登記簿の土地にはどんな種類がある? 調べ方や「宅地」「雑種地」に該当する土地を解説
登記簿上では土地の種類は23種類に分かれます。地目の種類は不動産登記法でも定められていますが、宅地建物取引業法でも宅地の定義が存在します。土地活用は、宅地建物取引業法上で定められている宅地で行うことが基本です。この記事では、「土地の種類」について解説します。
登記簿上では土地の種類は23種類に分かれます。地目の種類は不動産登記法でも定められていますが、宅地建物取引業法でも宅地の定義が存在します。土地活用は、宅地建物取引業法上で定められている宅地で行うことが基本です。この記事では、「土地の種類」について解説します。
目次
登記簿上の土地の地目は、「不動産登記規則第99条」および「不動産登記事務取扱手続準則第68条」によって下表のように23種類が定められています。
土地の種類は、土地の登記簿謄本の地目を確認して調べます。
登記簿謄本は、「表題部」と「甲区」、「乙区」の3つで構成されています。
表題部とは、地番や地目、地積等の情報が記載されている部分です。
甲区とは所有権に関する事項、乙区とは所有権利以外に関する事項が記載されている部分になります。
登記簿謄本の表題部は下図の通りです。
地目の部分に宅地と書かれていれば、宅地であるということになります。
宅地とは、建物の敷地およびその維持もしくは効用を果たすために必要な土地です。
一般的に、住宅やアパート、店舗、工場、オフィスビル等の建物の敷地は全て宅地となります。
宅地として認められる特殊な土地は、以下の通りです。
【宅地と認められる土地】
宅地は、建物の敷地だけでなく、その維持や効用を果たすために必要な土地も含まれることから、必ずしも建物が現存しなくてもよいことになっています。
宅地と認定されるかどうかは、土地の利用目的が土地全体として建物敷地かどうかで定められます。
雑種地は、23種類の土地のうち、雑種地以外のいずれにも該当しない土地のことです。
雑種地になるような土地には、以下のようなものがあります。
【雑種地となる土地】
宅地は、宅地建物取引法においても定義があります。
宅地建物取引法で宅地とされるものは以下のいずれかの要件を満たすものです。
【宅地建物取引法の宅地】
1つ目は、現在建物が建っている土地であれば、全国どこの土地でも宅地です。
登記簿上の地目が畑や田であっても、その土地の上に建物が建っていれば、宅地になります。
建物とは、住宅だけでなく、倉庫や工場、店舗等の全ての建築物のことです。
2つ目は、建物を建てる目的で取引される土地であれば、全国どこの土地でも宅地になります。
現在建物が建っていなくても、将来建物を建てる土地であれば宅地になるということです。
3つ目は、用途地域内の土地です。
用途地域とは、都市計画法により定められた建物の用途等に一定の制限を課した地域のことになります。
用途地域は、原則として市街化区域内に定められる地域です。
市街化区域とは、すでに市街化を形成している区域またはおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域になります。
よって、市街化区域内の土地であれば、基本的には宅地です。
ただし、現に道路・公園・河川・広場・水路等の一定の公共の用に供される土地については、例外的に宅地からは除かれます。
建付地とは、建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地のことです。
建付地は、宅地の一つの類型になります。
その他、宅地の類型としては、利用形態や権利関係に応じて、更地、借地権、底地、区分地上権等があります。
ここで底地とは借地権の付着している場合における当該宅地の所有権のことです。
土地と建物が同一の所有者であれば、その土地は建付地です。
それに対して、土地と建物の所有者が別であれば借地関係が生じています。
借地関係が生じていれば、借地権の付着している土地であるため、その土地は底地です。
宅地は建物を建てる目的で取引される土地のことですので、宅地の活用方法には以下のようなものがあります。
【宅地の活用方法】
アパート
賃貸マンション
戸建て賃貸
賃貸併用住宅
シェアハウス
老人ホーム
コンビニ等の郊外型店舗
オフィス
トランクルーム
トランクルームは、コンテナハウスと呼ばれる建物を建てるため、宅地でないとできない土地活用となります。
一方で、雑種地では以下のような土地活用が挙げられます。
【雑種地の活用方法】
コインパーキング
太陽光発電
野立て看板用地
資材置場
以上、土地の種類について解説してきました。
登記簿謄本上の地目は、23種類の土地の種類が定められています。
土地の種類の調べ方は、登記簿謄本上の表題部の地目で確認できます。
登記簿謄本上の宅地または雑種地は、利用状況によって個別に認定されます。
宅地建物取引業法では、現在建物が建っている土地等が宅地として取り扱われます。
土地活用を行う宅地は、いわゆる宅地建物取引業法で定義される宅地が該当します。
本記事の内容を、自分の土地の種類を知る参考にして頂ければ幸いです。
(記事は2022年4月1日時点の情報に基づいています。)