俳優、タレントとして幅広いジャンルで活躍する東ちづるさん。東日本大震災後の2012年に一般社団法人Get in touchを立ち上げ、トランスジェンダーや障害のあるパフォーマーたちと誰も排除しない“まぜこぜの社会”をめざす活動にも力を入れています。東さんは、遺言書を作成し、遺贈寄付の意向も記載しているといいます。社会課題と向き合う活動や遺贈寄付への思いについて聞きました。
――「生きた証し」という意味では、東さんは2012年に社会課題と向き合う活動をするために、一般社団法人Get in touchを設立されました。どのような活動をしているのでしょうか。
Get in touchは、アートや音楽、映像、舞台を使って居心地のよい空間をつくることで、「まぜこぜの社会」の実現をめざす団体です。多様性を可視化する活動によって、誰も排除しない、されない社会を実現するための活動をしています。
例えば、Get in touchの舞台には、車椅子や義足、ダウン症や自閉症の演者、低身長症のダンサー、全盲の歌手、トランスジェンダーのシンガー・ソングライターなどが出演します。約40人で組織する「まぜこぜ一座」のメンバーは、みんなプロのパフォーマーとして、報酬を得て活躍しています。Get in touchの舞台はメンバーの仕事場であり、生きる場です。
Get in touchの公演会場ではバリアフリーを徹底し、車椅子の方、視覚障害のある方、聴覚障害のある方など、誰もが楽しめる環境を整えています。音声ガイドや手話通訳による案内のほか、自前でスロープを設置して、車椅子の方が入場できるようにもしています。
広島県生まれ。多くのテレビ番組に出演しながら骨髄バンクやドイツ国際平和村などの社会貢献活動を30年以上続けている。2012年、アートや音楽、映像、舞台などを通じて誰も排除しない「まぜこぜの社会」をめざし、一般社団法人Get in touchを設立。自らプロデュースする映画「まぜこぜ一座殺人事件」はAmazonプライム他で配信中。著書に自ら描いた妖怪61体を社会風刺豊かに解説した『妖怪魔混大百科』など。9月25日~10月1日に京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店で「東ちづるポップアート~妖怪まぜこぜ原画展」を開催。