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「エンディングノート」で未来の人生デザインを~安心の終活・相続を支える専門家に高橋真麻が聞きました~
エンディングノート、書いていますか? 多くの人が「亡くなった後に必要になるもの」というイメージを持ち、「自分にはまだ早い」と準備が遅れがちです。しかし、終活の専門家である黒澤史津乃さん(OAGウェルビーR代表取締役)も、相続のスペシャリストである林由美さん(OAG税理士法人資産承継部部長)も、「元気なうちに作成しておくこと」を勧めています。相続のときだけでなく、生きている間にも役立つというエンディングノートの書き方やポイントについて、フリーアナウンサーの高橋真麻さんが聞きました。
エンディングノートが相続対策になるって本当?
高橋真麻(たかはし・まあさ)さん 1981年生まれ、東京都出身。元フジテレビアナウンサー。父は俳優・高橋英樹さん。衣装協力:PINKY&DIANNE、Grossé。
高橋(以下敬称略):前回にお話(相続専門の税理士がいちから答える「相続」の基本~高橋真麻が聞きました)をうかがった際、相続の準備としてまずエンディングノートをつくってみてはというアドバイスがありました。あらためて、相続のときにどんなメリットがあるのでしょうか?
林:遺言書やエンディングノートを残しておくと、相続手続きをスムーズにスタートできます。例えば、相続税の申告が必要な場合、被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内に財産がいくらあるかの証明書をそろえて、納税しなければなりません。しかし、子どもたちが親の財産をすべて把握しているわけではないですよね。せめてノートにどの銀行と取引があるかを書いておくだけでも、残高証明書の請求から手続きに取りかかることができます。
林由美(はやし・ゆみ)さん 航空会社、会計事務所などを経て、1999年OAG税理士法人に入所。2003年から「相続」を中心とした税務申告、相談業務を担当する相続専門のスペシャリスト。
高橋:銀行名がわかるだけでもかなり違うんですね。
林:銀行の取引はお通帳などで確認することもできますが、最近では通帳を発行しない銀行口座も増えてきましたので、エンディングノートに記載があると相続にかかわる方はとても助かると思います。
黒澤:私は終活領域に20年以上携わってきましたが、エンディングノートは生きている間にも活用すべきという理解が進んでいないと感じています。病気などで、自分のことを自分で決められなくなる時期は誰にでも訪れる可能性があります。葬儀、お墓、相続といった亡くなった後に必要な情報に加え、残りの人生をどう生きたいかといった望みも、書き残しておくことで自分の思いをかなえるツールとして活用してもらえます。
高橋:なるほど。確かに親の身に何か起きても、本人の希望がわからないと、子どもとしても困ってしまいますね。
黒澤:そうなんです。私自身も昨年、一昨年と父母を相次いでみとりましたが、「本当はどんな最後を望んでいたのだろう?」と、とても悩みました。たとえば、自分が認知症になったとき、自宅で過ごしたいのか、施設への入所が希望なのか、延命治療はどうするのか、といったことがエンディングノートに書いてあれば、子どもが親のことを決める際の指針になります。
黒澤史津乃(くろさわ・しずの)さん 行政書士。2021年OAGライフサポートに参画。2023年よりOAGウェルビーR代表取締役。認知症や高齢者問題にかかわる政府有識者会議メンバーも務めている。
メモ書きでもかまわない。大事なことはどんどん「託して」
高橋:前回の対談の後、親とは「エンディングノート書かないとね」という話はしたのですが、お互いに忙しくて具体的な話はあまりできていません。書くコツはありますか?
黒澤:エンディングノートは書店で購入できますし、自治体から配布されたり、HPから無料ダウンロードできたりもするので、持っている方は多いです。でも、私が担当する終活セミナーでお聞きしても、書き終えた方は50人に1人くらいですね。
高橋:途中であきらめてしまうんですか? それとも、全く手をつけていない?
エンディングノートは自分の希望をかなえるツール
黒澤:1ページ目で手が止まってしまう人や、どうせ書いても今後変わってしまうだろうと思って書けなくなる人もいるようです。まずはすべてを書こうと思わず、ルーズリーフにメモ書きでもいいので、書き終えた項目からどんどん伝えたい人に「託して」いってほしい。必要になったら、後からその項目だけ書き換えればいいので。
高橋:ノートという形にこだわらずに書けるところから書いて、渡していくわけですね。気持ちのハードルも少し下がった感じがします。
林:せっかく書いても、託さないと意味がありませんし、必要な時にすぐ確認できる状態にあることが大事です。資産の情報など、今伝えるのに抵抗がある項目については、ノートやメモの保管場所だけ伝えておくことでも大丈夫です。大事なものなので、銀行の貸金庫に預けておくという方もおられますが、契約したご本人が亡くなられた後に、残された家族が貸金庫を開けてもらうのは手続きが大変なので、おすすめはできません。
高橋:親子でエンディングノートについて話すなら、「病気になったらどうしてほしい?」といった話題から始めてみるとよいかもしれませんね。でも親に持病があるとなかなか切り出すのは難しそうです。
林:日本の家庭では、人の「生き死に」を話題にしてはいけない感じがまだありますよね。だからこそ、少しでもお元気なうちに、「人間いつ何があるかわからないものだよね。私も書くから、一緒に書こうよ」といった提案をするというのもきっかけ作りになると思います。
ノートに書くべき三つの項目とは?
パスワードや電子マネーなど「デジタル遺産」の情報も重要
高橋:エンディングノートには、どんなことを書けばいいですか?
黒澤:まずは病歴や手術歴、飲んでいる薬など、体調に関する情報ですね。病院や療養先で聞かれることがあるので。
高橋:確かに、親がいつどんな病気をしたか正確には覚えていないですね。
黒澤:次に、今の暮らしについても書いておきましょう。普段どんな生活をしているのか、親と離れて暮らしていると分からないことも多いですよね。好きなことや趣味などを記録しておくと、気持ちが落ち込んでいる時でも、何をしたら気分がよくなるのか、周囲に知ってもらうヒントになります。
高橋:認知症が進んだ方に、かつて弾いていたギターなどの楽器を渡したら自然と演奏できて、症状が落ち着いたというお話を聞いたことがあります。
黒澤:その通りです。子どもや介護スタッフにまだできることや、やりたいことを見つけてもらえれば、自分らしく前向きに生きることができますから、そのヒントをエンディングノートに書き留めておくのです。
あとやはり大切なのは、取引銀行や証券会社の口座情報や月々の収支など、お金に関することですね。年金をいくらもらっているかわからないと、介護施設などを決めるときにも困ってしまいます。習い事の月謝やスポーツクラブの会費、契約している動画配信サービスなどサブスクリプションの支払い情報も書いておくと、解約の手続きもスムーズです。
高橋:親が契約しているサブスクとかネットサービスのパスワードまで、知らないですよね。そのままにしておくとどうなるのでしょうか。
林:亡くなった後も、口座の自動引き落としが続いていたというケースはよくあります。一方、金融機関では契約者の死亡を確認すると口座を凍結するので、引き落としができなくなった通知によって、はじめて残された家族が知る場合も少なくありません。
黒澤:いまや一人一台持つスマホの中に、どんな情報が閉じ込められているかは家族ですら全くわかりません。指紋や顔認証で保護されているので確認することも難しいです。パスワードなどの情報やネット証券や電子マネー、仮想通貨などスマホの中にある「デジタル資産」の重要性はますます高まっています。どうやって記録を残して伝えるかが重要です。
遺言書との違いは「法的効力」
相続も終活も専門家への相談が選択肢のひとつ
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高橋:エンディングノートと遺言書は似ている気もするのですが、どんな違いがあるのでしょうか?
林:遺言書は財産のことしか書けませんし、様式も決まっていて、法的効力があります。たとえば相続人が複数いたとしても、「一人に全財産を渡す」と書いてあれば、相続登記などをその方一人で進めることができます。そうした強制執行力を持つのが遺言書です。一方、エンディングノートは、いわば本人の希望を書いたメモですから、法的効力はありません。「この家は長女に」と書いてあっても、従うかどうかは残された相続人の判断次第です。ご本人の望みがかなうとは限りません。どの項目を遺言書にするかなどは、私たちのような専門家に相談するのもひとつの方法です。
高橋:そうなんですね。相続について、子どもと話すのは抵抗があっても、遺言書の作成などをきっかけに第三者になら相談できるという方もいらっしゃるのですね。
黒澤:私たちは定期的にご自宅を訪問してエンディングノートを一緒に仕上げていく事業も行っています。お子さまが忙しくて、「今の生活の不安や終活についてゆっくり話す機会がない」という親世代の方からの相談もお受けしています。終活と相続の問題はつながっているので、相続税の心配がある方にはOAGの税理士を紹介することもできます。
林:税理士なら、もしものことがあった場合、「今のところ相続税はこれぐらいになりますが、毎年生前贈与をした方が相続を迎えたときの税金の負担は少なくなります」といった具体的な生前対策のご提案ができます。反対に、相続対策のご相談に来た方を黒澤の部署と連携して対応していくケースも今後は増えていくと思います。相続に関する対策も終活もご自身で対応できなくなるかもしれないということを想定して、早めに準備しご家族や専門家と相談しておくことが、後々役立つと思います。エンディングノートはその一つの役割を果たすのだと思います。
エンディングノートは未来の人生をデザインするもの
元気なうちに人生デザインノートに取り組むのがベスト
高橋:私も40歳を過ぎてから、友人と親の終活や相続の話をするようになりましたが、エンディングノートは何歳くらいから書き始めるといいですか?
黒澤:何度でも書き換えてかまわないので、少しでもお元気なうちに始めるといいと思います。エンディングノートは、自分の人生をデザインするためのものです。人生の終盤や亡くなった後のご自身の希望は、絶対に自分一人ではかなえられません。必ず誰かに手伝ってもらうことになります。だからこそ自分の人生のデザインノートを完結させてくれそうな人に、適切な時期に適切な情報が渡るようにルートを決めておくのが大事です。そのためにも元気なうちに取り組むのがベストだと思います。
高橋:「人生のデザインノート」っていい言葉ですね。「エンディングノート」というと、どうしても死を連想するネガティブな面がありましたが、イメージが変わります。高齢の方にも若い方にも、みなさんに「自分の希望を記す」という本当の目的を知っていただくことが大事だなと思いました。
林 ご家族全員にとって有益な情報になるものですから、お盆の帰省の時などをきっかけに、ぜひ親子で話題にしてほしいと思います。
悩んだら専門家の手も借りて、準備をはじめよう
夏休みの帰省時は、終活や相続を話題にするチャンスです
高橋:エンディングノートや終活、相続は、密接に関係していることを今回のお話であらためて感じました。
林:そうですね。私たちOAGグループでは、税理士を中心としたコンサルティングファームの中に、終活領域に対応できるチームが在籍しており、ここが連携できることはOAGの強みでもあります。双方が補完し合うことで未来への安心も増すと思います。
高橋:ご夫婦やご家族そろってご相談される方も多いのですか?
林:多いですね。ご夫婦でどちらかが先にお亡くなりになった場合、相続をどういった手順で進めればよいかといったアドバイスなどもさせていただいています。相続の問題は、仕組みを知らないと結果的に損をしてしまうこともあるので、ご相談をきっかけに納得感を得てもらえたらと思っています。
黒澤:ご自身が亡くなった後も、残された配偶者の方がずっと元気で暮らしていくイメージを描いている方が多いですが、現実には認知症などになってしまうケースもあります。そういった可能性も考慮しながら、それぞれの人生デザインを組み立てるお手伝いをしていければと思います。
高橋:こうやって丁寧にお話を聞くと、自分が今まで終活や相続についてまだまだ知らなかったことに気づけます。やはり、専門の方に相談するのは大事ですね。両親への声かけもそうですが、私も「人生のデザインノート」にチャレンジしてみようと思います。ありがとうございました。
未来の安心のために
OAGグループでは、税理士を中心としたコンサルティングファームの中に、終活領域に対応できる「ウェルビーR」という組織もあります。互いに連携できることが強みで、補完し合うことで未来の安心をお手伝いします。
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