目次

  1. 1. 実家をアパートに建て替える「強み」とは?
  2. 2. アパート経営で失敗は許されない
  3. 3. アパート経営の成功とは? 基準は「長期にわたる収支プラス」
  4. 4. アパート経営を成功させる7つのポイント
    1. 4-1. アパート経営に向いている立地かを調査する
    2. 4-2. 市場にマッチしたプランを提供する
    3. 4-3. 競争力の高い設備やサービスを取り入れる
    4. 4-4. 無理のない資金計画を立てる 返済比率を50%以下に
    5. 4-5. 現実的な事業シミュレーションで判断する
    6. 4-6. 安心できるパートナーと組む
    7. 4-7. 管理会社にもこだわる
  5. 5. アパート経営に成功する人はどのような人?
    1. 5-1. 属性が高い人は金利優遇の可能性
    2. 5-2. 自己資金が多い人は安全経営に
    3. 5-3. 管理会社とのコミュニケーション力が高い人
    4. 5-4. サブリースを上手に使っている人
    5. 5-5. 経営者としての自覚を持っている人
  6. 6. まとめ

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実家をアパートに建て替える最大の強みは、「もともと土地があること」です。

一般的に、アパート経営の手法には、不動産活用と不動産投資があります。不動産活用は、もともと持っている不動産を有効活用するので土地を購入する必要がありません。一方の不動産投資は、アパート1棟やマンションの1部屋などを購入することで、物件価格には土地の価格も含まれています。

つまり「土地あり」が不動産活用、「土地から」が不動産投資ということになります。実家をアパートへ建て替えることは「土地あり」ですから、不動産投資と比べて土地を購入する必要がないぶん、収益を上げやすい有利な手法です。

実家の不動産活用には強みがあるといっても、必ずアパート経営が成功するとは限りません。

アパートを建築するためには多額の事業資金が必要です。多くの人は事業資金を調達するためにアパートローンを借入し、家賃収入からローンを返済します。しかし、空室ばかりのアパートではローンの返済もできなくなり、最悪の場合アパートを手放さざるを得なくなります。そうなると、実家を手放さないために始めたアパート経営がかえってあだになってしまいます。そのため、アパート経営では失敗は許されません。

当然、アパート経営もほかの事業や投資と同じようにリスクとリターンがあります。アパートのリターンは家賃収入ですが、リスクには、空室リスク、賃料下落リスク、借入金利上昇リスク、災害リスク、事故リスク、入居者トラブルなどさまざまなものがあります。これらのリスクを抑え、リターンを最大に高めることがアパート経営の成功につながります。アパート経営を円滑に進めるため、下記のようなリスクが伴うことを認識しておきましょう。

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失敗が許されないアパート経営ですが、その成功率はどれくらいなのでしょうか。

アパートの成功とは、目的にもよりますが一般的には「毎年および累計の収支がプラスになること」を言います。アパート経営の目的が、副収入や老後の自分年金確保の場合、毎月の収支が数万円でも常にプラスになれば目的の達成に寄与するので、そのアパート経営は成功と言えます。

反対にマイナスが続くと、預貯金などを取り崩して赤字を埋めなければならなくなります。それでは副収入どころではなくなり、そもそもアパート経営を始める意味がありません。そのため、毎年はもちろん、長期にわたる収支がプラスであることは非常に重要です。

「毎年および累計の収支がプラスになること」という基準で判断すれば、実際のアパート経営の成功率は非常に高いと言ってよいでしょう。特に実家の活用が持つ土地の取得費がかからないアドバンテージは、さらに成功への後押しをします。

ただし、アパート経営を確実に成功させるためには前提条件があります。それは、実行に際し、次に解説する「アパート経営を成功させる7つのポイント」をきちんと押さえておくことです。いずれのポイントも基本的で簡単なことですが、アパート経営に失敗している人の多くは、その簡単な基本を守れていません。

7つのポイントを理解し実践することを前提とすれば、アパート経営はローリスクの資産活用になります。

アパートのリスクを抑えるためには、次の7つのポイントを押さえながら、しっかりとした事業計画をつくり検討することが大切です。

実家をアパートに建て替えてもアパート経営に向かない立地だった場合、入居者が入らず赤字になってしまう心配があります。

そのため、まず初めに行うのは、実家が賃貸市場として成り立つ立地かどうかを調査することです。一般的には、アパート建築の実績が多く、豊富な市場データを持っているハウスメーカーや建築会社(以下、建築会社)に市場調査を依頼します。

同時に大切なのは、自分の足と目を使って調べてみることです。

近所の不動産会社に直接聞いてみたり、実際に歩いてみたりして、周辺の賃貸住宅に空室が目立っていないか、入居者にとって住みやすい利便性や住環境があるかなどを確認します。その際には、自分が入居者になった目線で見ることがポイントです。

立地によって人気のある間取りも異なります。都心への通勤が便利な立地であればシングルやカップルの会社員、近くに大学があれば大学生、子育て環境が整っている住宅地であればファミリーの入居ニーズがあります。

たとえば単身者ニーズのない立地にワンルームタイプを建てても入居者は入ってくれません。それぞれの入居者ニーズに合ったプランを選択することが重要です。

また、いくらニーズがあっても、過当競争になっていないかの確認も必要です。大学近くの立地であるなら、確かにワンルームタイプのニーズは高まりますが、それを越えるほどのワンルームのアパートが供給されている場合、競争が激しくなります。

通常、入居者がアパート選びをする際には、一つの物件だけを見て部屋を決めるのではなく、複数の候補の中から最も気に入った部屋を選びます。そのためには入居者のニーズを把握し、人気のある設備や仕様を取り入れて、ほかのアパートとの競争に勝たなければなりません。

たとえば、働き方改革や新しい生活様式が広がっている現在では、無料インターネットとともに在宅ワークのスペースがあることが強いアピールポイントになります。また、女性の入居者には、オートロックや防犯カメラ、警備会社サービスなど防犯性の高い物件が人気です。

ほかにも宅配ボックス、ペット共生、ホテルライクなどデザイン性が優れた物件も人気があります。他物件との差別化を図り、入居者に選んでもらえる物件づくりが成功につながります。

実家をアパートに建て替える場合、土地の購入費用がかからないぶん、こうした設備に費用をかけることができます。

事業計画で大切なことは、ある程度の空室や賃料の下落などがあっても赤字に陥らないように、返済計画に余裕を持たせておくということです。

通常、アパートのような高額な建物の建築には自己資金だけでは足りないため、多くの場合アパートローンを借り入れます。借入は家賃収入の中から返済するため、安全なアパート経営のためには返済比率を確認します。

具体的には、ローン返済額が満室時の家賃収入の50%以下に収まっているかをチェックします。アパート経営には、ローン返済以外に、管理費、修繕費、税金、保険料などの諸経費が家賃収入の20%ほどかかるため、家賃収入からローン返済の50%と諸経費の20%を差し引いた残り約30%が手取り額になります。ということは、返済比率が50%以下であれば入居率が70%程度まで下がっても赤字になることはほとんどありません。

返済比率50%時のアパート経営の収支状況

反対に返済比率が高い計画では、少しの空室や賃料下落が発生しただけでも赤字に陥ってしまう危険があります。

事業計画を立ててみて、もしも返済比率が50%を超えてしまう場合には、自己資金を増やして返済比率を下げるか、万が一の際にリスクへの対応が十分可能かを検証します。返済比率が高く、リスク対応も難しい場合には、無理にアパートを建築しないという判断も必要です。

通常は建築会社が作成したシミュレーションを見てアパートの建築を判断しますが、その際にも注意が必要です。シミュレーション上は安全な計画に見えても、入力するデータが適切でなければ意味がありません。

家賃を高く設定していないか、空室率、家賃の下落率、金利の上昇、修繕費などを適切に見込んでいるかをチェックしましょう。自分で判断できない場合は不動産に強いファイナンシャル・プランナーなどに相談するのも手です。

アパート経営には、さまざまなノウハウが必要です。そのため、アパート建築をする際にはどの建築会社をパートナーとして選ぶかということも大切です。

アパートを数多く手がけている信頼のおける建築会社は、市場調査、プラン、事業計画の提案から建築、アフターサービスまで安心して任せられます。複数の建築会社を比較してベストパートナーを選択しましょう。

建築会社を探すには、インターネット上の一括比較サービスを利用すると、個別に不動産会社に問い合わせをする手間が省け、効率的です。「相続会議」にも総合ハウスメーカーを中心に、不動産関連会社を一気に比較できる「土地活用プラン一括請求サービス」があります。

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長期間にわたるアパート経営が始まると、頼りになるのが管理会社です。

アパート経営には、入居者の募集から契約、家賃の集金、退室時の処理、故障やトラブル時の対応、リフォームの実施など数多くの管理業務がありますが、アパートオーナーがそれらをすべて自分で行うことはできません。これらの管理業務は管理会社に管理費を支払い委託をします。

通常は入居者を募集する不動産会社が管理業務も行っているため、管理会社選びの際には次のポイントが大切です。

  • 管理業務を誠実に行う会社
  • 入居者の募集に強い会社
  • 長くお付き合いができる会社

なお、大手建築会社は管理会社をグループの傘下にしているケースも多いので、建築会社選びの際には管理会社の内容も見て決めると良いでしょう。

アパート経営の成功をより確実なものにするために、成功している人の共通ポイントを紹介します。

金融機関がローンの審査をする際に重視するのが、事業計画の健全性と借入者の属性です。属性とは、借入者の勤務先や年収、保有資産、借入、家族構成といった条件のことで、経済的状況や社会的信用力を言います。

金融機関は、少しでも属性が高い顧客と長く取引をしたいので、高い属性の人ほど審査も通りやすく、金利の優遇などの有利な条件を提示してくれます。そのため、収入や資産を増やすなどして属性を高めておくことは、よりよい融資条件を引き出すことにつながります。

アパート経営は、少額の自己資金と多額のアパートローンを組み合わせるレバレッジ投資が可能で、少ない資金で大きな投資ができるのが特徴です。反面、自己資金が少なくレバレッジをかけるほど返済面でのリスクも高まります。

安心できるアパート経営のためには、自己資金比率を高め、返済率を下げることが効果的です。余裕資金があれば頭金を増やすことも検討しましょう。

成功しているアパートオーナーの多くは管理会社との関係が良好です。管理会社と常に意見交換を行い、新しい情報を仕入れたり、アドバイスに耳を傾けたりしています。

管理会社もコミュニケーションがとれているオーナーの物件は力を入れて管理してくれます。上から目線ではなく、対等なパートナーとして管理会社と接することが良好な関係を築くことにつながります。

法的に「転貸借」と言われ、所有者がサブリース会社などと賃貸借契約を結ぶサブリースは、報道などで悪者にされがちですが、そのシステム自体にはメリットがあります。サブリースのメリットの一つは、入居率にかかわらず毎月一定の収入が入ってくることです。より大きなメリットは、入居者にとっての大家さんはサブリース会社であるため、アパートオーナーの負担が通常の管理委託よりさらに軽減されることです。

条件によってはサブリースの利用も検討してみましょう。ただし、サブリースでも定期的な賃料の見直しはあり、免責期間や修繕費の積み立て義務など注意すべき点もあるので、契約内容は理解しておきましょう。実績があり信頼のおけるサブリース会社を上手に利用することが重要です。

アパート経営は、文字どおり「経営」です。細かい管理業務は管理会社に任せることができても、アパートオーナーとして決断しなければならない場面は数多くあります。

たとえば、入居募集時の家賃の決定、退室時のリフォームやリノベーションの判断、トラブル発生時の解決に向けての決断などを誤ってしまうと、アパート経営がリスクにさらされる恐れもあります。そのためにアパート経営者として、常に学習や情報収集をして迅速かつ適切な判断ができるよう、日頃からの心がけが必要です。

アパート経営の成功に必要なポイントを押さえておけば、アパート経営はそれほど難しくはありません。なかでもベストパートナーを選び、慎重な計画を立てること、経営者としてアパート経営を行うことが成功につながります。

パートナーとなる建築会社を探すには、複数の企業に一括で問い合わせできるサービスを利用すると便利で、「相続会議」の土地活用プラン一括請求サービスもあります。

活用したい土地の郵便番号を入力、または住所を選択し、必要事項を入力や選択するだけで土地活用プランを請求することができます。今回の記事で説明したポイントを押さえながら、担当者とコミュニケーションをとることで成功に近づくでしょう。

(記事は2022年8月1日時点の情報に基づいています)

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