1.賃貸物件の管理の種類

賃貸物件の管理の種類について解説します。

1-1.サブリース

サブリースとは転貸による管理方式です。
賃貸部分を一旦全てサブリース会社 (管理会社)に貸し出し、管理会社が各入居者に対して転貸する管理方式となります。
いわゆる「家賃保証」または「空室保証」と呼ばれる管理方式は、サブリースに該当します。

家賃保証型サブリースの場合、空室が発生してもサブリース会社から振り込まれる賃料が固定となる点がメリットです。

建物所有者にとって借主はサブリース会社のみとなるため、実質的に建物所有者の管理業務はほとんど発生しない点もメリットとなります。

それに対して、家賃保証型サブリースは収益性が低い点がデメリットです。
満室想定賃料から10~20%程度の管理料を差し引いた賃料がサブリース会社から建物所有者へ振り込まれます。

また、空室も完全に保証されるわけではなく、転貸部分の空室が増えたらサブリース会社から賃料減額要請があり、結局は家賃が下がる点がデメリットです。

サブリースは空室リスクを直接負っていないだけであり、間接的には空室リスクを負っています。

尚、住宅ローンを利用するタイプの賃貸併用住宅では、銀行が融資をする際、サブリースを条件とすることが多いです。

住宅ローンを利用するタイプの賃貸併用住宅とは、一般的に自宅部分を50%以上とする賃貸併用住宅のことを指します。

そのため、銀行がサブリースを条件としている場合には、建物所有者はサブリースを選択せざるを得ないこととなります。

一方で、賃貸併用住宅の中にはアパートローンを利用するタイプのものもあります。
アパートローンを利用するタイプの賃貸併用住宅とは、一般的に自宅部分が50%未満となる賃貸併用住宅のことです。

アパートローンを利用する場合には、特に管理方式に制限を設けられないことが一般的であることから、サブリース以外の管理方式も選択することができます。

1-2.管理委託

管理委託とは、管理会社に管理を委託契約する管理方式です。
建物所有者は管理会社と管理の委託契約を締結し、また各入居者と直接賃貸借契約を締結します。
従来からある一般的なアパートの管理方式は、管理委託です。

管理委託はサブリースよりも収益性が高いという点がメリットです。
管理委託料の相場は家賃収入の5%となります。
管理委託料は、通常、借主がいる部屋しか発生しないため、空室部分の管理委託料は徴収されないことが一般的です。

それに対して、管理委託は直接空室リスクを負う点がデメリットです。
入居者と直接賃貸借契約を締結していることから、空室が発生すれば、その分、賃料収入が減ります。

1-3.自主管理

自主管理とは、その名の通り自分で管理を行う管理方式です。
昔は、ほとんどの大家さんが自主管理をしていたため、自主管理は決して珍しいものではなく、また難しいものでもありません。

今でも自宅近くでアパートを持っている方の中には、自主管理を行っている大家さんはたくさんいます。

自主管理のメリットは、管理費用が発生しないため、収益性が管理委託よりも高くなるという点です。

それに対して、デメリットは、手間がかかるという点になります。
また、管理委託と同様に、空室リスクを直接負う点もデメリットです。

自主管理は、物件が近くにあり、かつ、戸数が少ない場合に適しています。
そのため、自宅とアパートが同じ建物であり、かつ、戸数もそれほど多くない賃貸併用住宅は自主管理に最も適した物件といえます。

ただし、銀行がサブリースを融資の条件としている場合には、賃貸併用住宅で自主管理は選択できないことになります。

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2.自主管理をしたときの管理業務の内容

この章では自主管理をしたときの管理業務の内容について解説します。

2-1.日常的な管理業務

日常的な管理業務は以下のようなものになります。

  • 家賃の入金確認
  • 入居者からのクレーム対応
  • 賃料の督促
  • 更新手続き
  • 退去時の原状確認
  • 軽微な修繕対応

日常的な管理の主な仕事は「家賃の入金確認」です。
今どきはほとんどが家賃は振込であるため、月末にきちんと家賃が振り込まれているかを確認すること主な仕事です。

自主管理では、入居者からのクレーム対応も建物所有者が自ら行います。
「お湯が出ない」、「空調が壊れた」等のトラブルが発生したら、対応することが必要です。

滅多にない管理業務ですが、家賃を滞納するような入居者が入ってしまった場合、督促業務も行います。
督促業務は法律知識も必要となるため、弁護士等に相談することが適切です。

入居者が契約を更新する場合には、更新の覚書を締結する等の更新手続きも行います。
賃貸借契約に適正額の範囲で更新料を取ることが明記されていれば、更新料も徴収することが可能です。

入居者が退去したときは、原状確認を行います。
原状回復は全てを借主に負担させることはできず、経年劣化や自然損耗の部分は貸主の費用負担で修繕することが必要です。

昨今は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が業界標準となっていますので、自主管理をするのであれば一度ガイドラインに目を通しておくことをおすすめします。

また、クロスの張り替えやエアコン等の設備の故障対応等の軽微な修繕対応も管理業務の一つです。

2-2.入居者募集業務

入居者募集については、自主管理でも空室が発生したら不動産会社に依頼することが通常です。

自主管理の場合、複数の不動産会社に入居者募集を依頼できるというメリットがあります。

仲介手数料(家賃の1ヶ月分)は、成功報酬であるため、借主を決めてくれた不動産会社だけに支払います。

空室を早期に埋めたい場合には、仲介手数料の他にAD(広告宣伝費)を支払うこともあります。

ADとは優先的に自分の物件に入居者を回してもらうために、不動産会社に対して支払う動機付けを目的とした費用のことです。

自主管理で日常的な管理業務を増やさないためには、トラブルメーカーを入居させないことがポイントとなります。

そのためには、不動産会社に入居審査をしっかりと行ってもらい、適切な入居者を入れるようにしましょう。

3.賃貸併用住宅で管理業務を選択する際の注意点

賃貸併用住宅で管理業務を選択する際の注意点について解説します。

3-1.銀行に融資条件を確認する

住宅ローンを利用する賃貸併用住宅の場合、銀行がサブリースを融資の条件とする場合があるため、自由に管理方式を選べるかについて、事前に銀行に確認することが注意点です。

自主管理や管理委託を選択したい場合には、サブリースを条件としない銀行を探す必要があります。

もしくは、住宅ローンを利用しない賃貸併用住宅のプランに変更することも選択の一つです。

3-2.戸数が多ければ無理に自主管理を選択しない

戸数が多いと確率的にトラブルが増えることから、管理の難易度が上がります。
よって、戸数が多い場合は、無理に自主管理を選択しないことも注意点です。

マンションの1室を自宅にするような賃貸併用住宅の場合、戸数が多くなりがちなため、管理委託またはサブリースを選択することをおすすめします。

まとめ

以上、賃貸併用住宅の管理業務について解説してきました。
賃貸物件の管理方式には、大きく分けて「サブリース」と「管理委託」、「自主管理」の3つです。

自主管理をしたときの管理業務は、「日常的な管理業務」と「入居者募集業務」の2つに分かれます。

賃貸併用住宅で管理業務を選択する際は、「銀行に融資条件を確認する」や「戸数が多ければ無理に自主管理を選択しない」等の条件がありました。
賃貸併用住宅の管理業務の概要がわかったら、自分に合った管理方式を選択しましょう。

(記事は2022年4月1日時点の情報に基づいています。)