目次

  1. 1. 30坪の一軒家の建て替え費用
  2. 2. 建て替えにかかる費用の内訳
    1. 2-1. 解体工事費
    2. 2-2. 仮住まい・引っ越し費用
    3. 2-3. 測量費
    4. 2-4. 地盤調査費用
    5. 2-5. 新築工事費
    6. 2-6. 設計料
    7. 2-7. 印紙税
    8. 2-8. 不動産取得税
    9. 2-9. 登録免許税
    10. 2-10. 火災保険料
    11. 2-11. 住宅ローン関連手数料
  3. 3. まとめ

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30坪の一軒家の建て替えに要する費用は下表の通りです。

建て替えにかかる費用の内訳について解説します。

家を建て替える場合、既存の住宅の解体工事費がかります。
既存の住宅の解体費用は、木造であれば坪4~5万円、鉄骨造であれば坪6~7万円程度です。

既存の住宅が仮に木造で延床面積が30坪であれば、120~150万円程度の金額がかかることになります。
標準的な戸建て住宅の解体費用は150万円前後であることが一般的です。

建て替えの場合、仮住まいと2回分の引っ越し費用が必要です。

既存の住宅の解体工事に1~1.5ヶ月、新築工事に3ヶ月程度の時間を要します。
仮住まいの期間は、余裕を持って6ヶ月を見込んでおくと安全です。

仮に家賃15万円の賃貸物件に引っ越す場合、「仲介手数料の15万円(家賃1ヶ月分)」と「6ヶ月分の家賃の90万円」が発生するため、105万円の仮住まい費用がかかります。
敷金については基本的に退去時に戻ってくるお金であるため、考慮外とします。

また、3人家族が近隣に引っ越す場合、引っ越し代は10万円程度です。
引っ越しは、既存の住宅から仮住まい、仮住まいから新築への2回が生じるため、20万円程度かかります。
よって、仮住まいおよび引っ越し費用で125万円程度の費用が生じます。

注文住宅の場合、設計を行うための測量費が必要です。
真北や敷地内高低差等の測量を行います。

設計のための測量は「現況測量」と呼ばれる比較的簡易なものであり、境界を確定するための「確定測量」とは異なります。
現況測量に要する費用は20~40万円程度です。

尚、既存の建物を建てたときの現況測量図が残っている場合には、現況測量は不要となります。

建て替えに当たっては、地盤調査費用も発生します。
一軒家のような小さな建物の場合、スウェーデン式サウンディングと呼ばれる簡易な地盤調査で済むことが一般的です。
スウェーデン式サウンディングの費用は5~10万円程度となります。

地盤調査の結果、強固な地盤であればそのまま建築することが可能です。
一方で、軟弱な地盤であることが判明した場合、地盤改良費用が追加で発生します。

地盤改良費用は支持地盤の深さによって工事の内容と金額が異なります。
標準的な一軒家の地盤改良費用は以下の通りです。

地盤改良費用は地盤調査後に確定するため、当初の新築見積もりには載っていない金額となります。

国土交通省によると、首都圏における注文住宅の建築費の過去10年間における推移は下表のようになっています。

出典:国土交通省「建築費及び地価の現状 2. 建築工事費 (2)注文住宅の建築費(首都圏)」 筆者にて㎡を坪に換算(https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html)

2019年度においては、注文住宅の平均延べ床面積は35.5坪、価格は3,301万円、坪単価は93万円でした。
建築費の坪単価は、過去10年間の間で坪80~100万円の範囲で推移しています。

仮に建築費の坪単価を90万円と仮定した場合、延床面積が30坪となると新築工事費は2,700万円程度です。

建物を新たに建築するときは、設計料がかかります。
設計料には、着工後に施工状況をチェックする監理料も含まれることが一般的です。

また、建築確認に関連する費用も発生しますが、戸建ての場合、建築確認申請手数料等が数万円程度であることから、設計費に含まれていることも多いです。

設計料は、ハウスメーカーに建築を依頼した場合、建築費の1~3%程度となります。
設計会社に依頼した場合、建築費の5~8%程度となることもあります。

ハウスメーカーに依頼し、設計料が建築費の2%とした場合、新築工事費が2,700万円とすると設計料は54万円となります。

請負工事契約書は印紙を貼らなければならない課税文書であるため、印紙税が発生します。
印紙税は請負工事契約書に記載される金額において決定されます。

30坪の新築工事費用は2,700万円程度ですので、印紙税の区分けとしては「1,000万円を超え5,000万円以下のもの」に分類されます。

請負工事金額が「1,000万円を超え5,000万円以下のもの」の場合、印紙税は原則として2万円です。

ただし、2022(令和4) 年3月31日までは印紙税の軽減措置があり、1万円となっています。

また、住宅ローンの金銭消費貸借契約書にも印紙を貼る必要があり、債権額が「1,000万円を超え5,000万円以下のもの」の場合の印紙税は2万円です。

建物を新たに取得すると不動産取得税が発生します。
不動産取得税は、原則として建物の固定資産税評価額に税率を乗じて求めます。

・不動産取得税=建物の固定資産税評価額×税率

不動産取得税の税率は原則4%ですが、2024年(令和6年)3月31日までは3%となっています。

また、新築の戸建て住宅の場合、延床面積が50㎡以上240㎡以下となると不動産取得税の軽減措置があります。
30坪は約99㎡ですので、不動産取得税の軽減措置を受けることができます。

軽減措置を適用した場合の不動産取得税は以下の通りです。

・不動産取得税=(建物の固定資産税評価額-1,200万円)×税率

新築時の建物の固定資産税評価額は、請負工事金額の50~60%程度になることが一般的です。

2,700万円で建物を建てた場合、建物の固定資産税評価額は1,350万円程度となることが予想されます。

建物の固定資産税評価額が1,350万円とすると、不動産取得税は以下のように計算されます。

・不動産取得税=(建物の固定資産税評価額-1,200万円)×税率
      =(1,350万円-1,200万円)×3%
      =150万円×3%
      =4.5万円

建物を新築すると、登記簿謄本を新たに作る保存登記という登記を行うことが必要です。
保存登記には登録免許税がかかります。

また、住宅ローンを借りると抵当権の設定登記のための登録免許税も必要となります。
抵当権とは、債権者(銀行)がその抵当物件から優先的に弁済を受けることができる権利のことです。

登録免許税は以下の計算式で求めます。

・保存登記の登録免許税=建物の固定資産税評価額×税率
・抵当権設定登記の登録免許税=債権金額×税率

2022年(令和4年)3月31日までに取得した新築建物で、床面積が50㎡以上の住宅の税率は以下の通りです。

建物の固定資産税評価額が1,350万円、住宅ローンで借りる金額(債権金額)を2,000万円とした場合の登録免許税は以下の通りです。

・保存登記の登録免許税=建物の固定資産税評価額×税率
          =1,350万円×0.15%
          =約2万円

・抵当権設定登記の登録免許税=債権金額×税率
             =2,000万円×0.1%
             =2万円

建物を新築すると、火災保険料も発生します。
火災保険は長期一括で契約した方が安くなるため、竣工時に一括で火災保険を掛けることが多いです。

例えば5年間の火災保険を一括契約した場合、家財保険も加入すると20万円程度となります。
さらに地震保険も加入すると、5年間の一括契約で50万円程度です。

住宅ローンを借りる場合、銀行に支払う住宅ローン事務手数料が生じます。
住宅ローン事務手数料の規定は銀行によって異なります。

一般的には、「借入金額×2.2%」としているところが多いです。
2,000万円の融資を受けるとすると、44万円の手数料がかかります。
また、住宅ローン事務手数料を定額としている銀行もあり、定額の場合は3~10万円が相場です。

保証料に関しては金利に含めて無料としている銀行が多いですが、現金一括払い(借入金額の2%程度が相場)としている銀行もあります。

以上、30坪の建て替え費用について解説してきました。
予算の概要がわかったら、早速ハウスメーカーにプランの相談をしてみましょう。

(記事は2021年11月1日時点の情報に基づいています。)

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