目次

  1. 1. オーナーチェンジ物件とは?仕組みや権利関係をおさらい
  2. 2. オーナーチェンジ物件が売れないと言われる理由
    1. 2-1. オーナーチェンジ物件を欲しがる層が少ない
    2. 2-2. 買主が住宅ローンを利用できない
    3. 2-3. 入居者とのトラブルが想定される
    4. 2-4. 内覧対応が難しく現状を確認しにくい
    5. 2-5. 入居率が低いと赤字になるおそれがある
  3. 3. 売れやすい・売れにくいオーナーチェンジ物件の実例
    1. 3-1. 売れやすいオーナーチェンジ物件の例
    2. 3-2. 売れにくいオーナーチェンジ物件の例
  4. 4. オーナーチェンジ物件の売却方法は仲介または買取の2種類
    1. 4-1. 仲介|状態がよく一般的な需要を見込めるオーナーチェンジ物件向き
    2. 4-2. 買取|一般的に売れにくい「訳あり物件」でも売却しやすい
  5. 5. オーナーチェンジ物件はいくらで売れる?売り出し価格の調べ方
    1. 5-1. 収益還元法を使って自分で計算する
    2. 5-2. 不動産会社や不動産鑑定士に査定を依頼する
  6. 6. オーナーチェンジ物件の高額売却を成功させるコツ
    1. 6-1. 入居率をなるべく高めて満室状態を目指す
    2. 6-2. 必要な箇所の修繕を済ませておく
    3. 6-3. 売れないときは仲介業者や買取業者を見直す
  7. 7. オーナーチェンジ物件を売却する流れとポイント
    1. 7-1. 物件の資産価値を把握する
    2. 7-2. 不動産会社に依頼する
    3. 7-3. レントロールで賃貸状況を相手に開示する
    4. 7-4. 買主との売買契約を締結する
    5. 7-5. 物件の引き渡しと賃貸借契約の引き継ぎをおこなう
    6. 7-6. 入居者にオーナー変更について通知する
    7. 7-7. 譲渡所得が出たときは確定申告をおこなう
  8. 8. オーナーチェンジ物件の売却にかかる税金・費用
    1. 8-1. 譲渡所得税・住民税・復興特別所得税
    2. 8-2. 消費税
    3. 8-3. 登録免許税
    4. 8-4. 印紙税
    5. 8-5. 仲介手数料
  9. 9. オーナーチェンジ物件の売却に関するよくある質問
  10. 10. まとめ|適切な売却先と方法を知ってオーナーチェンジ物件を売却しよう!

オーナーチェンジ物件とは、入居者が住んでいる状態のまま、賃貸人としての地位を新オーナーへ移転させる形態の物件です。売却の際に入居者の承諾は必要なく、オーナー同士の合意で成立します。

オーナーチェンジ物件を売却する人は、次の権利・義務・契約などを新オーナーへ引き継ぎます。

  • 物件の所有権
  • 入居者と締結した賃貸借契約の内容
  • 他社と締結した管理委託契約・清掃契約など
  • 家賃・共益費・駐車場使用料などを受け取る権利
  • 原状回復を入居者へ求める権利
  • 入居者から預かっている敷金・保証金およびそれらの返還義務
  • 不動産の修繕・維持管理の義務
  • 契約や関連書類
  • その他個人の状況に応じた引き継ぎ物

オーナーチェンジ物件を売却すると、契約・入居者関係のトラブルや経営・管理のコスト・手間を手放せるうえに、まとまった現金を得られます。買主側から見ても、「すぐに家賃収入が得られる」「新しく入居者を募集しなくて済む」というメリットがあります。

しかし、オーナーチェンジ物件は売却が難しいと言われているのも事実です。取引を成功させるには、売れない理由を理解したうえで、適切な売却先選び、高額売却を成功させるためのコツ、売却の流れなどを適切に掴んでおきましょう。

オーナーチェンジ物件が売れないと言われる理由は、「買いたいと思う人の少なさ」と、「購入したときのリスク」が主な原因です。具体的な理由は、下記の通りです。

  • オーナーチェンジ物件を欲しがる層が少ない
  • 買主が住宅ローンを利用できない
  • 入居者とのトラブルが想定される
  • 内覧対応が難しく現状を確認しづらい
  • 入居率が低いと赤字になるおそれがある

オーナーチェンジ物件が売れない理由のなかでもっとも大きいのは、欲しがる層がそもそも少ない点が挙げられます。

まず収益物件であるオーナーチェンジ物件を、一般の個人が購入するケースはほぼありません。居住用に活用するのが難しいうえに、経営ノウハウや購入資金を準備する難易度が高いからです。

売却先は、「不動産を活用して収益を得たい人」「不動産や経営の知識・経験が豊富な人」に限られます。具体例は、下記の通りです。

  • 機関投資家
  • 個人投資家
  • 不動産会社
  • 地主
  • 資金力のある副業ビジネスパーソン

上記に挙げた人たちも、「収益の見込みがない」「経営が難しい」と判断したオーナーチェンジ物件は購入しません。居住用とは異なり「必ず購入しなければならない」という状況が少なく、数千万円を無駄遣いしないよう慎重になるからです。

このようにオーナーチェンジ物件は、通常の賃貸物件と比較して購入層が限定されてしまいます。

オーナーチェンジ物件を購入する際には、原則として住宅ローンが利用できません。オーナーチェンジ物件は投資用物件に該当するので、「自分で住む用の物件の購入」が融資目的である住宅ローンは対象外になります。

もし居住用と嘘をついて投資用物件の購入に住宅ローンを利用すると、契約違反になって融資の一括返済などのペナルティが発生します。

オーナーチェンジ物件購入用の融資として挙げられるのは、アパートローンやマンションローンなどの「不動産投資ローン」や、金融機関が保証会社の保証なしで貸し出す「プロパーローン」です。

いずれも住宅ローンより高い金利が適用されることが多く、審査対象としてオーナーチェンジ物件の収益性や事業計画なども考慮されます。そのため、一般的な住宅ローンと比べて審査に通るのが難しいと言われています。

オーナーチェンジ物件ならではのリスクとして挙げられるのが、入居者とのトラブルです。

オーナーチェンジ物件の買主は、所有権や賃貸借関係の権利と一緒に、入居者にまつわる問題も引き継がなければなりません。これまで筆者が携わってきたオーナーチェンジ物件の売買において、買主側が懸念していたトラブルの例を紹介します。

  • 家賃滞納があった
  • 原状回復や修繕が難しい使い方をしていた
  • 騒音やゴミ屋敷など他の入居者への迷惑行為に及んでいた
  • 原状回復費用の請求や家賃の値下げ交渉などで頻繁に揉めた

入居者とのトラブルは予期するのが困難であり、個人の状況に応じて対応を変えなければならない難しさがあります。

オーナーチェンジ物件はすでに入居者がいるため、内覧対応が難しく部屋の現状を確認しにくいリスクがあります。これから数年以上の運用を検討する物件について、部屋を一切見ずに購入するのは、買主側も不安を覚えるでしょう。

内覧ができなくても、専有部分の修繕履歴や内部の図面を見せれば、買主も部屋の状況をある程度把握できます。とはいえ、「自分で直接見て判断したい」と思う人からは、購入を敬遠されるかもしれません。

また内覧対応だけではなく、入居者がいると各部屋のリフォームや修繕を計画的に進めにくいのも懸念点です。問題を長期間放置していると、全体の資産価値が下がることも懸念されます。

オーナーチェンジ物件は入居者が付いた状態で引き継ぐため、購入直後から家賃収入を得られる点が大きな魅力です。

ただし、一棟アパートや複数戸所有の物件などでは、空室がある状態で売買されるケースもあります。また、現在入居している人が退去した後に空室期間が長引くと、想定していた利回りを下回り、赤字に転じるリスクもあるでしょう。

こうした将来の入居率の安定性も、買主が重視するポイントです。

平均より入居率が低いオーナーチェンジ物件は、買い控えられるケースがあるかもと用心しておいてください。

なお、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の「第28回 賃貸住宅市場景況感調査」にて、不動産管理会社699社が回答したアンケートによると、2023年度の全国の委託管理・サブリースの入居率は95.8%でした。

アンケート対象が日管協会員で数値が高めに出る可能性があることも考慮すれば、平均的な入居率は90%程度と考えるのが妥当です。

売れやすい・売れにくいオーナーチェンジ物件の傾向を知っておけば、「すぐに売却すべきか」「売却は問題を解消してからにすべきか」が判断でき、売れる見込みのない状態での販売活動を避けられます。

ここからは、売れやすい・売れにくいオーナーチェンジ物件の例を紹介していきます。

売れやすいオーナーチェンジ物件の特徴は、「入居者が生活しやすい環境が整っていること」「利益が見込みやすいこと」です

売れやすい
オーナーチェンジ物件の例
詳細・具体例
築年数が浅く新しい ・築年数が15年未満だと内装・外装の劣化が少なく
 設備も新しい傾向がある
・修繕費などの諸経費も抑えやすい
立地条件がよい ・駅から徒歩10分圏内、バス停が近いなど
 交通アクセスが良好
・周辺に商業施設、公共施設、銀行、病院などがある
・繁華街から離れている、周辺にファミリー層が多い
 など治安がよいエリアに位置する
入居率が高く空室が出ても
すぐに集まる
・常に入居者がいれば家賃収入が安定するため
 利回り向上が見込める
ワンルームタイプ ・ファミリータイプと比較して面積が狭く、
 売却価格を安くしやすい
・人が多い都市部での需要を期待できる
・回転率が高いので空室のリスクを抑えやすい
売却価格が相場通り
または安い
・建物の状態や立地に応じた売却価格なら、
 買主側も納得して買いやすい

こうした条件を備える物件は、資産価値が高く収益性も見込めるため、投資家からの需要が期待できます。上記に該当するオーナーチェンジ物件を持っている場合は、早めの売却を検討してもよいでしょう。

売れにくいオーナーチェンジ物件の特徴は、「利便性が低く、入居者が気分よく生活できないこと」「利益が少ないこと」です

売れにくい
オーナーチェンジ物件の例
詳細・具体例
築年数が古く
内装も劣化している
・築年数30~40年以上になると、内装・外装の劣化や古い設備など
 入居者が住みづらい環境になる
・リフォーム代や修繕費などの諸経費が高くなるリスクがある
立地条件が悪い ・駅から離れている、車がないと買い物が大変など交通アクセスが悪い
・周辺に便利な施設が少ない
・工場、墓地、パチンコ店などの嫌悪施設が近く治安が悪い
空室が多く募集しても
集まりにくい
・購入してもすぐに家賃収入が得られず、今後も入居者が増えるか
 未知数な場合は購入リスクが高い
ファミリータイプ ・ワンルームタイプと比較して面積が広く、売却価格を高く
 設定しなければ利益が出にくい
・回転率が低く空室が懸念される
売却価格が過大 ・利回りが悪く購入資金も必要になるので、買主に敬遠されやすい

こうした問題を抱える物件は、収益性が低く資産価値も下がりやすいため、投資家の購入意欲が低下します。リフォーム・修繕や価格見直しなどで改善できる可能性があるため、売却前に実施を検討してみてください。

不動産売買についての知識に自信がない方でも、「不動産仲介業者」または「不動産買取業者」のいずれかに依頼すれば、オーナーチェンジ物件を売却できます。

仲介業者 買取業者
購入する人 仲介を通じてマッチングした
投資家や事業者
買取業者
提供する
主なサービス
媒介契約にしたがった販売
活動や売買交渉などのサポート
現況買取、契約不適合責任免除での買取など売買契約に関するサポート全般
売却スピード 平均3~6カ月、長いと1年以上 直接買取のため1週間~
1カ月、早いと数日で買取
売却できるオーナー
チェンジ物件の傾向
状態がよい、都市部にあるなど
一般的な需要がある物件が基本
瑕疵(かし)がある、築年数が古いなど「訳あり物件」でも売却できる
売却相場の傾向 一般的なオーナーチェンジ物件の
売却相場だが、買主との交渉次第でさらに高値を期待できる
売買サポートにかかる
諸経費が反映される分少し安め
仲介手数料 あり なし

不動産仲介業者とは、売主・買主の売買取引についてさまざまなサポートを提供するサービスです。取引が成立したら、売主・買主の双方またはどちらか一方から売却価格に応じた仲介手数料を得ます。

仲介業者へ依頼する場合、売買に関する仲介サポートの内容や他社との契約について定める「媒介契約」を結びます。

仲介業者が提供するサービスは、主に下記の通りです。

  • 物件や周辺相場の調査をもとにした適切な売り出し価格の算出
  • 宣伝資料作成や広告掲載などの集客活動のサポート
  • 売主・買主の間に入り売買価格、引き渡し時期、支払い方法などを調整
  • 売買契約書の作成
  • 不動産の引き渡しおよびスケジュール調整

オーナーチェンジ物件を仲介で売却するメリットは、買取よりも売却価格が高くなりやすい点です。価格設定を仲介業者に任せた場合、売り出し価格は市場価格に近くなります。また、買主との交渉内容によっては、さらに高値での売却も期待できます。

ただし、仲介は現金化まで平均3~6カ月と時間がかかるのがデメリットです。買い手が見つからないと、1年以上売れないケースも珍しくありません。またすでに解説したように、オーナーチェンジ物件は購買層が限られるので、通常物件よりも売却に時間がかかるリスクも考えられます。

仲介が向いているのは、利回りや建物状態が良好で、賃貸需要が見込めるオーナーチェンジ物件です

不動産買取業者とは、業者自身が不動産を買い取るサービスです。買い取った不動産をリフォーム・修繕して活用したり、独自の販売ルートで売却したりして利益を得ます。

買取業者はオーナーチェンジ物件を直接買い取るため、媒介契約を結ぶ必要がありません。買取業者が物件を査定した後、双方が売却価格に納得すればその時点で取引が成立します。そのため、現金化まで平均1週間~1カ月、スピード買取を売りにする業者なら即日決済と非常にスピーディーです。

これらの特徴から、築古・再建築不可・空室率の高いなどの「訳ありオーナーチェンジ物件」でも売却しやすいのが、買取業者の強みです

ただし、各種サービスの諸経費やリスク負担費などが査定額に反映されるため、仲介業者よりも売却価格が70~80%程度と低くなる傾向にあります。

「多少安くても早く現金化したい」「仲介では買い手がつきにくい」という場合は、買取業者への売却を検討してみてください。

オーナーチェンジ物件の売り出し価格は、主に「収益還元法」を用いて計算します。収益還元法とは、「将来的にこの不動産からは、どのくらいの収益を期待できるのか」に着目して価格を決める手法です。

自分で売り出し価格を計算できれば、買主側との交渉材料や、査定額の妥当性の判断材料として利用できます。

とはいえ、利回りや収支について適切な計算が必要になるため、専門知識のない人が正当な価格を出すのは困難です。そのため、売り出し価格の算出は、不動産会社や不動産鑑定士などの専門家に依頼することを推奨します。

オーナーチェンジ物件の査定で用いられる収益還元法は、「直接還元法」と「DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)」に分けられます。おおまかに計算するなら直接還元法、詳細に計算するならDCF法が用いられます。

【直接還元法】
直接還元法とは、ある一定期間で不動産から発生する純収益を、ある一定の還元利回りで割って売却価格を求める方法です。

オーナーチェンジ物件の場合、還元利回りは5~8%程度が平均です。1年間の純収益が500万円、還元利回りが5~8%のオーナーチェンジ物件なら、おおまかな売却価格は下記のように計算できます。

  • 500万円÷5%=1億円
  • 500万円÷6%≒8330万円
  • 500万円÷7%≒7140万円
  • 500万円÷8%=6250万円

直接還元法は、DCF法よりも計算が簡単です。ただし、あくまでDCF法と比較してという話であり、利回りの設定には専門的な判断が求められるので注意してください。

【DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)】
DCF法とは、対象の不動産から将来的に得られると仮定した一定期間の純収益と売却価格を、現在の価値に割り引いて合計する方法です。「ある不動産をしばらく保有して、最後に売却する」というケースを想定しています。

DCF法の特徴は、未来に得られるであろう収益も考慮することで、より正確な売却価格を算出できる点です。主に下記の要素を用いて、計算します。

  • 空室率の変動
  • 今後の家賃の上昇・下降の予想
  • 将来的に発生するリフォーム・修繕の費用
  • 将来の売却価格(残存価格)
  • 不動産の所有期間(投資期間)
  • 将来のキャッシュフローを現在価値に直すための割引率

上記に挙げた数々の不確定要素を、経済情勢、金利、賃貸需要などから予想する必要があります。そのため、よほど不動産に精通している方でない限りは、専門家による評価が必要不可欠です。

収益還元法を使えば売り出し価格を計算できるとはいえ、複雑な計算が求められることから、自力での計算はあまり推奨できません。

実際のところ、オーナーチェンジ物件の売り出し価格は、不動産会社や不動産鑑定士に依頼して計算してもらうケースが多いです。

不動産会社なら、原則として無料で査定を引き受けてくれます。複数の不動産会社の査定結果や対応力を比較したうえで、最終的な依頼先を選ぶのも有効です。査定を依頼したところと絶対に仲介契約や媒介契約を結ぶ必要はないので、安心して査定を依頼してみてください。

不動産鑑定士に査定を依頼する場合は、20万円から50万円ほどの費用がかかります。しかし、不動産会社の無料査定よりも正確な査定を期待できます。

また第三者の立場から評価してもらえるため、「仲介手数料を上げるために高めにする」「安く買い取るために低めにする」といった、営業目線の偏った査定になることも避けられます。

オーナーチェンジ物件を高額売却するコツは、交渉の仕方や物件の状態を見直し、相手からの物件評価を高めることです。具体的なコツは、下記の通りです。

  • 必要な箇所の修繕を済ませておく
  • 売れないときは仲介業者や買取業者を見直す

オーナーチェンジ物件は、「安定した家賃収入が見込める状態」であるほど、買主からの評価が高くなります。

一棟物件の場合は空室を減らし、ワンルームや戸建ての場合は長期入居につながる工夫を行うことで、売却時の印象を大きく改善できます。

主な改善策は以下の通りです。

  • 現在の入居者の契約更新料を無料にし継続して住んでもらいやすくする
  • 適正な家賃・敷金・礼金になっているかを見直し、新規入居者の増加や退去者の減少を目指す
  • 高い入居率を誇る管理会社に変更し募集や管理方法を改善する
  • 「ファミリータイプの人気が高いエリアなら家族連れ向けのリフォームにする」など、周辺の需要に合わせた改善をおこなう

改善ポイントを見つけるには、入居者へのヒアリングや管理会社・不動産コンサルティング会社への相談が有効です。

仲介業者を通じてオーナーチェンジ物件を売却する際は、可能な範囲での修繕・メンテナンスを検討しましょう。

入居者が居住中の場合は、大規模な工事は難しいため、共用部や外構など入居者の生活に支障が出ない部分を中心に整備するのが現実的です。

なお、入居者の専有部分を修繕する場合には、事前に入居者の同意を得る必要があります。
空室のある一棟物件であれば、空き部屋の内装や設備を整えておくことで印象を高められます。

修繕が必要になりやすい箇所を、下記にまとめました。

  • 外壁や屋根など雨風で劣化しやすい部分
  • 給排水設備、電気設備、ガス設備などの老朽化箇所
  • 階段・廊下・駐車場などの共用部
  • 空き部屋の給湯器・エアコン・トイレなど

買主に安心感を与えるには、必要な修繕を実施したうえで、過去の修繕履歴や今後の修繕計画を整理して伝えることが大切です。

なお、買取業者へ売却する場合は、むしろ修繕せずにそのままのほうがよいケースがあります。買取業者は独自ノウハウで修繕する場合が多く、こちらが修繕対応すると二度手間になってしまうケースがあるからです。

「空室対策をしても売れない」「人気エリアにあるのに査定額が低い」などの状況が続く場合は、依頼先の仲介業者や買取業者の見直しを検討してみてください。

仲介・買取のいずれにおいても、オーナーチェンジ物件の知識・実績を持つ業者を選びましょう。

オーナーチェンジ物件は投資用物件であるため、一般的な住宅しか扱わない業者だと、有効な販売戦略・活用戦略を立てられない可能性が高いです。オーナーチェンジ物件に強い業者なら、下記のサポートを期待できます。

  • 投資家や法人などの投資用物件の購入希望者ネットワークを生かしたマッチング
  • 収益物件に特化した専門知識・査定経験を基にした売り出し価格・買取価格の提示
  • 利回り改善、空室対策、修繕箇所の指示など高額で売るためのアドバイス

業者を選ぶときは、「公式サイトにてオーナーチェンジ物件の取引実績を公開しているか」「担当者がオーナーチェンジ物件について理解しているか」などをしっかり確認しましょう。

オーナーチェンジ物件の売却は、以下の流れで進みます。

  1. 物件の資産価値を把握する
  2. 不動産会社に依頼する
  3. レントロールで賃貸状況を相手に開示する
  4. 買主との売買契約を締結する
  5. 物件の引き渡しと賃貸借契約の引き継ぎをおこなう
  6. 入居者にオーナー変更について通知する
  7. 売却益が出たときは確定申告をおこなう

以下では、各セクションのポイントや必要書類などを解説します。

オーナーチェンジ物件の資産価値は、本格的な販売活動に入る前に把握しておきます。不動産会社に査定を依頼した場合は、提示された査定額が本当に妥当かを確認しましょう。

不動産会社の販売戦略や保有データ、得意分野などの違いで、同じ物件でも査定額に数百万円ほどの差が出るのも珍しくありません。なかには、自分の利益を最優先にして、相場から離れた金額をあえて提示する業者も存在します。

査定額の妥当性を確認する主な方法は、下記の通りです。

  • 収益還元法などを用いて自分でおおまかに計算して金額を比較する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼して金額を比較する
  • 不動産鑑定士に査定を依頼する
  • 不動産情報ライブラリ、REINS Market Information(レインズ・マーケット・インフォメーション)、不動産ポータルサイトなどで類似不動産の取引情報を確認する

上記の方法を組み合わせると、より正確な相場感を把握でき、買主との交渉でも利用できます。

不動産会社に査定を依頼するときは、下記の書類を準備しておきましょう。

主な必要書類 概要・入手場所など
登記事項証明書
(登記謄本)
オーナーチェンジ物件の権利関係などが記載された書類。
法務局の窓口やインターネット申請で入手
建物の図面や
間取り図
オーナーチェンジ物件内部の基本情報が記載された書類。法務局
の窓口やインターネット申請で入手。管理会社が保有している
場合や、販売当時のリーフレットで確認できることもある
測量図 オーナーチェンジ物件が建っている土地の面積、形状、
境界線が記載された書類。土地も一緒に売却する際に必要。
境界が確定していないときは境界確定させる必要あり
売買契約書 オーナーチェンジ物件購入当時の売買契約書が残っていれば
準備しておくとよい。相続などで引き継いだときに紛失している
場合は、無理をして用意する必要はない

相手が提示する売り出し価格や買取価格に納得したときは、不動産会社にサポートを依頼します。仲介業者と買取業者でそれぞれ締結する契約や対応方法に違いがあるので、確認しておいてください。

【仲介業者と媒介契約を結ぶ】
仲介業者にサポートを依頼する場合は、媒介契約を結びます。媒介契約とは、「どのようなサポートを提供するか」「他の買主と取引してもよいのか」などを定めたものです。「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類が存在します。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる不動産会社 他社にも依頼できる 1社のみ 1社のみ
不動産会社からの状況報告 定めなし 2週間に1回 1週間に1回
自分で買主を
見つけた場合
直接取引できる 直接取引できる 依頼先の不動産会社を
仲介人とする必要あり
レインズへの登録義務 任意 7日以内 5日以内
契約有効期限 法律上の定めはないが
3カ月以内が一般的
3カ月以内 3カ月以内

「人気エリアにある」「状態がよく空室もない」など、専任サポートがなくてもオーナーチェンジ物件として需要が高いなら、一般媒介契約が向いています。複数の不動産会社から同時募集すれば、購入希望者とのマッチング機会増加や不動産会社同士の競争などによって、より優れた条件での売却が期待できるでしょう。

「営業に力を入れないと売却が難しい」「集中的にサポートして素早く売ってほしい」といった場合は、専任媒介契約・専属専任媒介契約を検討してみてください。一般媒介契約のときよりも、担当者の積極的な営業を期待できます。

媒介契約を結ぶときは、売却するオーナーチェンジ物件が登記されていることを証明する「登記識別情報」または「登記済権利証」が必要です。いずれも再発行できないので、紛失時は「事前通知制度」や「司法書士などの資格者による本人確認」などの代替手段を用います。

【買取業者に直接買取を依頼する】
買取業者に依頼する場合は、「どのような条件でオーナーチェンジ物件を売却するのか」を直接話し合います。

お互いが納得した時点で売買契約締結に向けて進むので、後悔しないようにこちらの希望条件をしっかり伝えておきましょう。

買取業者の場合は、さきほど少し触れた「複数社への査定依頼」がより効果的です。たとえば他社の査定額のほうが高額なら、「うちならもっと高く買い取れます」と、買取価格を上げてくれるケースがあります。

また、原則として査定額がそのまま希望買取価格になるため、査定の時点で「この買取業者は物件を高く評価してくれているのか」「不当に低い査定額を提示していないか」などを明確に判断できます。

筆者の経験上、「複数査定を取ったうえでもっとも対応が丁寧だった業者を選んだ」という売主ほど、契約後の満足度が高い傾向にあります。

オーナーチェンジ物件を売却する前には、買主にレントロール(賃貸借条件一覧表)を開示し、現在の物件や入居者の状態を説明します。レントロールの開示によって買主が知り得る情報は、主に下記の通りです。

  • 物件の面積・間取り・号室・用途などの物件の基本情報
  • 賃料・敷金・礼金・共益費・更新料・㎡単価・坪単価などのお金関係の情報
  • 現在の賃料合計・入居率などの現在の情報
  • 契約開始日・契約終了日
  • 保証会社や管理会社
  • その他付属設備やインターネット回線の状況などの補足情報

買主はレントロールの情報を通じ、「物件本体や賃貸借契約に問題はないか」「しっかり利益を見込める物件なのか」などを判断します。隠すことなく開示すれば、「この売主は信用できる」と買主側に好印象を与えられるでしょう。

管理会社と契約している場合、原則として管理会社がレントロールを作成してくれます。もしなかった場合でも、仲介業者が販売活動用の資料として作ってくれる場合があります。

マッチングした投資家や買取業者などの買主と売買条件について合意できたら、売買契約書を作成して契約を締結します。売買契約書の内容は必ず目を通し、「不利な条件が追加されていないか」「話し合ったことと違っていないか」などを確認しましょう。

売買契約を結ぶときは、事前に下記の書類を準備しておくとスムーズに進められます。

主な必要書類 概要・入手場所など
本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など
実印・印鑑証明書 印鑑証明書は自治体の窓口やコンビニなどで入手。
実印は自治体に登録してあるものを使用
固定資産税納税通知書
または
固定資産評価証明書
オーナーチェンジ物件の評価額や固定資産税額を確認できる書類。
納税通知書は毎年建物の所有者に送付。
固定資産評価証明書は自治体の窓口やコンビニなどで入手
ローン残高証明書や
ローン返済予定表
オーナーチェンジ物件購入時に利用したローンの残高や今後の
返済予定を記載した書類。融資先の金融機関に発行してもらう
建築確認済証や
検査済証
オーナーチェンジ物件が建築基準法などの法律に適合していること
を確認したという証明書。紛失した場合は、自治体の窓口や
建築を担当した会社などに問い合わせる
マンションの管理規約
・使用細則
マンションの利用方法や各種決まりを定めたものをまとめた書類。
マンション管理組合や管理会社から入手
収入印紙 印紙税納税のために、売却価格に応じて売買契約書に貼り付ける。
高額取引なら法務局や郵便局で金額の大きいものを購入するのがよい
その他必要になる
可能性がある書類
耐震診断適合証明書、アスベスト使用調査報告書など

売買契約を締結した後は、売却代金の受け取り、所有権移転登記、物件・賃貸借契約・敷金礼金などの引渡しといった引き継ぎ手続きを順次進めます。

すでに手付金として一定額を買主から受け取っているときは、残額を振り込んでもらいます。

賃貸借契約はそのまま新オーナーへ引き継ぐため、ほとんどの場合、入居者との再契約は発生しません。賃貸借契約書の原本または管理会社から受け取ったコピーなどを、新オーナーへ渡しましょう。所有権移転登記が完了した時点で、賃貸人としての地位や契約内容は新オーナーへ自動的に承継されます。

正確性や迅速な手続きのため、所有権移転登記は司法書士に依頼するのが一般的です。

新オーナーへ所有権を移転した後は、入居者にオーナーが代わる旨を通知します。通知を怠ると、家賃の振込先や連絡先などが変わったことを入居者が確認できず、「昔の口座に振り込まれてやり直しが手間になった」「オーナー交代後も入居者から連絡がくる」などのトラブルになるリスクがあります。

オーナー変更に関する通知では、下記のことを伝えましょう。

  • 新オーナーの個人名・法人名や連絡先、住所など
  • 管理会社の変更があれば管理会社の名前や連絡先
  • 家賃の振込方法や振込先
  • 賃貸借契約の変更の有無

オーナーチェンジ物件を売却して譲渡所得(売却益)が出たときは、売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に、所得税の確定申告が必要です。確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課せられます。

オーナーチェンジ物件の譲渡所得は、給与や事業収入などの所得とは分けて申告しなければなりません。確定申告に必要な書類を、下記にまとめました。

確定申告に必要な
主な書類
概要・入手場所など
確定申告書第三表
(分離課税用)
オーナーチェンジ物件の売却益を申告するための書類。
税務署の窓口や国税庁の公式サイトなどで入手
確定申告書第一表・
第二表
給与や事業収入、各種控除、源泉徴収などの内容を申告する
ための書類。オーナーチェンジ物件の売却益を得たときは、
こちらの申告書の提出も必要。
税務署の窓口や国税庁の公式サイトなどで入手
譲渡所得の内訳書 売却したオーナーチェンジ物件の情報や譲渡所得の計算過程を
記載する書類。税務署の窓口や国税庁の公式サイトなどで入手

確定申告作業を進める際は、売買契約書、オーナーチェンジ物件を購入したときの取得費・譲渡費用がわかる書類、仲介手数料の明細などを準備しておくとよいでしょう。

もし確定申告をする自信や時間がない方は、税理士に代理申請を依頼できます。不動産に強い税理士なら、適用できる控除や節税を意識した申告についてのアドバイスもしてくれます。

オーナーチェンジ物件を売却する場合、下記の税金・費用がかかります。

  • 譲渡所得税・住民税・復興特別所得税
  • 消費税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 仲介手数料

譲渡所得税・住民税・復興特別所得税は、オーナーチェンジ物件の売却で発生した譲渡所得に課される税金です。

まず、譲渡所得税を計算するには、「売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除」で譲渡所得を算出します。

譲渡所得が計算できたら、次にオーナーチェンジ物件を所有していた期間に応じた税率を乗じます。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」、5年以下なら「短期譲渡所得」です。

所得税率 住民税率 復興特別所得税
長期譲渡所得 譲渡所得✕15% 譲渡所得✕5% 所得税額✕2.1%
短期譲渡所得 譲渡所得✕30% 譲渡所得✕9% 所得税額✕2.1%

※ 相続や贈与で不動産を取得したときは、被相続人や贈与者が購入した時期がそのまま引き継がれます。

下記では、簡単なシミュレーションを紹介します。

  • 親が木造の賃貸アパートを6600万円で新築後、相続で取得
  • 売却年の1月1日時点で親が取得してから10年経過
  • 賃貸アパートの減価償却費は10年間で3100万円
  • 売却価格は4000万円
  • 他の取得費は特になし
  • 譲渡費用は仲介手数料の60万円
  • 特別控除はなし

譲渡所得を求めるには、売却価格から取得費・譲渡費用・特別控除を差し引く必要があります。取得費は「購入価格ー減価償却費」で求めます。この条件の場合「6600万円ー3100万円=3500万円」と算出でき、譲渡費用は60万円、特別控除は0円であるため、これらを先に書いた計算式「売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除」にあてはめると、譲渡所得は
4000万円ー(3500万円+60万円)ー0円=440万円
となります。

譲渡所得税・住民税・復興特別所得税は下記の通りです。

  • 譲渡所得税=440万円✕15%=66万円
  • 住民税=440万円✕5%=22万円
  • 復興特別所得税=66万円✕2.1%=1万3860円
  • 合計=89万3860円

オーナーチェンジ物件は収益物件に該当するため、売却時には建物部分に消費税が発生します。もし売主がすでに課税事業者だった場合は、消費税分の納税が必要です。一方で、免税事業者や事業者ではない個人は納税の必要はありません。

個人がオーナーチェンジ物件を売却し、売却価格が1000万円を超えた場合は、原則として2年後に課税事業者になってしまいます。もし2年後になんらかの事業を始めて売り上げを出した場合、売り上げにかかる消費税の申告と納税義務が発生します。

逆に言えば、「親から相続したアパートを処分したいだけで、今後別の事業を始める予定はない」という場合は、売却後も消費税申告について気にする必要はありません

なお、土地には消費税が一切かかりません。オーナーチェンジ物件と一緒に土地を売却してた場合、いくらで売れようとも土地部分に関しての消費税はゼロ円になります。

登録免許税は、オーナーチェンジ物件の所有権移転登記のときに発生する税金です。実務上、買主側が負担するケースがほとんどですが、売買契約の内容によっては売主も一緒に支払う場合もあります。

登録免許税の計算式は、「固定資産税課税標準額(固定資産税評価額)✕税率」です。

オーナーチェンジ物件売却時の建物部分の登録免許税率は、2%です。土地部分も同様に2%ですが、土地は2026年3月31日までの登記なら1.5%に軽減されます。

たとえばオーナーチェンジ物件の建物の部分の固定資産税課税標準額が3000万円なら、登録免許税は6万円です。

印紙税は、売買契約書に記載された売却金額に応じて下記のように発生します。

売却価格 印紙税額
契約金額の記載のないもの 200円
1万円未満 非課税
1万円以上10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1000円
100万円を超え500万円以下 2000円
500万円を超え1000万円以下 1万円
1000万円を超え5000万円以下 2万円
5000万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円

印紙税の支払いは、売主と買主が半分ずつ支払うのが通例です。とはいえ法的な決まりはないので、双方の合意があれば負担割合を自由に決められます。

仲介業者を利用してオーナーチェンジ物件を売却した場合は、売却価格に応じた仲介手数料を支払います。

仲介手数料の金額は、法律で定められた上限の範囲内で、各仲介業者が独自に設定します。仲介手数料の上限は、下記の通りです。

売却価格 手数料率(速算式)
200万円以下 売却価格✕3%+6万円+消費税
200万円超~400万円以下 売却価格✕4%+2万円+消費税
400万円超 売却価格✕5%+消費税

オーナーチェンジ物件の売却価格が5000万円なら、「(5000万円✕3%+6万円)✕1.1」で171万6000円です。売主と買主で折半して支払う契約なら、それぞれ85万8000円になります。

最後に、オーナーチェンジ物件の売却に関するよくある質問をまとめました。

Q. 入居者を立ち退きさせてから売却はできますか?

可能ですが、成立させる難易度は非常に高いのが正直なところです。

入居者全員が退去した状態なら、投資家からの需要が上がり高値が付きやすいメリットがあります。

しかし、立ち退いてもらうには入居者一人ひとりと交渉し、任意で退去してもらう必要があります。オーナー都合の立ち退きであるため、合意を得るには立ち退き料の支払いや新居探しのサポートの対応が必要になるでしょう。立ち退き交渉は、更新時期の半年~1年前から始めておくのが望ましいです。

なお、オーナーチェンジ物件の売却を理由に、強制的に退去させることはできません。入居者の強制退去には借地借家法第28条に基づく「正当事由」が必要であり、これまでの裁判例や私の経験上、オーナー都合での売却が正当事由になるケースはほぼありません。

正当事由として認められやすいケースは、「3カ月以上家賃を滞納している」「契約内容と異なる用途で部屋を使っている」などが挙げられます。

Q. オーナーチェンジ物件に自分で住むことはできますか?

買主がオーナーチェンジ物件を購入後、空いている部屋に自分が住むことは可能です。満室の場合は、自然退去か任意交渉による退去によって部屋が空いたときに使えます。

なお、自分が将来住むからといって、オーナーチェンジ物件購入時に住宅ローンを使うことはできません。他に入居者がいる時点で、投資用物件に該当するからです。

Q. オーナーチェンジ物件の売却相場は安いと聞きましたが本当ですか?

一般的な傾向として、オーナーチェンジ物件は通常の賃貸物件と比較して安くなります。

同条件の賃貸物件と比較すると、オーナーチェンジ物件は10~20%程度低い価格で取引されるケースが多く見られます。とはいえ、前述した高値で売却するコツを意識すれば、高値が付くことも期待できます。

オーナーチェンジ物件は売却できるものの、同条件の賃貸物件よりも売れにくい傾向があります。「購入層が少ない」「住宅ローンが使えない」「入居者とトラブルになる」などが理由です。売却を成功させるには、売れやすい・売れづらいオーナーチェンジ物件の条件を把握し、「入居率を高める」「メリットを伝える」などのコツを意識しましょう。

(記事は2025年10月1日時点の情報に基づいています)

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