未成年者が口座開設、運用益は非課税に

ジュニアNISAは、未成年者が口座を開設して株式などに投資する制度です。通常、配当や譲渡益には20.315%が課税されますが、ジュニアNISAでは利益が非課税、というメリットがあります。

口座を開設するのは未成年ですが、親権者や祖父母(2等親以内の親族)らが代理で運用管理者になることができ、相続税対策にも利用できます。まずは制度の内容から見ていきましょう。

ジュニアNISAの口座を開設できるのは、0~19歳(口座開設する年の1月1日時点)。投資できるのは上場株式、ETF(上場投資信託)、上場REIT(不動産投資信託)、株式投資信託になります。投資額の上限は年間80万円です。ただし投資できる期間は23年までで、20年にはじめると最高320万円までとなります。

投資したお金は、口座開設者が3月末時点で18歳である年の前年の年末まで原則、引き出すことができず、引き出せば利益非課税のメリットがなくなる、という制限があります(災害などやむを得ない場合を除く)。

しかし19年末に発表された税制改正大綱では、24年から払出し制限を撤廃する案が盛り込まれました。全額を払い出すことになるのか、一部だけ払い出すことも可能かなど、詳細は明らかではありませんが、制限がなくなれば、資金を中学や高校の教育費に使うこともできます。

預貯金より資産が増える可能性も

ジュニアNISAにお金を出すことも子や孫への贈与にあたりますが、贈与税には元々、贈与された人1人あたり年間110万円までの非課税枠があります。その枠を利用すれば、贈与税の負担なく、生前贈与できます。また、ジュニアNISAは株式や株式投資信託に投資するため、元本が目減りするリスクがある一方、預貯金より増える可能性もあります。

つまり、ジュニアNISAでは贈与税なしで生前贈与ができるうえ、運用次第では資産の増加が期待でき、さらに利益には税金がかからない、というわけです。

生前贈与をすることで、全体の相続財産を減らすことができ、相続税の負担軽減にも繋がります。

資産目減りのリスクに注意

注意したいのは、ジュニアNISAを使って生前贈与をすると、年110万円の基礎控除の枠はその分減る、ということです。基礎控除110万円とは別に80万円の非課税枠があるわけではないので、要注意です。

また、贈与の事実が客観的に証明できるよう、贈与する人からジュニアNISAの口座に直接資金を振込み、預金通帳に履歴を残しておくことが重要です。

さらに、いつ、いくら贈与したかを記した贈与契約書を作成しておくのが賢明です。未成年者は、原則として単独で法律行為を行うことができないので、贈与契約書に法定代理人(親権者など)の署名・押印が必要です。

なお、ジュニアNISAが開けるのは、1人につき1口座です。証券会社や銀行で開くことができますが、金融機関の変更はできませんから、取扱商品や手数料、利便性などから選択するといいでしょう。

投資であるため、株価などの値下がりによって資産が目減りするリスクがあることも念頭においてください。

23年以降も非課税メリットは継続

前述のとおり、ジュニアNISAの新規口座開設は23年に終了します。制度終了後が気になりますが、終了までに20歳になる場合は、「一般NISA」(20歳以上を対象とした非課税の口座)に資産を移せます。また制度終了までに20歳にならない場合も、20歳まで非課税のまま保有することができます。

一定の手続きが必要ですから、詳細については、口座開設の際に金融機関に確認してください。

元気なうちに資産を遺す手段に

2020年にジュニアNISAを始めた場合、投資できるのは、孫1人につき最高320万円です。孫が3人なら1000万円近く、相続財産を減らすことができます。「資産の一部を孫に遺したい」という想いがある場合、元気なうちに、確実にかなえられるのも利点といえるでしょう。

若い世代には積立投資などで資産形成する重要性が高まっています。ジュニアNISAを使った投資で、孫に投資を経験させる、実感させる、という意義も大きいと思います。

長男には子どもが2人、次男には子どもがいない、といったケースでは、不公平にならないような配慮をしたうえで、ジュニアNISAを使った生前贈与を相続税対策の選択肢に加えてみてください。

(記事は2020年2月1日時点の情報に基づいています)