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1.会計上の赤字とキャッシュフローのマイナスの違い

アパート経営の赤字を語るには、「会計上の赤字」と「キャッシュフローのマイナス」の違いを意識することが必要です。

会計上の利益とは、確定申告の対象となる不動産所得のことです。
それに対して、キャッシュフローとは実際の手残りのことを指します。

会計上の利益である不動産所得は、以下の式で計算されます。

  • 不動産所得=収入金額-必要経費

収入金額が必要経費を下回っていれば、会計上の利益である不動産所得は赤字です。
ここで、不動産所得を計算する上で必要経費となるものは一般的には以下のような項目が挙げられます。

【アパート経営の主な必要経費】

  • 土地と建物の固定資産税および都市計画税
  • 建物の損害保険料
  • 公租公課
  • 軽微な修繕費(クロスの張り替え費用等)
  • 管理会社へ支払う管理委託料
  • 空室を埋めたときに生じる仲介手数料や広告宣伝費(AD)
  • 減価償却費
  • 借入金の利子

必要経費の中でポイントとなるのが、「減価償却費」と「借入金の利子」の2つです。

1つ目のポイントは「減価償却費」になります。
減価償却費は、建物の取得原価を各会計期間に費用として配分するために発生する会計上の費用のことです。

会計では、建物は古くなれば資産価値が落ちるという考え方を採用しています。
100万円の現金を毎年10万円ずつ費用で使ったら現金が毎年減っていきます。
一方で、100万円の価値のある建物を毎年10万円ずつ減少させようとすると、つじつま合わせとして10万円分の建物価値を減少させるための費用を計上する必要があります。

減価償却費は実際には支出を伴わない費用ですが、建物の資産価値を毎年減少さるという目的のために生じる手続き上の費用ということです。

減価償却費は支出を伴いませんが会計上の立派な費用であるため、減価償却費が生じることで利益(不動産所得)は小さくなります。
税金は利益に対して課税されるため、利益を小さくしてくれる減価償却費には節税効果があるのです。

2つ目のポイントは、「借入金の利子」です。
借入金は「利子」は必要経費になりますが、「元本返済額」は必要経費にはならないということになります。

理由としては、お金の貸し借りは会計上の損益ではないからです。
お金は借りても収入金額となって課税はされないため、返しても必要経費となって節税できないという理屈になります。

このように、アパート経営には、「支出を伴わないのに経費になる減価償却費」と「支出を伴うのに経費にならない借入金元本返済額」の2つが存在します。

通常、「減価償却費」と「借入金元本返済額」は一致しないので、「税引き後の利益」と「キャッシュフロー」は異なることが一般的です。

仮に「税引き後の利益」と「キャッシュフロー」を同額になるには、下図のように「減価償却費」と「借入金元本返済額」が同額になっている必要があります。

「税引き後の利益」と「キャッシュフロー」は異なることから、例えば借入金返済額がゼロ円の人であれば、利益が赤字でもキャッシュフローはプラスになることもあります。

一方で、借入金返済額が過大な人は、利益が黒字でもキャッシュフローがマイナスとなることもあります。

例えば、借入金返済額が減価償却費より大きいケースでは、会計上の赤字の金額以上にキャッシュフローのマイナスが生じることになります。

よって、キャッシュフローを考慮すると、アパート経営の赤字というのは由々しき問題といえるのです。

2.アパート経営は滅多に赤字にならない

健全なアパート経営をしている限り、アパート経営は滅多に会計上の赤字は発生しないことが一般的です。

アパート経営の最大の経費は減価償却費です。
減価償却費は家賃収入の40~50%程度の割合を占めます。

減価償却以外のその他の費用(固定資産税や保険料等)の合計額は、家賃収入の20~30%程度の割合を占めることが一般的です。

そのため、家賃収入から「減価償却費」と「その他の費用」を差し引くと、家賃収入の20~40%程度が利益(不動産所得)ということになります。

減価償却費を含めても家賃収入の30%前後が会計上の利益となるため、空室率が30%以上にならないと赤字には転落しません。

健全なアパート経営であれば空室率は5%程度であることから、アパート経営は滅多に赤字にはならないことになります。

3.健全なアパート経営でも赤字になるケース

この章では、健全なアパート経営でも赤字になるケースについて解説します。

3-1.初年度は赤字になりやすい

健全なアパート経営であっても、初年度は赤字になりやすいといえます。
理由としては、初年度は「運用期間が短いこともある」ためと、「初年度特有の経費が発生する」ためです。

確定申告は1月1日から12月31日までの所得を計算するため、例えば竣工が12月1日であれば1ヶ月しか家賃収入を得られないことになります。
初年度は収入が得られる月数が少なくなる可能性があるため、赤字になりやすいです。

また、竣工時は初年度特有の経費も発生します。
例えば、建物の不動産取得税や登録免許税は1年目のみ発生する経費です。
全戸の入居者を決めることから、初年度は仲介手数料も全戸数分発生します。

初年度は運用期間も短くなりやすく経費も多いことから、健全なアパート経営であっても赤字になりやすいのです。

3-2.外壁塗装を行った年

大規模修繕で外壁塗装を行った年は赤字になりやすいです。
通常、大規模修繕のような大掛かりな支出は全額その期には費用計上できず、一旦資産に計上されてから減価償却費として少しずつ費用化されていきます。

ただし、大規模修繕の中でも外壁塗装は1回で全額費用計上できることが認められています。
そのため、外壁塗装を行った年は必要経費が大きくなるため、赤字になることが多いです。

4.赤字になった年は確定申告で損益通算ができる

赤字になった年は確定申告で損益通算することができます。
損益通算とは、赤字となった所得を他の所得と合算して、課税対象となる所得を小さくできる手続きのことです。

アパート経営で得られる不動産所得は、他の所得と合算して税率が決まる総合課税方式が採用されています。

例えば、給与所得が1,000万円の人が不動産所得で▲300万円の赤字を出した場合、損益通算によってその年の所得を700万円にすることができます。

サラリーマンであれば1,000万円の所得を前提に会社が源泉徴収していますので、税金を払い過ぎていたということになり、損益通算によって税金の還付を受けられることになります。

健全なアパート経営であれば赤字は滅多に発生しないため、損益通算による所得税の節税は副次的なメリットといえます。

まとめ

以上、アパート経営の赤字について解説してきました。
会計上の赤字とキャッシュフローのマイナスは異なります。

アパート経営では基本的に赤字にはなりくいですが、初年度や外壁塗装を行った年は赤字になることがあります。

赤字になった場合には、確定申告で損益通算の手続きを行って所得税の節税に役立てるのがいいでしょう。

(記事は2021年12月1日時点の情報に基づいています。)