は広がります。

ただし、もともと住み慣れた場所に長く住みながら家賃収入を得ることが賃貸併用住宅の目的です。はじめから売却を前提とするのではなく、長期的な家賃収入を得ることを最優先に考えましょう。

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賃貸併用住宅のリスクやデメリットについて解説しましたが、それでも多くの人がメリットを感じ、賃貸併用住宅を建てています。ここでは賃貸住宅のメリットについても確認しておきましょう。

賃貸併用住宅の大きなメリットは、家賃収入を自宅部分のローン返済に充てられることです。

住宅を建築する場合に借り入れた住宅ローンは、一般的には給料などから返済します。しかし賃貸併用住宅では、家賃収入で賃貸部分のローン返済をしたうえで、さらに自宅部分のローン返済の一部または全部を返済することができます。収益性が高い賃貸併用住宅であれば、ローンを返済してもまだキャッシュフローが残るケースもあります。

賃貸併用住宅では、自宅部分の面積が50㎡以上かつその割合が全体の50%以上であれば住宅ローンの対象となります。一般的に、住宅ローンの金利はアパートローンよりも低いため、返済の負担も軽減できます。

ただし、住宅ローンの利用が必ずしもメリットがある方法とは限りません。賃貸併用住宅では、賃貸部分の割合が高いほど家賃収入も多くなり、収益性も向上するからです。そのため、あえて自宅部分の面積が50㎡以上かつその割合が全体の50%以上という条件をクリアする住宅ローンにこだわらず、賃貸割合を高めて、より大きな収益を得るという選択肢もあります。

かつては2世代や3世代が同居し、にぎやかだったマイホームも、子が成長し家を出たり親が亡くなったりすると夫婦だけの世帯や単身世帯になっていきます。家族の数が減っていくと、いわゆる「部屋余り」が生じます。

また、日本では少子化の進行や晩婚、離婚の増加などにより1世帯あたりの人数が減少し続けています。厚生労働省の「世帯構造及び世帯類型の状況 」によると、1986年には3.22人だった平均世帯人員は、2022年には2.25人と大きく減少しています。このような背景のもと、必要な住宅面積も小さくなり、自宅で使わない余剰スペースを貸し出して収益を得るという考え方が広がってきました。

このように、賃貸併用住宅は「時代の流れにマッチした、土地の物理的かつ経済的な有効活用」の手法と言えるでしょう。

自宅と賃貸住宅を別々に建てるケースもありますが、賃貸併用住宅のほうが別々に建てるよりも建築費が割安になることが多く、収益性が高くなります。1棟の建物にすると、2棟の建物に比べて基礎の長さや屋根面積、壁面積などが少なくなるためです。

一定の基準を満たした住宅が建っている土地は、小規模住宅用地として、住宅1戸あたり200㎡まで固定資産税の課税標準が6分の1に引き下げられます。この軽減を利用すると、土地面積が200㎡よりも大きい場合でも、たとえば自宅に2戸の賃貸住宅を加えると600㎡(=3戸×200㎡)まで引き下げの対象面積が広がります。

また、所得税や住民税が節税できるケースもあります。家賃収入による不動産所得は「収入-必要経費」で計算しますが、必要経費には管理費、固定資産税、減価償却費、青色申告特別控除などがあります。必要経費の合計が家賃収入よりも多ければ不動産所得はマイナスになり、そのマイナス分を給与所得などほかの所得から差し引くことによって所得税や住民税を減らすことができます。一方、不動産所得がプラスになると、ほかの所得との合計額によっては税率が上がってしまうこともあるので、長期的なシミュレーションを作成して確認する必要があります。

ほかにも、相続時の賃貸部分の借入残高は相続財産から控除できる、土地のうち賃貸部分の割合については貸家建付地として評価減が受けられるなど、相続税の節税になる場合もあります。

【関連】小規模宅地等の特例とは? 適用要件から計算例、必要書類までわかりやすく解説

Q. 賃貸併用住宅に向いている人は?

所有している土地が広い、住居部分は小さくてもよいなど、スペースに余裕があり、かつ、土地が入居需要の高い立地にある場合は、賃貸併用住宅に向いていると言えます。

また、住宅ローン返済の負担を減らしたい、副収入がほしい、老後の自分年金づくりをしたいという人も、賃貸併用住宅を検討してよいでしょう。

Q. 賃貸併用住宅を建てるにはいくらかかる?

賃貸併用住宅については、以下の条件によって変わります。

・土地の面積や形状、法的制限
・建物の構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)や階数
・自宅部分の面積、間取りや設備 ・賃貸部分の戸数、面積、間取りや設備

上記の条件により、建築費は1坪(約3.3㎡)あたり80万円前後~150万円前後と大きく変わります。複数の建築会社に相談して比較することをお勧めします。

【関連】「賃貸併用住宅」の価格はいくら? ローコストで建てる方法も解説

Q. 賃貸併用住宅の会社選びのポイントは?

賃貸併用住宅の成功のためには、パートナー選びが大切です。実績と信頼のある建築会社やハウスメーカーの提案を比較検討して、最も自分たちの考えを実現してくれる会社を選択しましょう。

管理会社の選択も建築会社に劣らず重要です。賃貸経営は長期間にわたるため管理会社のサポートが賃貸経営の成功を大きく左右するからです。管理会社には、独立系の管理会社と建築会社とセットになっているグループ会社がありますが、それぞれの管理内容を比較し選択するのがよいでしょう。

Q. 賃貸併用住宅を建てると確定申告は必要?

家賃収入がある場合は、原則、不動産所得として確定申告が必要です。会社員で給与所得以外の所得が20万円未満の場合は所得税の確定申告は不要ですが、住民税については申告が必要です。なお、不動産所得がマイナスになる場合は、給与所得などから差し引くことができるため、一般的には確定申告をしたほうが有利です。

初めて申告する人や自分では計算ができないという人は、無料の税金相談や税理士に相談することをお勧めします。

【関連】賃貸併用住宅の確定申告の方法  経費や自宅と賃貸との「案分」のしかたを解説!

「賃貸併用住宅は危険」と言われる理由を紹介し、対処法についても解説しました。前半で説明したとおり、実際には、賃貸併用住宅だからといって、一戸建てや一般的な賃貸住宅と比べて特に「危険=高リスク」ではありません。

賃貸併用住宅ならではのデメリットや注意点を理解し、的確に対処できるかどうかが重要です。「トラブルの窓口を管理会社にする」「専門家のアドバイスを受けながらレイアウトやプランを計画する」といった対応をとることで「やめておけ」と言われているデメリットをクリアすることができます。また、「家賃収入を住宅部分のローン返済に充てることができる」「時代にマッチした余剰スペースの有効活用となる」など、賃貸併用住宅ならではのメリットがある点も認識しておくことが大切です。

賃貸併用住宅を検討する場合は、信頼できるパートナーを選び、適切なアドバイスやサポートを受けながら検討するようにしましょう。インターネットの土地活用プラン一括請求サービスを活用すれば、一度に複数社からの提案を受けることができるので、活用を検討してみるとよいでしょう。

(記事は2024年1月1日時点の情報に基づいています)

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