特に相続対策を目的に土地活用している大家さんの場合、その不動産の“価値”に大きく影響を与えるモノなので、しっかり情報収集し、出来るだけ早く自分自身が取る対応を決めておくべきです。

1.土地の資産評価は徐々に下がっている

右肩上がりの以前の日本経済であれば、土地神話と言われた状況で、長期的に黙っていても不動産=土地の価格は上がっていました。そのため、土地は株式や預貯金よりも重宝がられ、貴重に扱われた資産でした。ただ現在は一概にそう言えなくなっています。

「平成29年度土地問題に関する国民の意識調査(国土交通省)」によると、「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産であるについてどう思うか?」という質問に対して、「そう思う」と答えた人の割合が30.2%、「そうは思わない」と答えた割合が40.5%となり、「そうは思わない」と答えた人が年々増えています。空き家問題など前述の諸問題も影響しているためと思われます。

「平成29年度土地問題に関する国民の意識調査(国土交通省)」によると、「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産であるについてどう思うか?」という質問に対して、「そう思う」と答えた人の割合が30.2%、「そうは思わない」と答えた割合が40.5%となり、「そうは思わない」と答えた人が年々増えています。空き家問題など前述の諸問題も影響しているためと思われます。

2.土地と向き合う際に考えたいこと・・・

土地は建物以上に周辺環境の影響を受け、自分自身でコントロールしづらい資産でもあり、税制や政策などの影響も大きく受けます。

土地に関する政策立案&実行の基本になる事柄を定めている法律が「土地基本法」です。
自分自身で対応できない法改正リスクや政策変更のリスクを考える上で、動向を確認しておきたいルールです。

この土地基本法は、バブル景気真っ只中の平成元年(1989年)に公布されたので、「適正な土地利用の確保」「正常な需給関係と適正な地価の形成」≒利用を促進することでバブルを抑制するという目的の下、定められた法律です。

3.時代の変化

平成の30年間、特に2011年以降は人口減少・少子高齢化が本格化してきました。
需給関係の変化から、空き家や空き地が増え、最近は所有者不明土地問題や管理不全の土地の問題が顕在化しています。

また、多発化&激甚化する災害への「防災や減災対策」、境界線を確定できないことにより、適正な不動産価格が付けられなかったり、売却自体ができなかったりする、いわゆる「地域への外部不経済」の発生防止が急がれる状況です。

重ねて、特色のある「地域の活性化」と環境問題も含めた「持続可能性の確保」が政策目標としてより重要になっており、土地基本法ができた平成初頭=バブル経済当時の状況とはかけ離れた状況になっています。

そこで、2020年1月20日から始まる通常国会(第201回国会)にて、改正される方向です(執筆時点)。

4.所有者不明土地の問題に切り込むか?

少々難しい話になりますが…国土交通省・国土審議会土地政策分科会の資料を見ると、土地・不動産を「既に利用されている」場合と「低未利用」の場合に分け、整理しています。

既に利用されている土地・不動産に関しては、都市の競争力強化、コンパクトシティ施策の推進、不動産投資の活性化、既存住宅流通推進など、「最大限の有効活用をする取り組み(最適活用)」を進めることとしています。

また、低未利用の土地・不動産に関しては、①空き地・空き家バンク整備、ランドバンクの形成・確立など「市場を通じて利用につなげる取り組み」と、②区画整理など土地の集約・再編による公共空間の創出(スポンジ化対策)やグリーンインフラの創出など「地域での公共・公益的な利用につなげる取り組み」といった「創造的活用」を求めるようです。

そして、管理不全の土地対策(民事法制、インフラ隣接地管理等)など「外部不経済の発生抑制・解消」のため「適正な管理を確保する取り組み」が重視されます。

つまり、今までの土地基本法では、土地所有者の権利“しか”示されていなかったのですが、改正後は、土地所有者の権利と“責務(責任と義務)”が示されます。そうすることにより、管理不全の陥っている空き家や空き地に対応していこうとしているわけです。

具体的に、地籍調査などの推進、登記情報の最新化、地価公示制度など「情報基盤の整備」し、所有者不明土地法の施行、民事基本法制の見直しなど「所有者不明土地問題への対応」を進めていくようです。

5.例えば、不動産売買時に影響することとして・・・

土地基本法自体の改正はさして注目されないかもしれません。ただ、土地に関する「基本法」ですから、2020年4月に改正される民法(債権)同様、この改正を皮切りに、土地関連の様々なルールが変更される可能性は非常に高いと感じています。

まず、ご自身でできる「外部不経済の発生抑制・解消」、具体的には現状調査や境界画定など権利確定に努めましょう。万が一、境界が未画定の場合、残された子世代が非常に苦労しますから、最低限、資料などは整理して残しておいてあげてください。

土地活用は長期間運用することが前提なので、今後の動向変化を知ることも大切です。
情報収集に努め、ご自身の土地活用にどのような影響が起きそうか?想定しておきましょう。

(記事は2020年1月1日時点の情報に基づいています)