目次

  1. 1. 初心者が知っておきたいアパート経営のメリットとは
    1. 1-1. 安定収入が期待できる
    2. 1-2. 手間がかからず副業にも向いている
    3. 1-3. 「もともと土地がある」強みを生かせる
    4. 1-4. アパート経営には税金上のメリットがある
    5. 1-5. 「良質な資産」を家族に残すことができる
  2. 2. アパート経営に失敗するのはどのようなケース?
    1. 2-1. 必要な自己資金がない、過剰な借り入れをする
    2. 2-2. 収益性のみを重視、市場ニーズにマッチしないプラン
    3. 2-3. リスクを想定しない甘いシミュレーション
  3. 3. アパート経営に初心者が成功するための10の心得
    1. 3-1. アパート経営の目的をしっかりと意識する
    2. 3-2. 立地が良ければ前向きに検討を
    3. 3-3. 市場調査をしっかりと行う
    4. 3-4. 市場ニーズにマッチした競争力の高い物件を提供する
    5. 3-5. 無理のない資金計画をたてる
    6. 3-6. 空室リスクの対策をとる
    7. 3-7. 老朽化に備える
    8. 3-8. 災害リスクの把握と対応
    9. 3-9. 情報収集を積極的に行う
    10. 3-10. 信頼できるサポートチームを組む
  4. 4. まとめ

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アパート経営の経験がなくても、アパートについて漠然としたイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。家賃収入が得られる、手間がかからないといったプラスのイメージがある一方、入居者が入らない、修繕費がかかるなど、マイナスのイメージがあるかもしれません。相続した実家をアパートに建て替えることを考えたとき、アパート経営の経験がない人のなかには、果たしてうまくいくのだろうかと不安に感じる人もいると思います。

それでも実際には、多くの人がアパート経営に成功しています。

まずは実家をアパートに建て替えた場合、どのようなメリットがあるかを確認しましょう。

たとえば相続した実家がアパートに向いている立地にあれば、長期にわたり安定収入が期待できます。アパートに向いている立地とは、現在はもちろん将来にわたり高い入居需要が見込まれるエリアのことです。このような立地では、アパート経営が副収入や老後の自分年金の確保に役立ちます。

アパート経営は、手間ひまがほとんどかからないため、会社員のようにほかに仕事を持っている人でも始めやすいのが特徴です。不動産会社に管理を任せれば、毎月の家賃の集金から修理の手配、入居者からのクレーム対応まで、煩雑な業務を代行してくれます。そのためアパート経営は副業にも向いていると言えます。

実家をアパートに建て替える最大の強みは、はじめから相続した土地を持っていることです。土地を持っていない人がアパート経営を始める場合は、土地も含めて物件を購入しなければなりません。このようにゼロから収益物件を取得する「不動産投資」に対して、実家の土地を活用できる「不動産活用」では土地を購入する必要がないので、不動産投資と比べて収支上有利なアパート経営が可能です。

アパート経営には以下のように、所得税、固定資産税、相続税など、さまざまな税金上のメリットもあります。

①所得税と住民税の節税効果
アパートの所得は「不動産所得」に分類され、次の式で計算します。

不動産所得=収入(家賃、更新料など)-必要経費

収入よりも必要経費が多ければ不動産所得はマイナス(赤字)になります。不動産所得は給与所得などほかの所得と損益通算ができるため、不動産所得のマイナス分をほかの所得から差し引くことにより所得税と住民税が安くなります。

不動産所得の経費には次のようなものがあります。固定資産税、都市計画税、火災保険料、地震保険料、設備の修理・交換、リフォーム費用をはじめ、必要経費は少なくありません。「青色申告特別控除」は、実際の支出ではありませんが必要経費として差し引くことができる青色申告の特典です。

アパート経営の主な必要経費(特例税率)

経営開始当初は不動産所得がマイナスになりやすいものの、年数が経つとプラスに転じやすくなり、税金がかえって増えてしまうケースもあるので注意が必要です。

②土地の固定資産税などの軽減
実家の土地が200㎡(約60坪)を超える場合は、固定資産税と都市計画税の節税効果が期待できます。

ここでは固定資産税について解説をしますが、固定資産税は次の算式で求められます。

課税標準額(固定資産課税台帳に登録された評価額)×標準税率1.4%

住宅用地は、住宅1戸につき200㎡までの部分が「小規模住宅用地」として、固定資産税を計算する際の基準となる「課税標準」が6分の1に軽減されます。しかし、200㎡を超える部分は「一般住宅用地」となり、小規模住宅用地よりも課税標準の軽減幅が小さく3分の1になります。

実家が一戸建ての場合、敷地面積が200㎡を超えていても、全体のうち200㎡までしか6分の1に軽減されません。しかし、仮に4戸のアパートに建て替えると「200㎡×4戸=800㎡」まで小規模住宅用地の適用が受けられ、6分の1への軽減が受けられます。

固定資産税と都市計画税の課税標準額の求め方

③相続税の節税効果
アパートを建築すると、土地建物の評価減と債務控除などにより相続財産の評価額が圧縮できるため、相続税がかかる家庭の場合は、節税効果があります。

アパートの敷地は、相続税の計算上「貸家建付地」と言い、実家のままの敷地よりも2割前後評価額が下がります。また建物も「貸家」として最大30%評価額が低くなります。

さらに相続時のローンの借入残高は債務控除として相続財産から差し引くことができます。

先祖代々の土地を受け継ぎ、さらに家族に引き継ぎたいと思っていても、コストがかかるだけの「負動産」を残してしまうと、かえって家族に迷惑がかかります。

アパートは、安定収入を得ることができる良質な資産と言えます。これからの時代は要らない資産ではなく、喜ばれる資産を残すことが大切です。

残念ながらアパート経営がうまくいっていない人にはいくつかの特徴があります。どのようなケースが失敗かをあらかじめ知っておけば、初心者でもアパート経営を成功させる確率が高まります。

アパート建築の際にローンを借りすぎると、少しの空室発生や家賃の下落によってローンが返済できなくなるリスクが高まります。リスクを下げるためには、自己資金を増やしてローン返済を減らさなければなりません。

アパート経営の初心者が建築会社に勧められるまま、収益性が高いという理由で単身者に人気がない立地にワンルームのアパートを建てたところ、部屋が埋まらなかったというケースがあります。

同じ敷地でも1戸あたりの面積が小さいワンルームのほうがファミリータイプの間取りよりも多くの戸数がかせげるため収益性は良さそうに見えますが、実際に建てても入居者がいなければ「絵に描いた餅」になってしまいます。

立地と対応プランの例

立地や環境​​やターゲットを無視して収益性だけで判断してしまうと、需要にマッチしないプランを選択してしまうおそれがあります。

アパート経営を行うかどうかを判断するために、通常は「シミュレーション」を作成し、収益性や安全性を確認します。

ところがシミュレーションのなかには、建築会社がアパート建築を勧めやすいように甘い予測で作成されたものもあります。たとえば、相場よりも割高な家賃を設定していた、空室率や家賃下落率をほとんど考慮していなかった、適切な修繕費の引当てをしていなかったなどです。

入力する数値が甘いと、シミュレーション上は収益性が高く魅力的な計画に見えますが、現実とはかけ離れているため、あとでこんなはずではなかったと後悔することになります。家賃が高く設定されていないか、空室率、家賃の下落率、金利の上昇、修繕費などを適切に計算に入れ込んでいるかを確認しなければなりません。自分で判断できない場合は不動産に強いファイナンシャル・プランナーなどに相談しましょう。

どの投資にも目的がありますが、一般的にアパート経営は次のような目的で行います。

  • アパートの家賃で生活を楽しみたい
  • 副収入を得たい
  • 将来の自分年金にしたい
  • 節税対策をしたい
  • 親から引き継いだ財産を守りたい

目的が一つの人もいれば、複数の人もいるでしょう。まずはどのような目的でアパート経営を行うのかを明確にし、目的がアパート経営によってかなえられるかをしっかりと確認しましょう。

目的のないアパート経営、目的が達成できないアパート経営は、かえってリスクを背負うだけです。

相続した実家をただ保有し続けているだけでは、税金や維持管理のコストもかかり続けます。

しかし、実家をアパートに建て替えて上手に活用できれば、税金も家賃収入から支払うことができ、維持管理の負担も軽減できます。アパート経営に適した土地であれば、前向きに検討してみるのもよいでしょう。

ただし、実家の立地が駅から離れている、生活するのに便利ではない、周辺の人口が少ないなどアパート経営に向いていない場合、アパート経営はお勧めできません。

アパート経営に関心があり、そのために実家を手放しても良ければ、実家を売却して別の場所に買い替えてアパート経営を始めるという方法もあります。その場合もアパート経営に適した立地選びをすることが大前提であることは言うまでもありません。

市場調査は、一般的に不動産会社や建築会社に依頼をします。特にアパート建築の実績が多い建築会社は豊富な市場データを持っているため、詳細の資料を作成してくれます。

ただし、それだけではなく、自分の目と足を使って周辺の物件状況や環境などを調べてみることも大切です。近所の不動産会社に直接聞いたり、実際に歩いたりして、周辺の賃貸住宅に空室が目立っていないかなどを確認するとよいでしょう。

市場にマッチしたプランは必須ですが、競争力の高い物件づくりも重要です。

通常、入居者がアパート選びをする際には、一つの物件だけを見て部屋を決めるのではなく、複数の候補の中から最も気に入った部屋を選びます。そのため、魅力のある設備や仕様を取り入れ、ほかのアパートとの競争に勝たなければなりません。

たとえば、無料インターネットは以前から必須アイテムですが、最近ではさらに「高速インターネット」の希望が増えています。またコロナ禍の「おうち時間」の増加により、宅配ボックス、遮音性の高い窓、ペット飼育可などの要望が高まっています。

女性の入居者には、オートロックや防犯カメラ、警備会社サービスなど防犯性の高い物件が人気です。このように入居者のニーズを把握し、選ばれる物件づくりをすることが成功につながります。

アパートの建築では、多くの場合アパートローンを利用しますが、ある程度の空室や賃料下落があっても赤字に陥らないように、返済に余裕を持たせておく必要があります。

家賃収入に対する返済額の割合を返済率といいますが、シミュレーションを確認したときに返済率が満室時の家賃収入を100%とした場合の50%以下、つまり返済額が家賃の半分以下に収まっていれば安心と言えます。

返済比率50%時のアパート経営の収支状況

併せてシミュレーション自体が甘い予測を基に作成されていないかもチェックしましょう。一般的にアパート経営の初心者はシミュレーションを見慣れていないため、適切かどうかの判断ができないケースもあります。そのような場合には、不動産に強いファイナンシャル・プランナーや不動産コンサルタントに相談することをお勧めします。

アパート経営に大きな影響を与える空室率ですが、空室リスクに対しては、前述のとおり、競争力の強い物件を提供することが最も効果的です。

ただ、そうはいってもやはり空室は心配です。そのような場合、サブリースが空室対策として有効な方法になります。

サブリースとは、サブリース会社(一般的には不動産会社)がアパートの全室を一括して借り上げ、各部屋を入居者に転貸するシステムです。実際の入居の有無にかかわらずアパートオーナーには毎月一定額の賃料が支払われるため、空室が心配なアパートオーナーにとっては安心です。

ただし、サブリース契約をめぐってトラブルになっているケースもあります。サブリースはあくまでも転貸の仕組みであり、一定の家賃をずっと保証してくれるわけではありません。定期的な賃料の見直し、退室時の免責期間など注意すべき点もあるので、契約内容をしっかりと理解したうえでサブリースのメリットを生かしましょう。長い実績があり信頼のおけるサブリース会社を選ぶことがポイントです。

新築のアパートは建物も設備も新しくきれいですが、年数が経つにしたがい老朽化が進み、内外装が古ぼけてきたり設備が故障したりと、さまざまな不具合が生じてきます。

その場合、修理、リフォーム、リノベーションをして対応しますが、一時的に大きな出費にならないように修繕費を確保しておく必要があります。修繕費は、毎月の家賃収入から一定額を積み立ててプールしておく方法が一般的です。

家賃のすべてが利益になるのではなく、そのうちの一部は修繕費として使うものとあらかじめ認識しておきましょう。

近年は全国各地で大規模な自然災害が多発しており、アパートなどの賃貸住宅が被害を受けているケースもあります。

賃貸契約においても、2020年から水害ハザードマップの説明が法律で義務づけられました。入居者も洪水や土砂災害などの危険があるエリアを避ける傾向にあります。

そのため、まずはハザードマップで実家の立地が災害リスクの高いエリアにあるかどうかを確認しましょう。もしも災害リスクの高いエリア内にある場合は、無理にアパート建築はせずに、安全なエリアへの買い換えなどほかの方法も検討しましょう。

アパート経営にはさまざまなノウハウが必要です。またそれらのノウハウは社会や経済情勢の変化や法律改正などに伴い、大きく変わることもあります。

アパート経営のノウハウを身につけるためには、新しく有益な情報を得て生かすことが必要です。新聞やニュースはもちろん、近年はインターネットで多くの情報を得ることができ、賃貸経営に関するセミナーも数多く開催されています。アパート経営者としての意識を持ち、常に情報収集を積極的に行うことが成功へつながります。

アパート経営は一人ではできません。計画段階から実際の経営管理まで、長期に渡り多くの会社や専門家が関わります。

信頼できる建築会社や不動産会社、税理士や弁護士などの専門家、金融機関とチームを組むことで、日常のアドバイスから困ったときの相談まで、常にサポートをしてくれます。より安心なアパート経営のためにも、会社選び、スタッフ選びは慎重に行いましょう。

実は、アパート経営に関しては、ベテランも初心者もデメリットやリスクは同じです。ベテランでもアパート経営の基本を逸脱して失敗している人もいますし、初心者でも基本を理解し成功している人はたくさんいます。

成功するかしないかは、アパート経営の基本を守り、適切に行動しているかどうかで決まります。たとえば実家の相続をアパート経営につなげたいのなら、基本をしっかり押さえながら、もともと土地があるといったメリットなどを最大限に生かしてください。

今回の記事で、初心者の心得を習得した後は、行動に移してみましょう。まずは信頼できる業者探しです。複数の企業に一括で問い合わせできるサービスを利用すると便利です。「相続会議」の土地活用プラン一括請求サービスもありますので、活用してみるとよいでしょう。

(記事は2022年8月1日時点の情報に基づいています)