アパート経営を成功に導く業者やハウスメーカーの選び方 比較ポイントを不動産鑑定士が解説
アパート経営を行いたい場合、信頼できて良質なハウスメーカーなどを選ぶことが非常に重要です。アパート経営のパートナーとなる会社にはいくつか種類があり、それぞれ対応も異なるので的確に比較する視点をもって選びましょう。不動産鑑定士が、アパート経営のパートナーとすべき不動産関連会社を比較して種類や特徴、選び方を解説します。
アパート経営を行いたい場合、信頼できて良質なハウスメーカーなどを選ぶことが非常に重要です。アパート経営のパートナーとなる会社にはいくつか種類があり、それぞれ対応も異なるので的確に比較する視点をもって選びましょう。不動産鑑定士が、アパート経営のパートナーとすべき不動産関連会社を比較して種類や特徴、選び方を解説します。
目次
アパート経営を成功に導くには、設計プランから建築、竣工後の管理、メンテナンスなど、長期にわたり、プロの力を借りていく必要があります。
特に施工会社には、大きな建築費を支払うだけでなく、竣工後も管理やメンテナンスで長期の関係が続くことから、最初のパートナー選びが極めて重要です。
アパート経営のパートナーとなる不動産関連会社の種類や特徴を説明します。
総合ハウスメーカーとは、アパートの「設計」と「施工」だけでなく、工事が完了した竣工後の「管理」と「メンテナンス」もすべて対応してくれる会社です。すべて丸抱えでアパート経営を行ってくれるため、特に初心者の方にはお勧めの存在となります。
ハウスメーカーは建築費を安くするために、アパートという商品を規格品としてパッケージ化している点が特徴です。建物のサイズなどが規格で決まっていることから、一般的な敷地であれば問題ありませんが、敷地が極端に狭いなどの特殊な条件の場合には対応が難しくなることもあります。
工務店とは、比較的狭い営業エリアで地域に密着した施工会社のことです。工務店の中に設計部門があれば、設計も対応してくれます。客の好みや条件にあわせた設計をしてくれます。
ただし、関連会社に管理会社を有していないことがほとんどであるため、竣工後の管理会社は自分で探す必要があります。
敷地が狭い、敷地の形状が悪いなど、ハウスメーカーで対応できない場合には、設計会社が適切な相談相手となります。
設計会社は主に設計だけですので、建物を建てるためには別途、工務店などの施工会社を探す必要があります。また、竣工後の管理会社についても自分で手配することが必要です。
不動産関連会社を比較する際に重視したい11のポイントについて解説します。
不動産関連会社を比較する場合、まずはアパート建築の実績の有無を確認します。
施工数や入居率といった数字に注目するのも良いですが、自分の目で物件を確認することも大切です。自宅から行ける範囲に、施行中や竣工直後の物件がある場合には、設備のスペックやデザイン性を確認するうえで非常に参考になりますので、見学させてもらうと良いでしょう。
その不動産会社に設計や施工部門があるかどうかも確認しましょう。
総合ハウスメーカーには、設計部門も施工部門もあるのが通常です。工務店については設計部門がないことも多いため、確認することをお勧めします。
設計と施工が分離発注となってしまうと、設計費が割高となることが一般的です。
安定したアパート経営をするためには、間取りやデザインも大事です。
間取りに関しては、ファミリータイプを「ごり押し」してこないハウスメーカーが望ましいです。ファミリー物件への需要が高い立地であるなら良いですが、基本的にはワンルームタイプを選択したほうが、アパート経営は高収益となり安定もします。
デザインは「長期間効果を発揮する空室対策」とも言われており、とても重要です。パンフレットだけでなく、実際の物件を見せてもらい、借主の気持ちになって物件を眺めてみると良いでしょう。
空室が発生しやすい1階の対策もしてあるか確認すると良いでしょう。専用庭があったり、天井高を高くしたり、収納を増やしたりといった差別化がほどこされていると、1階でも埋まりやすくなります。
管理や修繕の体制も確認します。
総合ハウスメーカーであれば、関連会社に管理会社やメンテナンス会社を有していることが多いです。
ただし、総合ハウスメーカーの管理会社は家賃保証型サブリースを前提に管理の提案をしてくる傾向があります。確かに、空室が出たときに家賃収入が保証されることは魅力的ですが、保証額はずっと同じではないことに注意が必要です。家賃保証型サブリース以外の管理方式も聞いてみることがポイントです。
近隣の他物件で入居率がわかるようであれば、入居率も教えてもらうのが望ましいです。そのハウスメーカーが手がけた賃貸物件の入居率が高ければ、選ばれるだけの質があることの証明です。アパート経営がうまくいく確率が上がるでしょう
具体的で将来を見据えた計画を出してくれるところが適切です。設定家賃や空室率、家賃下落、大規模修繕を加味した収支計画となっているかがチェックポイントとなります。
収支計画に対し、次の点をチェックすると良いでしょう。
立地の賃貸ニーズに合わせた提案が行われているかもポイントとなります。その地域で賃貸ニーズが高いのは、単身者かファミリーか、学生か社会人か。また、ニーズが高くても物件がすでに過当競争になっていないか。そうした調査を踏まえた提案かどうか確認しましょう。
価値や機能とコストのバランス感覚も確認しましょう。
VEと略されるバリュー・エンジニアリング、CDと略されるコスト・ダウンのアプローチに注意を払うのがポイントで、一般的に「VE提案」とは価値や機能を維持したままコストを抑える提案のことを言います。機能を損なわないようなコスト削減案を積極的に提案してくれるかがポイントとなります。
銀行のアパートローンの情報を教えてくれる会社は、施工実績が豊富な会社と言えます。相談者の属性に合わせ、適切な金融機関を紹介してくれる会社であると、心強いです。
担当者の知識や説明の丁寧さ、コミュニケーションのとりやすさもポイントです。たとえ小さなことでも疑問があったら担当者に質問することが大事です。「この人には聞きづらいな」と感じる担当者であるなら、相性が良くない証拠です。
その不動産会社が弁護士や司法書士、税理士など専門家と連携していると、アパート経営を進めていくうえで頼りになります。
不動産会社には大手ハウスメーカーから地場の工務店まで様々な種類があり、強みや提案内容はそれぞれ異なります。そのため、なるべく多くの会社の提案を聞き、比較することが大切です。
インターネット上の一括比較サービスを利用すると、個別に不動産会社に問い合わせをする手間が省けます。こうしたサービスを使えば、複数のハウスメーカーから簡単に設計プランと建築費、竣工後の管理等の提案を受けることができ、比較することができます。
「相続会議」にも総合ハウスメーカーを中心に、不動産関連会社を一気に比較できる「土地活用プラン一括請求サービス」があります。
アパートの供給数が多い不動産関連会社5社を比較し、紹介します。
大東建託は「DK SELECT」というシリーズで賃貸住宅ブランドを展開しています。木造に強いイメージの会社ですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造も対応しています。
大東建託は従来から竣工後の管理に注力しており、若い入居者向けの先進的な管理を行っている会社です。学生向けや単身者向けのアパートを建てるならお勧めの会社と言えます。
大和ハウス工業は主に「D-room」というブランド名で賃貸アパートや賃貸マンションを展開しています。業界大手であり、施工実績や建物の品質、設備の充実度、デザイン性など、いずれも申し分ありません。
設備スペックが充実しており、入居者が気に入ってくれることが多いです。アパートだけでなく、店舗や老人ホーム等の事業系の土地活用にも強みがあります。
積水ハウスは「シャーメゾン」というブランド名で賃貸住宅経営を後押ししています。長らく業界トップクラスの実績を誇っており、施工実績や建物の品質、設備の充実度、デザイン性など、いずれもレベルが高いです。
積水ハウスは重量鉄骨も得意としており、重厚感や高級感のある建物を建てることできる点が特徴となっています。外観のデザイン性は、ほかのハウスメーカーと比較すると良い印象を受ける人も多いようです。
旭化成ホームズは「へーベルメゾン」というブランド名でアパート経営や土地活用をサポートしている会社です。軽量鉄骨造を得意としており、2階建てのアパートに強みがあります。最近では、重量鉄骨造で3、4階建てのアパートも展開しています。
積水化学工業は「セキスイハイム」のブランド名の一環でアパートを展開している会社です。ちなみに、積水化学工業のハウス事業部から積水ハウスが独立した経緯があります。
2階建てアパートや賃貸併用住宅など、比較的小規模な建物が得意な会社です。歴史がある会社のため、施工実績は十分にあります。
アパート経営成功の鍵を握る業者選び。たくさんの不動産会社が存在する中、大切なのは複数の業者の提案内容を比較することです。その際、インターネットで複数の企業に一括で問い合わせできるサービスを活用すると効率的です。「相続会議」の土地活用プラン一括請求サービスもあります。
活用したい土地の郵便番号を入力、または住所を選択し、必要事項を入力や選択するだけで手軽に土地活用プランを請求することができます。自分の土地に、どのような可能性があるのかを知れる良い機会となるでしょう。
(記事は2022年7月1日時点の情報に基づいています)