目次

  1. 1. そもそも民法とは?
  2. 2. 債権関連のルールは120年ぶりに改正
  3. 3. 民法はどのように変わったか
  4. 4. 不動産売買時に影響が大きい「瑕疵担保責任」

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2020年(令和2年)4月に改正された「民法(債権)」は、不動産を取り巻く環境に大変な影響があります。土地活用をする大家さんから見ても関わる事柄が多いため、知っておくべき事柄をお伝えします。

民法とは、六法全書の一つにも数えられるほど重要な法律≒一般法です。
私たちのような私人間でトラブルや争いが生じたときに、「このように問題解決すると良い」と定められた法律です。基本的な事柄が書かれているので、条文も1000条以上と多いのが特徴です。

例えば、不動産の貸し借りでよく使う「借地借家法」など詳細な事柄が規定されている法律≒特別法から見ても基本(基準)となっています。このように民法は契約(=約束)や詳細な内容を規定する他の法律(特別法)が優先する形になっており、社会的にも不都合もなかったので、長らく大きな改正が行われていませんでした。

ただ、21世紀に入り、少子高齢化・人口減少社会の到来、ITなど技術革新による社会システムの構造変化により、状況が変わりました。

民法は1896年(明治29年)にできた古い法律なので、状況も大きく変化し「わかりづらくなり」「時代に合わなくなってしまった」ことから、今回、改正という流れになりました。

実際、相続関連のルールが2019年7月より40年ぶりに順次改正されました。18歳成人など親族関連のルールも2022年4月に、また、契約や取引に関する事柄の書かれた債権関連のルールは2020年4月に120年ぶりに改正されました。

実際にこの議論は2009年(平成21年)11月に法務省内に法制審議会・民法(債権関係)部会が立ち上がり、2015年(平成27年)2月に「民法(債権関係)の改正に関する要綱案」が決定するまで、実に5年以上の期間を掛け議論が尽くされました。

民法は他の法律の基本(基準)になっているので、連動して関連性のある他の法律(特別法)も変更されることになります。当然に社会的な影響も大きくなるでしょう。

改正内容は多岐にわたっていますが、土地活用に影響のある点も多くあります。

例えば、賃貸に関わる重要ポイントとして、契約する際に必要になる「敷金」や「保証債務」、退去時に問題になる「修繕」などがあります。判例などにより明文化されていなかったルールを明文化したものが多いです。特に連帯保証に関わる「保証債務」については、確認しておきましょう。

また、売買に関わるポイントとして、勘違いにより契約した際の対処である「動機の錯誤」、契約をキャンセルする際の「契約解除」、契約から物件引渡しの間に災害など発生した際の対処である「危険負担」などが挙げられます。

特に売買時の「瑕疵(かし)担保責任」の変更については影響が大きいでしょう。瑕疵(かし)とは聞き慣れない言葉だと思いますが、不良品という意味です。

瑕疵担保責任とは、不良品を売ってしまった際にそのことを知らなかった買主に対して売主が取る責任のことです。一定期間内であれば、売主が「不良品を売った」という“認識がなかった”としても(無過失責任)、買主は賠償責任請求ができたり、購入目的を果たせなければキャンセルすることもできます。

つまり、今までの不動産の売買であれば、売主に無過失責任がある瑕疵担保責任があったので、例え、買主が契約時に「不良品を購入した」という認識がなかったとしても、買主に落ち度がなければ、一定期間守られました。

改正後、この瑕疵担保責任は「契約不適合責任」に変更されました。読んで字の如くで、今後は、契約時点の合意内容に照らし合わせて、その内容と違っていた(不適合)場合に、買主は売主に責任を追求できるようになります。ですから責任追求の方法も補修などにより契約内容を完了して貰う「追完」や「代金減額」など複数になります。

民法改正により、土地活用に影響が出てきます。
例えば、賃貸に関わる重要ポイントとして、契約する際に必要になる「敷金」や「保証債務」、退去時に問題になる「修繕」などがあります。判例などにより明文化されていなかったルールを明文化したモノが多いです。
特に連帯保証に係わる「保証債務」については、確認しておきましょう。
また、売買に関わるポイントとして、勘違いにより契約した際の対処である「動機の錯誤」、契約をキャンセルする際の「契約解除」、契約から物件引渡しの間に災害など発生した際の対処である「危険負担」などが挙げられます。
特に売買時の「瑕疵(かし)担保責任」の変更については影響が大きいでしょう。
民法改正で「瑕疵担保責任」がどう変わるか、ポイント別に比較した図(筆者作成)

ですから、契約内容をしっかり理解した上で契約しないと買主は守られないことになるので、今まで以上に慎重に契約をする必要があります。

実際に、どのようなケースで責任を負って貰えるか? 2020年4月以降に問題が発生し、裁判事例(判例)等が積み重なっていくことで明らかになりますが、2010(平成22)年6月1日の瑕疵担保責任に関する裁判の最高裁判例にもヒントがあります。

「瑕疵の意義については、“契約当事者間で予定されていた品質・性能を欠くこと”とした上で、暇疵の有無の判断においては、抽象的にとらえるのではなく、“具体的な”当該契約締結当時における当事者の合意や契約の趣旨に照らして、通常又は特に予定されていた品質・性能を欠くものであったかどうかを判断すべき」

新しい民法でも、この判例の意図がくみ取られた内容になっています。
“契約当事者間で予定されていた品質・性能を欠くこと”という意味で、契約内容の理解が大事だとわかります。そして、“具体的に”“ 通常又は特に予定されていた品質・性能を欠くものであったかどうか”という点が争点になるので、現状では、契約書などに「どんな約束がされたのか?」しっかりと内容を残すことが大切だとわかります。

不動産売買は大きなお金が動きますから、具体的には弁護士など専門家と相談した上で進めることになるでしょうが、自分自身でもスキルアップし、ある程度理解出来るようにしておきましょう。

(記事は2022年9月1日時点の情報に基づいています)

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