高額だから、しっかり把握 相続税の建物評価額を確認
土地や建物といった不動産は、相続財産の中でも特に大きな金額になりがちです。また、「現金や預金は残高がはっきりしているけれど、不動産の価値はどうやって見積もればよいのか、よくわからない」という人も多いと思います。そこで今回は、相続する建物の評価額の確認方法について解説していきます。
土地や建物といった不動産は、相続財産の中でも特に大きな金額になりがちです。また、「現金や預金は残高がはっきりしているけれど、不動産の価値はどうやって見積もればよいのか、よくわからない」という人も多いと思います。そこで今回は、相続する建物の評価額の確認方法について解説していきます。
「相続会議」の税理士検索サービスで
不動産の相続税を計算する際、一般的には国税庁の推奨するルールをもとに評価した価額が使用されます。建物の評価の手順は、以下の流れです。
1.相続財産になる建物の把握
2.把握した建物の具体的な資料の確認と、現状の利用方法(賃貸など)や権利関係の確認
3.現地調査
4.評価額の計算
対象の建物を特定した後に状況や権利関係を資料で把握。現地で建物の実際の状況を確認した上で評価額を計算する流れです。
まず、亡くなった人が、所有していた建物を把握するには、固定資産税の納税通知書(納付書)を見るのが一般的です。
固定資産税は、毎年1月1日時点での土地・建物などの所有者に対して、その資産の価値をもとに課税されます。一般的には毎年4月~6月ごろに、不動産が所在する市町村などの役所から固定資産税の納税通知書(納付書)が届きます。
この固定資産税の納付書には、「課税明細書」という明細書が一緒についています。これを確認することで、亡くなった人が所有している不動産を市区町村別に個別に把握することができます。
なお、ほかの人と共有する不動産は、共有者それぞれに課税明細書が送られてくるケースと代表者に送られてくるケースがあるため、個別に確認する必要があります。また、固定資産税の課税明細書はその年の1月1日時点での登記情報に基づくため、それ以後に売却・取得などがある場合も、個別に確認してください。
固定資産税の納付書などで、どの建物が相続財産となっているのか、その建物がどこにあって、どのくらいの広さがあるのかといったことが把握できたら、次は具体的な資料を集めます。
資料は、基本となる謄本(登記事項証明書)・住宅地図といったものです。建物を賃貸に利用している場合は、賃貸契約書を確認してください。
資料で調べた内容をもとに現地を確認すると、建物に固定資産税が付されていない増改築があったり、逆に、すでに建物が無くなっていたりする場合もあるため注意が必要です。いずれにしても、相続時の現状を確認し、写真などで証拠を残しておくことが重要です。
資料や現地確認で建物の状況を把握したら、建物の評価額を計算します。建物の評価額は、固定資産税評価額が基本となります。固定資産税評価額は、最初に対象となる建物を特定するために使用した、固定資産税の課税明細書に記載されています。
この固定資産税評価額を基準に、亡くなった人自身が建物を使用していた場合は、固定資産税評価額と同額になります。賃貸されている場合は権利関係に応じて、借家権割合や賃貸割合を考慮して評価額を計算します。その計算式は、以下の通りです。
・亡くなった方が利用していた場合 固定資産税評価額×1.0
・賃貸の場合 固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
全国47都道府県対応
相続の相談が出来る税理士を探す建物は土地に次いで評価額が大きくなりがちな財産です。いざという時、立地場所や使用状況、権利関係も把握しておけるように、固定資産税の納税通知書や契約書といった基礎資料を整理・保管しておくことが大切です。
(記事は2020年2月1日現在の情報に基づくものです)