目次

  1. 1. 住まない実家を所有するデメリット
    1. 1-1. 固定資産税が毎年かかる
    2. 1-2. 老朽化が進む
    3. 1-3. 近所とのトラブルに発展する可能性がある
    4. 1-4. 解体すると固定資産税が上乗せになる
  2. 2. いらない実家の処分法
    1. 2-1. 売却する
    2. 2-2. 寄付する
    3. 2-3. 貸し出す
  3. 3. 相続放棄するには
    1. 3-1. 不動産の相続放棄が難しい理由
    2. 3-2. 放棄したとしても相続財産管理人の選任が必要
    3. 3-3. 不動産を放棄するかどうかを決める基準
  4. 4. 活用法を考える
    1. 4-1. アパート経営
    2. 4-2. 駐車場
    3. 4-3. 老人ホーム
    4. 4-4. 太陽光発電
    5. 4-5. 農地
    6. 4-6. 空き家バンクの利用
  5. 5. まとめ

住まない実家を所有し続けるとさまざまなデメリットが生じます。
具体的には以下のようなものです。
・固定資産税が毎年かかる
・老朽化が進む
・近所とのトラブルに発展する可能性がある
・解体すると固定資産税が上乗せになる
それぞれ見ていきましょう。

不動産は所有しているだけで固定資産税が発生してしまいます。
また、そのまま子供に相続させるなどした場合、子供が実家を活用できず、さらに固定資産税を支払わなければならず「負動産」になってしまいます。

人が住まない家は老朽化が早まります。災害時に倒壊するなどしてしまわないよう、管理するのに手間や費用がかかってしまう可能性があるでしょう。

実家を放置していると庭に草が生えるなどして景観の悪化につながります。
近隣の住民にも悪影響が及んでしまうことがあり、近所とのトラブルに発展してしまう可能性があります。

固定資産税は居住用の建物が建っている場合、最大で納税額が6分の1になる特例があります。空き家は放置していると倒壊などの危険性があるため、更地にしておいたほうがよいのですが、そうすると固定資産税の負担が増えてしまうのです。

活用できていない実家については以下のような方法で処分を検討するとよいでしょう。
・売却する
・寄付する
・貸し出す
それぞれ解説していきます。

不動産業者への直接買取や不動産業者の仲介を利用した売却などが考えられます。売却を検討しているのであれば、まずはインターネットで不動産一括査定を利用してみるとよいでしょう。特に郊外の土地については、地価が年々下落傾向にあるため放置しているだけで価値が下がっていってしまいます。

寄付を受け付けてくれる自治体もありますが、自治体からすると固定資産税は重要な収入源ということもあり、実際には活用が見込まれるケース以外ではほとんど寄付を受け付けてくれません。近隣の知人や親戚などで寄付を受けてくれないか確認してみるとよいでしょう。その場合、寄付を受けた側は不動産の価値に応じて贈与税を納める必要があります。
なお、法人で寄付を受け付けてくれる場合もありますが、営利法人の場合は寄付をした側が売上があったとみなされて譲渡所得税を納める必要がある点に注意しましょう。

近隣の知人や親戚、または企業の資材置き場や事業用の借地としてなど貸し出すことを検討してみてもよいでしょう。借地の場合、一般的に多くの収入を見込むことはできませんが、固定資産税を賄う程度の収入にはなるはずです。
ただし、一旦借地してしまうと、数十年単位で返却を受けられなくなる可能性もある点に注意が必要です。

相続の段階で実家を活用する見込みがない場合には相続放棄を検討してみてもよいでしょう。ただし、不動産の相続放棄は難しいケースもあります。

不動産の相続放棄といっても、相続時には相続したくない財産を選んで放棄するといったことはできません。つまり、相続放棄するには、想像財産全てを放棄しなければならないのです。
また、相続放棄は相続があったことを知った日から3カ月以内に判断しなければなりません。

相続放棄した結果、誰も相続する人がいなくなったケースで、さらに債権者から申立てがあった場合には「相続財産管理人」を選任しなければなりません。
相続財産管理人は選任されると負債の支払いなどを行った後、残った財産を国庫に帰属させるといった役割を果たします。

不動産を放棄するかどうかを決める基準として、まずは不動産以外の財産がどうなっているかを把握するとよいでしょう。現金やローンの残りがある場合はそれぞれどのくらい残っているのかを把握します。それらの合計額がマイナスになるようであれば、相続放棄を検討したほうがよいでしょう。
一方、プラスの場合は、基本的には不動産を含めて相続することをおすすめします。多くの場合、不動産は相場より安い価格で売りに出せば買い手が見つかるものです。
ただし、よほど郊外にある場合など相続しても処分が難しいケースであれば、不動産以外の財産の額と不動産を維持管理していく手間や費用を天秤にかけて慎重に判断しなければなりません。

活用できていない実家を所有している場合、何らかの方法で活用できないか検討してみましょう。
一般的な活用法としては以下のようなものが挙げられます。
・アパート経営
・駐車場
・老人ホーム
・太陽光発電
・農地
・空き家バンクの利用
それぞれ見ていきましょう。

土地の上にアパートを建てて入居者を集め、収入を得る方法です。住居エリアなど立地のよい場所にある土地であれば高い収益を得られる可能性があります。ただし、初期投資額が数千万円必要になるため、しっかり事業として取り組む意識を持ったうえでリサーチや競合対策など行う必要があります。

土地を駐車場として貸し出し賃料を得る方法で、月極駐車場とコインパーキングがあります。いずれの場合も、周辺の交通事情や競合対策などが求められます。駐車場の場合、初期投資額を抑えた活用が可能で、将来的に他の土地活用法への変換も比較的簡単に行えます。
どのように活用していけば分からない場合に、とりあえず駐車場にするといった方法も考えられるでしょう。

土地の上に老人ホームを建てて事業者に貸し出す方法です。
高齢化の進む日本において将来に渡って高い需要を期待できますが、アパートより高額な初期投資が求められるのに加え、介護事業は常に人手不足で事業者を探すのが大変です。
また、仮に事業がうまくいかなかった場合に他の事業に転換しにくいといった問題もあります。なお、アパートと比べると比較的郊外にある土地でも活用しやすくなっています。

土地のうえに太陽光発電装置を設置して売電収入を得る方法です。長期間に渡って安定した収入を得られるというメリットに加え、他の活用法と異なり集客を気にする必要がないという特徴があります。
特に郊外に広大な土地があるといったケースでおすすめの方法です。

実家が農家で農地を相続したといったケースでは、自分で農業を営むか、市民農園として貸し出すといったことが考えられるでしょう。農地の活用は農地法により制限されるため、不動産会社や行政書士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

空き家バンクは主に自治体の営む、空き家を取り扱うサービスのことです。
サービスといっても、空き家を登録して利用者に閲覧してもらうだけのサービスですが、利用者が郊外にある安く利用できる不動産を探している人が多いという点で利用のメリットがあります。

不動産会社に売却を依頼した場合、あまり郊外にある土地だと案内などの手間の割には受け取れる仲介手数料が少なくなってしまうため、積極的に取り組んでくれないことがあります。
空き家バンクは、特にそうした物件の場合におすすめできる方法です。

なお、いずれの方法を選ぶにせよ、自分の所有している不動産がどのくらいの市場価値があるかを知っておくため、ひとまず不動産一括査定サイトを利用して査定を受けてもらうのも一つの方法です。

実家を相続したものの活用できていない、いらない家の処分方法や活用法についてお伝えしました。こうした不動産を所有している場合、何らかの方法で活用したり売却したりすることで、税負担や管理の負担を逃れられるだけでなく、収入面でもメリットが大きいでしょう。
いらない家を所有しているという方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。

(記事は2021年2月1日時点の情報に基づいています)

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