1.田んぼを処分したときの価格

農地については、一般社団法人全国農業会議所が田畑の売買価格について、毎年アンケートを行っています。
2020年における田畑売買価格等に関する調査結果の概要は以下の通りです。

単位:千円/10a、10aは1,000平米で約1反
単位:千円/10a、10aは1,000平米で約1反

純農業地域とは、都市計画法で市街化区域と市街化法制区域の線引きをしていない市町村における農用地区域の農地のことです。
都市的農業地域とは、都市計画法で市街化区域と市街化法制区域の線引きを行っている市街化調整区域の農用地区域の農地になります。

農用地区域とは、農業振興地域内における集団的に存在する農用地や、土地改良事業の施行にかかる区域内の土地などの生産性の高い農地等、農業上の利用を確保すべき土地として指定された農地のことです。
農業振興地域は、今後、相当期間(概ね 10 年以上)にわたり、総合的に農業振興を図るべき地域のことを指します。

また、農地は土地総合情報システムを使うと相場を調べることができます。
農地の取引相場を確認するには、トップページから「不動産取引価格情報検索」をクリックします。

次に、「種類を選ぶ」の中から「農地」をクリックし、「地域を選ぶ」で調べたい地域を選択していきます。

例えば「千葉県千葉市若葉区」で絞り込んで「この条件で検索」をクリックすると、以下のような取引事例が羅列されます。

取引総額と面積が表示されるため、単価を計算することができます。
単価を計算することで、ある程度相場を把握することが可能です。

2.いらない田んぼの処分方法

いらない田んぼの処分方法について解説します。

2-1.売却する

農地の処分方法としては、売却があります。
農地の売却には「農地を農地として売る方法」と「農地を農地以外のものに転用して売る方法」の2種類が存在します。

いずれも原則として下表のような農地法の許可が必要です。

※1:農業委員会とは、市町村に設置された農地事務を担う行政委員会のことを指します。※2:指定市町村は、農林水産大臣が指定した市町村のことです。
※1:農業委員会とは、市町村に設置された農地事務を担う行政委員会のことを指します。※2:指定市町村は、農林水産大臣が指定した市町村のことです。

2-2.農地中間管理機構を利用する

農地の処分方法としては、農地中間管理機構を利用するという方法もあります。
農地中間管理機構とは、都道府県に設置された農地の中間的受け皿を担う組織のことです。

農地中間管理機構は「農業バンク」とも呼ばれており、一定の要件を満たす農地であれば農地中間管理機構に対して農地を売却することもできます。

農地中間管理機構に売却した場合には、売却時に発生する譲渡所得から800万円を控除できる節税特例も利用可能です。

また、農地中間管理機構は一定の要件を満たす農地であれば借り上げることも行っており、借主としても利用することができます。

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3.農地売却と許可の関係

農地の中には転用できない農地も存在します。
農地の種類と転用の可否は以下の通りです。

田んぼを転用して処分したい場合には、あらかじめ転用可能な農地かどうかを調べることが必要です。

4.田んぼ売却の流れ

田んぼを売却するときの流れは以下の通りです。

【役所への事前相談】
転用を前提とする売却の場合、事前に転用可能な農地かどうかの確認を行います。
具体的には、役所に農地種別調査を依頼します。

【価格査定】
農地種別が分かったら、次に行うのは査定です。
農地は「農地として売る」のと「転用して売る」のでは価格帯が異なるため、どちらで売る方針なのか不動産会社に伝えることがポイントとなります。

また、田んぼの売却は公簿売買とすることが一般的です。
公簿売買とは、登記簿謄本に記載された地積を売買対象面積とする売却方法のことを指します。

宅地の売却では実測面積による売却が基本となるため、測量が必要となることが通常ですが、田んぼは公簿売買が採用されることから、売却前の測量も不要となることが一般的です。

【停止条件付き売買契約】
農地の売却では、誰にどのような目的で売るのか明らかにならないと許可を申請できないため、許可を得る前に買主と売買契約を締結することが最大の特徴です。

農地の売買は、農地法の許可を得られないと無効となるため、売買契約書は「停止条件付き売買契約」というものを締結します。
停止条件とは、条件が成就するまで効果の発生を停止させる条件のことです。

具体的には、「農地法の許可が取れたら本契約の効力が発生する」という停止条件を付けます。

尚、農地法の許可申請は行政書士に依頼することも多いです。
行政書士への手数料は、以下のような金額が相場となります。

【許可申請・許可指令書交付】
停止条件付き売買契約を締結したら、農地法の許可申請を行います。
申請から通常1ヶ月程度すると許可が下り、許可指令書が交付されます。
許可指令書は、所有権移転登記申請のために引渡時に買主へ渡す書類となります。

5.農地だけを相続放棄することはできない

相続放棄とは、はじめから相続人ではなかったものとみなされる制度のことです。
相続放棄をすると相続人ではなくなるため、プラスとマイナスの財産を含め、全ての財産の相続権利を失うことになります。

そのため、農地だけを相続放棄するといった都合の良い利用方法を行うことはできず、相続放棄を行えば他の現金等のプラスの財産も引き継げないことになります。

また、相続放棄を行うには、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述書を提出することが必要です。
期限を過ぎてしまうと原則として相続放棄はできず、単純承認したことになります。
単純承認とは、被相続人の権利義務を承継することです。

尚、相続放棄をすると下位の順位の人に相続権が波及するため、相続放棄をする場合には他の相続人になり得る可能性のある人に対して事前に了解を得ることが適切な対応となります。

法定相続人は、配偶者は必ず相続人となります。
配偶者以外の相続人の順位は下表の通りです。

全員が相続放棄をしたい場合には、必ず波及する可能性のある下位順位の人にも連絡し、全員で期限までに相続放棄を申請することがポイントです。

まとめ

以上、「田んぼを処分したい」をテーマに解説してきました。

いらない田んぼの処分方法としては、「売却」や「農地中間管理機構の利用」が考えられます。
農地の中には転用できない農地も存在し、売却の際は役所に事前相談することが必要です。
農地を相続した場合、農地だけを相続放棄することはできません。

農地の処分概要がわかったら、早速に農地種別の事前相談を行うことから始めてみてください。

(記事は2022年1月1日時点の情報に基づいています。)